2011年09月28日

スリーデイズ 映画館

スリーデイズ 映画館

 新聞記事の評価が高かったので見ました。各個人で感覚が違うので感動した人も多いのでしょうが、期待したほどの出来ではありませんでした。
 ママが殺人犯人の冤罪(えんざい、犯人ではない)で逮捕・収監(刑務所入り)されました。パパと坊やが家に残されました。パパはママを救おうと弁護士を立ててがんばりましたが、ママは無実になりません。パパはママを脱獄させて、家族3人でよその国で暮らすことを決心し実行に移しました。
 ラストシーンがよくありません。「正義」がないのです。こうすればよかったのです。ママはパパと坊やの暮らしを守るために、パパに刑務所の面会場で「思い違いかも(わたしは犯人です。)」と告げます。このシーンがこの映画の心理的ピークです。パパはそれを嘘だと気づきつつも、わざとだまされて脱獄計画を中止します。刑事は事件を洗いなおして、下水溝に落ちていた真犯人の服のボタンを3年ぶりに発見してママの無実を晴らします。後半に無理やりアクションシーンを付け加えてあります。冤罪反対はこじつけです。だから終始画面に冷たい雰囲気がただよっているのです。家族3人のあたたかい心の交流がありません。唯一、おじいちゃんを演じた俳優さんの演技がいい。厳しい決断のなかにも優しさがただよっています。どうしてもアクションシーンを入れたいのなら、最後はパパもママも逮捕されなければなりません。その後、ボタンが発見されて冤罪が晴らされるという展開で喜びのシーンを設定するべきです。プロット(あらすじ、構想)がしっかり構築されていません。
 最後に自動車会社の宣伝シーンはいただけません。スポンサーなのでしょうがあまりに露骨です。

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