2011年12月30日

リアル・スティール 映画館

リアル・スティール 映画館

 批評欄を巡って、評判がよかったので観てきました。鑑賞中は涙がだらだらと流れ続けます。いい映画でした。ろくでなしの親父をしっかりものの息子11才が叱咤激励して改心させます。ガッツあふれる爽快な作品です。
 「リアル・スティール」をどう訳すのか知らないので自分で訳してみます。ロボット対ロボットの格闘技をリアル・スティールという。その意味は、本物の鋼(はがね)、言い替えて「頂点に立つ勝利者」さらに言い替えて「鋼の横綱」、脚色して、「心・技・体がそろった格闘技界最高のロボット」としておきます。
 親父の名前はチャーリー、設定は2020年アメリカ合衆国テキサス、のんびりした農業地域の雰囲気が漂っている。チャーリーは、所有していたロボット「アンブッシュ」始め試合に負けて壊れたロボットを修理することなく次々と捨てる。捨てては新しいロボットを買う。常にお金がなく、借金取りに追われている。借金の返済ができないくせに平気で返済すると言う、格闘技で勝利できもしないくせに勝てると、嘘で固めた生活を送っている。あげくの果てに自分の息子を1000万円ぐらいで里親に売りつけた。初対面のロボットは大きくてこわい。だんだん慣れます。どうやって動かしているのだろう。人が入っているようには見えません。コンピューターで画像を製作して、さらに人間とは別撮りしてあとに合成してあるのかもしれません。映像に違和感はありません。
 格闘シーンは野蛮なアメリカ人気質が正面に出ます。「ノイジー・ボウイ」というロボットのあとに11才のマックスが登場します。アメリカボクシング映画「チャンプ」が下地になっていると勝手に解釈します。ノイジー・ボウイには日本語が書いてあり、その操作方法にも笑いました。観客はこどもが多いだろうと思っていましたが、わりと年配の世代が多い。字幕スーパーのせいでしょう。登場するロボットは、昔懐かしい「鉄人28号」のようだったり「マグマ大使」のようだったりもする。登場する権力者は日本人風であり、いずれにしろなにかしら日本がからんでいて、日本の影響を受けている。
 崖から転落したマックスを救ってくれたごみとして捨てられていたロボットが「ATOM」で、「鉄腕アトム」を思い出させる。マックスにとってATOMは唯一この世で信じることができる友だちになってゆく。マックスと父親のチャーリー、チャーリーと彼の愛人のベイリーは口論ばかりです。そのほかにもだれもがチャーリーをアホ!と責めます。チャーリーは有名になったATOMを2000万円ぐらいで売ろうとします。アホ!です。11才の息子マックスは「売り物じゃない!」という趣旨で、「24時間話し合おう。それでも売らない!金じゃない!」と激しく父親を叱責します。がんこさがいい。マックス自身が里親に金で売られたことが下地にあるので、胸にぐっときました。
 音楽、自然の風景があります。人工物でできあがった世界の中を表現したものではありません。好感をもちました。マックスがATOMに話しかけます。ATOM、きみは何を考えているのか。ATOMはマックスに感謝している。泥に埋もれていた自分を掘り起こしてくれた。命を再生してくれた。
 心とか気持ちに響くいい映画でした。双頭ロボット「ゼウス」との戦いは壮絶でした。耐えて、耐えて、耐え抜いて、一線を超えたときに一気(いっき)にやり返すという手法は、忍耐強い性格をもった人間の魂(たましい)を表現しています。強気をくじき弱気を助ける精神でいくつかの小話も織り込まれており感情の動きは日本人的です。日米合作映画のような面持ち(おももち、感情のあらわれ)があります。父親チャーリーの人格矯正には時間がかかりました。マックスはよくがんばった。


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