2012年05月04日

一枚のハガキ 映画

一枚のハガキ 映画 ケーブルTV録画

 太平洋戦争後の暮らしぶりを映像にして戦争に反対する映画です。基礎に「厳しさ」があります。
 大竹しのぶさんの映画でもあります。大竹さんの表情を中心にした演技には重みがあります。豊川さんの表現力もいい。長時間に渡るふたりのやりとりは、舞台劇を見ているようでした。
 昭和19年夏の奈良からスタートします。前半はスピーディな展開ですが、後半はスローになります。放映時間が、ちょっと長いかなと感じました。
 戦争をとおして国家に対する不信があります。国のせいにできないから、疫病神のせいにする。包丁で大根を切りながら大根にあたる。神も仏も信じない人間になる。映画は明るい未来が見えない状況で後半まで推移してゆきます。戦地で運が良かったか悪かったかについてこだわります。運が悪い者はとことん運が悪い。しょうがないとあきらめる。生きるも死ぬもくじ運です。大竹さんは、戦争を呪って(のろって)生きています。
 新藤監督の魂がこもった一作でした。踏まれれば踏まれるほど強くなる麦のように強くたくましく生きてゆこうというメッセージがあります。

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