2012年05月26日

赤い指 東野圭吾

赤い指 東野圭吾 講談社

 心に残った1冊となりました。タイトルは書店で何度か見かけたのですが、タイトルがあまり気持ちのいいものではなかったので、これまで手に取ることもありませんでした。タイトルで本の内容を想像してしまいます。赤い指の「赤い」は血液だと思っていました。そうではなくて、「口紅(くちべに)」でした。タイトルだけでは本の中身はわからないものです。
 刑事がふたり。加賀さんと松宮さんです。もっと詳しく言うとふたりは従兄弟(いとこ)なのですが、ここで詳細は書きません。
 小学校2年生の春日井優菜ちゃんが殺害されます。刑事コロンボ形式で、犯人は、冒頭で判明します。わたしは読みながら途中で、犯人はもしかしたら他の人物ではないかと錯覚しました。同作者の「白夜行」と一緒で、犯人の登場シーンは少ない。もっぱら犯人の親族が表舞台で動き回ります。
 あなたは、こどもを守るために自分の親を犠牲にできますか。人間として越えてはいけない一線を前原夫婦は越えてしまいました。ひどい人たちです。鬼畜(きちく)です。だけど、奥さんである前原八重子さんの気持ちはわかる。夫の昭夫さんは無力です。
 前原昭夫さんの策略は読んでいる途中で読めました。最後のどんでんがえしも予想できました。それは、この作者の本を何冊も読んだからであり、初めて読む方にはわからないでしょう。
 作者は、並外れて高い位置にある洞察力とか推理力、人間の気持ちの動きを読むことができる能力をもった人です。ラストはかっこよすぎる。自己嫌悪に陥りました。


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