2012年06月08日

予定日はジミー・ペイジ 角田光代

予定日はジミー・ペイジ 角田光代 白水社

 「ジミー・ペイジ」を人の名前とは思いませんでした。ミュージシャンらしい。わたしはその人を知りません。
 作者らしいセクシャルで過激な出だしの文となっています。「性交をした」から始まっています。同作者の「空中庭園」は、「あたしはラブホテルで仕込まれたらしい」から始まります。
 ジミー・ペイジの誕生日が自分のこどもの出産予定日という設定で、妊娠中の体や心の変化、そして状況が語られていきます。されど、たぶん作者には出産体験がありません。ところが、完璧ではないにしろ、作者の記述は出産体験者の内容となっていることがすごさのひとつです。我家にもこんな時期があったなと思い出させてくれました。
 もうひとつのすごさは、主人公の女性と彼女の亡くなった父親の壮大なドラマであるところです。あっさりした文章、広い行間、全体で250ページほどですが、わたしの通勤時間往復3時間とすこしの電車の中で、1日で読み終えました。後半部分の固まりには唸(うな)りました。すばらしい。作者が主人公にのり移っています。


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