2012年04月04日

坂の上の坂 藤原和博

坂の上の坂 藤原和博 ポプラ社

 法人社会で成功することの盲点、マイナス面に関する記述があります。どれも的(まと)を得ています。それでも組織を離脱することはできない。
 日本人の人生観を「現世御利益型」と定義し、外国の宗教観である「天国でしあわせになるために今を誠実に生きる」という感覚と対比してあります。
 外国暮らしを通じて、フランス人いわく、結局、他人とはわかりあえないという結論に達した。
 名刺に価値があった時代は終わろうとしている。
 家庭教育と学校教育だけではこどもに道徳を説くことはできない。宗教が必要になる。
 外国と比較して日本は満たされているのに日本人は自分が豊かとは受け止めていない。
 「早く」、「ちゃんと」、「いい子に」を守ってサイボーグになってゆく。
 日本はサラリーマンが多すぎる。こどもがもつ将来の夢は昔と比べてしぼみました。出世をするということは周囲の人間を追い落とすこと。会社に貢献しても会社はあなたを救わない。社員は消耗品であり賞味期限がある。
 必要なものは物ではなく「時間」。なにもしないことの損と得。
 価値は、どの組織に属しているかではなく、あなたは何ができるのか。
 正解がないことを理解することが正解。
 いいことがいっぱい書いてあります。残念なことは自慢話です。読みづらいです。別の文章表現手法に変更されたほうが読み手には助かります。また、講演会の原稿のようでもあります。
 筆者の考え方や行動を真似することはできません。個人がもつ諸事情により真似できる人は少ない。後半は息が詰まる内容です。長生きをすればするほど健康面・経済面でせっぱつまるのです。
 ふりかえってみると、この50年間で、日本人の価値観は180度変わりました。正が誤りとなり、誤りが正に転換しました。人生の前半と後半をま逆の価値観で生きねばならぬということは、ことに後半では苦しい。思い切った発想転換には、エネルギーと強い決断、そして心のゆとりと経済的な地盤が必要でしょう。


この記事へのトラックバックURL

http://kumataro.mediacat-blog.jp/t77474
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい