2012年05月05日

裸の島 映画

裸の島 映画 ケーブルTV録画

 最初にセリフに関する監督の考察が語られます。セリフは「心の言葉」とあります。異変に気づくのは映画開始後15分が経過してからです。セリフがないのです。40分が経過しても役者のセリフはありません。最後までひと言もセリフはありません。言葉は聞けません。されど内容を目で追っていて、後半はせつなくなります。
 瀬戸内海の小島で暮らす4人家族の物語です。島には4人しかいません。若い夫婦と小学校低学年男児ふたりです。借地なのでしょう。夫婦は年貢を納めるように庄屋に米粒を納めます。お金はないのでしょう。自給自足であることが映像からわかります。
 畑はふもとから耕して頂(いただき)に向かう。畑は天に昇る。夫婦は急斜面を農作業のために気が遠くなる回数登ります。水は貴重です。夫は水桶を倒した妻を平手打ちします。厳しい。
 昭和35年頃の瀬戸内海風景です。船影は少ない。夫婦の船にはエンジンがない。もちろん白黒映像です。お祭り風景ではようやくかけ声が聞こえます。宗教的です。宗教がからむと風情がある。現代のお祭りはイベントです。神秘性がありません。
 パターンは同監督「一枚のハガキ」と同じです。麦踏みシーンがあります。映画づくりを始めて60年から70年が経過しても進歩がないのではなく、ひとつのテーマを貫き通したと解釈します。偉大です。
 春夏秋冬の映像美があります。撮影期間は長かったでしょう。冒頭にこんな文字が表示されます。監督は家を抵当に入れて350万円借りた。それを映画の制作費にあてた。本職の役者は2人しかいない。製作技術者には2万円しか渡せなかった。13人でこの映画をつくった。地元の人たちがノーギャラで出演してくれた。バックミュージックは、地元のオーケストラとなっています。(感想を書いた後で調べたら撮影期間は1か月の短期間であった。資金がなかったとあり、びっくりしました。)


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