2012年05月27日

モノレールねこ 加納朋子

モノレールねこ 加納朋子 文藝春秋

8篇の短編小説が1冊の本にまとめられています。繊細な文章とリズム感が心地よい。気づかずに見過ごしてしまう日常生活の一部分からスリルやミステリーが広がり迫ってきます。
「モノレールねこ」秘密を含みながら物語は展開していきます。秘密を予測、解読していくのが読者の楽しみです。
「パズルの中の犬」主人公はかわいいお嫁さんです。こんな気弱なお嫁さんはみたことがありません。なんでもないことなのに、このスリル感はどこから生まれてくるのだろうか。そこがこの作家さんの持ち味です。
「マイ・フーリッシュ・アンクル」作者はなんて繊細な女性なのだろう。「強さ」という言葉は、ここにはありません。笑ってしまいました。この作家さんは未知の世界を教えてくれる、見せてくれる、導いてくれる。初めて訪れる国を旅しているようです。
「シンデレラのお城」なんて発想がいいのだろう! ありえない設定だけど、すずさんたちは本当の夫婦です。そしてわたしはお義母(かあ)さんの言葉が大好きです。
「セイムタイム・ネクストイヤー」夢のようです。夜みる「夢」が、こうなってほしいという「夢」に発展していきます。愛に満ち溢れた作品です。最後のほうにある数ページはないほうがよかった。
「ちょうちょう」この作品は質が落ちます。この本には載せないほうがよかった。
「ポトスの樹」わたしはこの作品の前半部分がこの本の中で一番好きです。この作家さんは作品の中間位置で「時」が飛ぶことが特徴です。
「バルタン最期の日」表記形式がいい。中身もいい。ラスト近くもいい。


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