2012年05月20日

相性 三浦友和

相性 三浦友和 小学館

 インタビューをまとめた内容となっています。もうすぐ60才、映画の宣伝も兼ねています。印税は東日本大震災に寄附されるということで、この点で以前読んだサッカー選手の本と同様の扱いです。
 ことに妻をかばうために深入りした発言はありません。確かに奥さんは生き神になりつつありました。作者は妻にとって救世主だったのでしょう。本を読む限り、作者は普通の人です。奥さんも同様でしょう。俳優や歌手でなくても人は職場では自宅とは異なる人格を演じています。
 外見・風貌とは異なる実際の作者の姿が語られます。警官のこどもとして生まれ、両親の不和を体験し、転校による失意があります。十代後半は荒れています。救ってくれたのは「音楽」であり「友人」です。以前読んだ「野川」とか「聖夜」という小説を思い出しました。山梨県の田舎風景と暮らしはなつかしい。日本全国、田舎はそのようでした。
 この本に書かれていることはほんの一面なのでしょう。夫婦喧嘩をしたことがない夫婦もいるのでしょう。年齢差とか、お金の苦労がないとか、こどもの進路で衝突がないとか、タイトルの「相性」はむりやりつけたようでピンときません。年齢的には、親の介護でもめます。ふたりともマスコミ嫌いなこと、旅行好きが和の共通点でもあります。以前JAFの雑誌でドライブ旅行のインタビューに答えておられました。そちらの記事のほうが生き生きとされていました。
 本書で、本人は90才まで自分は生きると予測されています。最初と最後にある言葉「60才からが長い」はずっしりきます。

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