2012年03月04日

手紙 映画 東野圭吾

手紙 映画 東野圭吾 ケーブルTV録画

 邦画「間宮兄弟」を2度繰り返して観たあとこの「手紙」を観ました。間宮兄弟と武島兄弟は同じ兄弟でも異世界に存在しています。小説「手紙」は読みました。小説と映画では趣(おもむき)が異なります。映画のラストシーンは「許容」ですが、小説は「決別」でした。理由はどうであれ殺人を犯した犯罪人である親族とは親族関係のつながりをきっぱり切ることが、社会で生きてゆくための鉄則です。情に流されると破滅が待ち受けています。乃南アサ作品「風紋」と「晩鐘」では加害者にとどまらず被害者の親族も転落してゆく姿が描写されています。
 まず「手紙」がどまんなかにあります。収監されている兄が弟に、同じく自分が殺した主婦の息子に手紙を書いています。弟の彼女が弟に内緒で兄に弟の名前で手紙を出し続けます。塀の中にいる兄は弟の苦労を知らない。弟は、弟の大学進学費用を盗もうとして事故に近い状況で事後強盗殺人を犯した兄の動機に引け目を感じています。学力があっても経済的な理由で、大学に進学したくてもできなかった人間の強く悔いる気持と願望があります。
 次に「兄弟愛」があります。兄も弟も心が優しい。でも両者共倒れ状態です。弟は小説ではバンドマン(ミュージシャン)でしたが映画では漫才師のひとりです。漫才でラストシーンをどう構成するのか興味が湧きました。成功しています。兄はおおばか野郎です。
 始まってまもなくのシーン、武島弟が彼に心を寄せる沢尻さんに、正直に兄と自分の状況を説明して自分から去るように説得するくだりには涙がにじみました。カップルは似たもの同士でくっつくのがいい。

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