2012年05月20日

中国嫁日記 井上純一

中国嫁日記 井上純一 角川グループパブリッシング

 前書きの内容はアンビリーバブル(信じられない)です。夫はアニメ・フィギュア(女の子の人形)好きのオタクで40代、妻は中国人で20代という組み合わせです。中国人との結婚で思い浮かぶのは、中国への仕送りで日本人夫の収入や財産が失われるというマイナス面です。
 五つの章と長編の構成です。国際結婚に至るまでの不安な部分は後半の長編に記されています。書き遅れましたが本書は漫画です。奥さんは限りなくかわいらしい。かなり私生活にくいこんだ内容となっており、奥さんほか両方の親族から反発が予想されたのですが、周囲の理解を得られています。こういう世界もあるのだなと凝り固まった考えが溶けました。139ページの奥さんの手記は涙なくしては読めません。上等な映画を観たあとのような読後感があります。主人公は、日本人女性4人とお見合いをして、全員に断られています。中国でのお見合いの席でのふたりの様子は古いドラマで「101回目のプロポーズ」武田鉄也氏と浅野温子氏のお見合いシーンのようでした。
 読み始めはベストセラーになった「日本人の知らない日本語」パターンだと判断しました。日本語学校の生徒である外国人留学生の勘違いとか感想が記された楽しい読み物です。読み進むうちに違うことを理解します。夫婦愛とか国籍を超えた男女の愛にまで到達します。おおげさですが、国際平和はここから始まるとまで思い込ませてくれます。
 奥さんの名前「月(ユエ)」、月が日本人にはなじみやすい。ユエは言いにくいので、ツキと読みながら読み進めました。中国文化(東北部)の紹介記事にもなっています。食習慣の違い、こだわらないふたりがいます。日本人にとってあたりまえのことが中国人にとってはあたりまえではない。
 26ページ付近、奥さん月さんの父親の気持ちがよくわかります。まだ幼いと感ずる娘が異国の男と結婚して異国へ行ってしまう。それもどちらかといえば中国人が反感を抱く日本民族のもとへ。ほろりときました。
 最後に、絵はわかりやすくてきれいでした。


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