2012年03月20日

男が泣ける昭和の歌とメロディー 三田誠広

男が泣ける昭和の歌とメロディー 三田誠広(みたまさひろ) 平凡社

 ネットで読みたい本を探していたときにこの本を知りました。
 書中で紹介されている歌は正直古いです。知らない曲がたくさん出てきます。戦後世代なので、戦争のこととか、学生運動の時代に青春を過ごしたので闘争とか、歴史書の面ももった本です。一部の権力者のために命を落としていった若者たちへの哀悼と権力への抵抗があります。
 学生運動歌、労働者・労働組合歌「インターナショナル」は中島みゆきさんの原点と感じました。日本の流行歌から季節感が消えて久しい。5・7・5調の歌詞は、話し言葉風に変化しました。ときにはリズム優先で、歌詞は単語の列挙、意味不明なものもあります。現代の歌詞は自分の気持ちをストレートに表現する方式に変わりました。谷村新司「群青」は、父親が海戦で亡くなった息子を歌ったものとは知りませんでした。著者は戦争への思い入れが強い。別れの美学とか死(自死)の美学について書いてあります。
 「孤独で不器用な男の歌」という項目では、この世に男しかいなかったら男同士で愛し合うようになるのだろうと不気味なことを考えました。別のページにある、女は自分のことしか考えないという文節は名言ですがあとが怖い。

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