2012年06月14日

人生の言い訳 高田純次

人生の言い訳 高田純次 廣済堂出版

 言い訳は後ろ向きですが、内容は前向きです。言葉の使い方の教科書のようでもあります。作者はこの本に書かれている内容とは反対で、愛妻家であり家庭を大切にする人だと感じました。家庭が安定していないと仕事に打ち込みにくい。妻子のために稼ぐのです。
 自分を守るために自分の逃げ道をつくる話術です。冒頭からの内容は、劇場的で、綾小路きみまろさんのトークショーのようです。中盤の言い訳は、くだらないといえばくだらない。ヒットしたギャグもなければ、芸らしい芸もない。されど、タレントとして存在している。希少価値のある個性です。テレビ番組「元気が出るテレビ」とか劇団「東京乾電池」で売れ出して、いまでも生き残っている要因のひとつは人脈でしょう。作者は仕事がキツイと正直に吐露(とろ)しています。206ページにある、日本社会は、きちょうめんな血液型A型の人たちがつくったという言葉には共感します。わたしはA型ではないので、現代社会は疲れます。速さばかりを追求するよりも、待ち時間が長くてもいいからゆっくりしたい。
 自分の収入よりもワンランク下の衣食住の生活を送る。生活費の高い低いは、衣食住で何を着て、食べて、どんなところに住むかです。基本的なことは変わりありません。
タレントさんは「消耗品」です。素(す)の作者がいて、「高田純次」を演じる作者がいます。「適当男」を演じているのです。

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