2011年12月20日

5時から7時までのクレオ 映画 DVD

5時から7時までのクレオ 映画 DVD

 1961年フランス映画です。特典映像DVDと合わせて鑑賞しました。クレオという歌手に癌の疑いがかかります。午後7時に検査結果が判明します。午後5時から7時までの彼女の行動を映像にしてあります。
 監督は、「時間」を表現したかったとコメントします。主観的な時間(クレオ自身が感じる時間経過)と客観的な時間(時計が計測する時間)です。特典映像で44年後のふたり(男女を演じた俳優)が当時を語ります。わたしは、44年間の「時間経過」に驚かされました。ふたりとも老いています。容貌は映画の中とは別人に変化しています。
 クレオの診断の結果は最後に出ます。結果を聞くまでの2時間の間、クレオの気持ちは大きく変化します。死にたくないという恐怖から始まります。
 パリの町並みや人々の様子が展開されます。帽子のショッピングに始まり、タクシー乗車、シャンソンの練習、彼氏とのつきあい、映画鑑賞、彫像製作、自然が多い公園、最後が病院です。絵画や詩も登場します。文化豊かなフランスらしい。死を悟ると見えてくるものがあるようです。クレオにとっては、2時間ではなく、とても長く感じる時間帯でした。ことに彼女が歌ったシャンソン「恋の叫び、あるいは、あなたはいないというタイトル」は素晴らしい。じんときました。最後は女と男が支えあって生きるのです。
 新生児のシーンは命を暗示しています。裸のシーンは、素の人間を表現しています。

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