2012年06月04日

幸福な生活 百田尚樹

幸福な生活 百田尚樹 祥伝社

 お勧めします。18本のこわいお話が続きます。昔読んだ星新一さんのショート・ショートパターンです。1話は10ページほどで、落語のように最後の一行(いちぎょう)で話を落としてあります。深夜にラジオで聴きたい。
 身近なネタを話題にしてサスペンス(心臓がどきどきする話)に仕上げてあります。なかなかいい。登場するのはおもに夫婦です。どちらかのひとり語りになります。浮気があります。どきっとさせられる家族の秘密があります。結婚する前に相手について注意することとして、相手が多重人格ではないこと、アルコール依存ではないこと。残りもの(晩婚)に注意。
 性悪説に基づく人間観察です。人は嘘をつく。だますし、だまされる。他人同士だけではなく、夫婦でも親子でもだましあう。だまされたまま本当のことを知らずに世を去ることもままある。
 登場する女子たちはすべて美人となっています。鶴の恩返し、かぐや姫、男子は美人が大好きです。美人でなくても美人でも女子は秘密をかかえて生き続けています。死んだ奥さんが語る「ビデオレター」にはぞっとしました。
 これらの短編は「発端」です。最後の一行は、終わりではない。最後の一行から読み手のつくる小説が始まるのです。それは文章化されていません。


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