2012年06月09日
枕草子 清少納言
枕草子 清少納言 長尾剛文 汐文(ちょうぶん)社
たしか、平安時代は400年間だった。なくようぐいすの794年から、いいくにつくろう鎌倉幕府だから1192年までになるのでしょう。内輪もめはあったでしょうが、安定した平和な社会だったのでしょう。
はるはあけぼのようようなんとかで始まるのが枕草子と覚えています。子どもさん向けの本を読んでみることにしました。加齢によって、目が見えにくくなってきたので、大きな文字で書いてあるこの本にしました。
帝(みかど)を中心とした貴族社会の一員であった清少納言(ペンネーム)さんは、清原家の娘さんと冒頭で自己紹介があります。そのことにちょっと驚きました。もっと格式ばった本かと思い込んでいました。随筆集で、一話ごとに「段」という単位でまとめてあります。この本の場合は段が混在していて、「151段、かわいらしいもの」から始まっています。内容はたいへん明るい話題が続いていきます。清少納言さんの仕事は帝の奥さんの世話をすることです。奥さんといっても本を読む限りでは、14歳ぐらいです。そして、清少納言さんは20代(なか)半ばの年齢です。京都御所にある仙洞御所の見学を予約してあります。見学の前にこの本に出会えてよかった。
清少納言さんは自尊心が高そうな記述が見うけられます。天狗になっているようで、とっつきにくい女性という印象をもちますが、88ページには仏教に携わる「法師(おぼうさまのこと)」をいたわる記述があり、やさしい女性です。少女マンガを読んでいるようでもあります。
記述は内部告発になるわけで、その点で心配したのですが、帝の奥さんから書いてみなさいよ!と勧められたことが作品制作のきっかけになっています。読者に話し言葉で語りかけてきます。まるで目の前に作者がいるようです。彼女の観察力は鋭いというよりもよく見ていらっしゃる。あたたかくゆったりとした視線なのです。
赤ちゃんの衣類に関する記述は、白黒写真にあるわたしが赤ちゃんだった頃の衣類と同じであり、平安時代も昭和時代も乳児の衣類は、それほど変わりはないようです。読み進めるうちに「名作」であることを実感しました。
夫婦とお互いの親とのごたごたとか、眉毛を抜くのがたいへんだとか、まるで女性週刊誌の記事です。何百年経っても人間の生活とか思いは同じです。女性同士の友情は続かないというような記述もあります。ご自身は×(バツ)いちの離婚女性で、こどもがひとりいるとも告白されています。離婚原因は、性格と趣味の不一致です。
78ページにはカラスの記述があります。こどもの頃、七つの子を歌いながら家に帰ったけれど、カラスは今では害鳥扱いになってしまいました。
作者はネタ探しがたいへんだったのではないか。苦労したと察します。読み進むにつれて記述はおとなしくなり、上品になったことが残念です。また、理屈っぽくなり、お説教をする教育ママのようでもあります。やはり宮中から余計なことは書くなという圧力がかかったのでしょう。
たしか、平安時代は400年間だった。なくようぐいすの794年から、いいくにつくろう鎌倉幕府だから1192年までになるのでしょう。内輪もめはあったでしょうが、安定した平和な社会だったのでしょう。
はるはあけぼのようようなんとかで始まるのが枕草子と覚えています。子どもさん向けの本を読んでみることにしました。加齢によって、目が見えにくくなってきたので、大きな文字で書いてあるこの本にしました。
帝(みかど)を中心とした貴族社会の一員であった清少納言(ペンネーム)さんは、清原家の娘さんと冒頭で自己紹介があります。そのことにちょっと驚きました。もっと格式ばった本かと思い込んでいました。随筆集で、一話ごとに「段」という単位でまとめてあります。この本の場合は段が混在していて、「151段、かわいらしいもの」から始まっています。内容はたいへん明るい話題が続いていきます。清少納言さんの仕事は帝の奥さんの世話をすることです。奥さんといっても本を読む限りでは、14歳ぐらいです。そして、清少納言さんは20代(なか)半ばの年齢です。京都御所にある仙洞御所の見学を予約してあります。見学の前にこの本に出会えてよかった。
清少納言さんは自尊心が高そうな記述が見うけられます。天狗になっているようで、とっつきにくい女性という印象をもちますが、88ページには仏教に携わる「法師(おぼうさまのこと)」をいたわる記述があり、やさしい女性です。少女マンガを読んでいるようでもあります。
記述は内部告発になるわけで、その点で心配したのですが、帝の奥さんから書いてみなさいよ!と勧められたことが作品制作のきっかけになっています。読者に話し言葉で語りかけてきます。まるで目の前に作者がいるようです。彼女の観察力は鋭いというよりもよく見ていらっしゃる。あたたかくゆったりとした視線なのです。
赤ちゃんの衣類に関する記述は、白黒写真にあるわたしが赤ちゃんだった頃の衣類と同じであり、平安時代も昭和時代も乳児の衣類は、それほど変わりはないようです。読み進めるうちに「名作」であることを実感しました。
夫婦とお互いの親とのごたごたとか、眉毛を抜くのがたいへんだとか、まるで女性週刊誌の記事です。何百年経っても人間の生活とか思いは同じです。女性同士の友情は続かないというような記述もあります。ご自身は×(バツ)いちの離婚女性で、こどもがひとりいるとも告白されています。離婚原因は、性格と趣味の不一致です。
78ページにはカラスの記述があります。こどもの頃、七つの子を歌いながら家に帰ったけれど、カラスは今では害鳥扱いになってしまいました。
作者はネタ探しがたいへんだったのではないか。苦労したと察します。読み進むにつれて記述はおとなしくなり、上品になったことが残念です。また、理屈っぽくなり、お説教をする教育ママのようでもあります。やはり宮中から余計なことは書くなという圧力がかかったのでしょう。
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