2012年05月27日

14歳 千原ジュニア

14歳 千原ジュニア 講談社

ひきこもりのお話のようです。いっき読みになりそうです。(12時に読み始めて、途中昼食をはさんで14時30分に読み終えました。)ピストルの弾丸になって、あっという間に的(まと)に命中した心境です。ひきこもりの理由は何? それがなかなかわかりません。母親との関係がよくありません。母親の愛情が足りなかったのか多すぎたのか。「ひきこもり」については長い目で見てあげたい。まだ14歳、先は長い。
友だちの親から「あの子と遊んではいけない。」と言われたそうです。わたしもこどもの頃、同じことを言われた経験があります。いやなものです。みんなと同じことをする「平均化」がどうしてもできないこどもは大なり小なりいます。
進学コースからの脱落らしい。心が純粋すぎたのか。昼夜逆転の生活、テレビの砂嵐から虫が出てくるという幻覚。虚無があるだけです。
母親を嫌いつつ母親に頼りたい。おかあさんがかわいそうです。村上龍著「半島を出よ」で、北朝鮮軍と戦ったこどもたちのようです。周囲からの疎外感、否定された存在。ひきこもりの肝心な理由が書かれていないので、作者と読み手の密着感を得られない。親はなぜひきこもっているドアの前にごはんを置くのだろうか。わたしなら与えない。ひきこもりはぜいたくです。わたしのこども時代は、こどもでも働いてお金を得ることを考えていました。
作者がこの本を出版した理由は何だろう。疑問ばかりが湧いてくる。タバコが薬代わりになっている。学校にしても会社にしても、そこにひとりでも話し相手がいれば、通学や通勤ができる。
何をそんなにあせっているのだろう、急いでいるのだろう。彼は居場所を探している。
189ページのうち、前半が8割で、残り2割でいきなりラストになりました。ラストには泣けました。最初の8割の経験があったからこそラストではじけることができる。8割は貯蓄だったのです。お兄さんの彼に対する姿勢もいい。答えを提示して従わせるのではなく、弟自身に考えさせて企画させる。上手な指導法です。


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