2011年11月18日

巴里の屋根の下(パリ) 映画 DVD

巴里の屋根の下(パリ) 映画 DVD

 80年前の白黒映画です。音声が出るようになった初期の頃のものです。セリフは少ない。歌でつなぐ音楽劇となっています。ダンスはありませんからミュージカルではない。
 ひとりの女性がいます。複数の男性が群がります。ひとりの彼はものすごく彼女を愛しているけれど、彼女は彼を愛していない。彼女のために男性が身を引く映画です。脚本を書いた人物の意志に着目します。愛は自分の幸せを満たすものではなく、相手の幸せを満たすもの。潔さ(いさぎよさ)が男性の魅力になります。そしてなにより、製作関係者はパリという街、ひいてはフランス国が大好きなのです。
 夕食を食べながら、かみさんとぶつぶつ感想をしゃべりあいながら観ていたので、もう一度観てみないと正確なところが自信ありません。
 不便な思いをしていたけれど、昔の生活の方がよかった。小学生の頃、共同浴場で、未来は明るい。計算は機械がしてくれる。(電卓はなかった。)とおとなと話をしていた。時が流れて、コンピューターがゆきわたったとき、人員整理で、職を失う人が増加した。仕事ができない人でもすき間仕事があった。そこも合理化された。おおぜいのひとたちが収入を得ることができなくなった。消費は冷え込んだ。借金だけが簡単にできるようになった。借金を返せない人が増えて、そんな人たちは人生を棒に振った。白黒映画を観ながらそんな昔話をしました。
 映画に出ている人たちはすでにこの世を去っているでしょう。歴史を見る映画でもあります。冒頭付近、楽譜を売っています。実際にあった商売でしょう。1930年当時パリにいた日本人は、詩人金子光晴、画家荻須高徳、その20年前ぐらいに小説家島崎藤村がいました。
 筋立ては物語作成の基礎で、男女の愛情を扱い、ほんとうに愛する者同士が結ばれるというテーマになっています。さらに、片思いの人は、愛する相手のために身を引くのです。
(再鑑賞)
 前回はかみさんとぶつくさ言い合いながら観ていたので、内容を把握できませんでした。もう一度観ました。筋立てがわかっているのでリラックスして観ることができました。
 音楽や仕草、そして画面構成に創意工夫がたくさんなされています。昔、ドリフターズの志村けんさんがどの番組だったのか忘れましたが、音楽をバックに無言ドラマをやっていたのを思い出します。心に響くいい内容でした。
 付録みたいに90年前の無声映画「パリは眠る」がDVDについていたので続けて観ました。博士の発明で時間が止まるのです。エッフェル塔の上にいた管理員と飛行機の(双発小型機)の中にいた観光客たちだけが動けます。よくある発想ですが、こちらもまた画面構成に創意工夫がなされています。映画「アイアムレジェンド」みたいな設定ですが、パリのほうは深刻さはまったくありません。


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