2012年06月05日

明日の記憶 荻原浩

明日の記憶 荻原浩 光文社文庫

 物語の主人公である佐伯部長は自信過剰でエネルギッシュです。典型的な会社人間です。全体の381ページのうち、80ペー ジまで読んだ段階で、この小説は名作になるとわかりました。アルツハイマーの彼が運転する車は怖い。やさしい奥さんには拍手を送りたい。自分がもし徐々に記憶を失う病気にかかったらどうしようと腕を組みながら考え込みました。読み進むけれど、哀しくて、つらくて、そしてスリルもある。
 日記の日付が進むのが怖い。10月9日から始まる。そして、4月27日が最後となる。だんだん破滅が近づいてくる。ホラー(恐怖)小説のようでもある。佐伯部長は悪あがきをしている。そんなことをしているとバチンと死んじゃうぞと、読み手のわたしが彼に警告をだす。


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