2011年08月27日

おしゃれ泥棒 DVD

おしゃれ泥棒 DVD

 ラブ・コメディです。富豪ボネ家の父と娘がいて、父は画家を目指していたけれど作品が認められず、今は贋作(がんさく、模写)を作成して美術館等に寄付しています。娘の祖父が祖母をモデルにして彫(ほ)ったビーナス像が今回の騒動を引き起こします。
 ビーナス像は400年前の有名彫刻家が作製した価値ある像ということで美術館にて大切に展示されます。その像の鑑定を行うことになって父と娘はあわてます。偽物と判明すれば信用失墜です。娘のニコルは、泥棒に依頼して、美術館から自分の家のものであるビーナス像を泥棒と自分のふたりで盗み出すことにしました。
 オードリー・ヘップバーンが乗る小さな赤い車はかわいい。ピーター・オトゥールのスポーツカーも気に入りました。ふたりとも細身です。うらやましい。ピーターの澄んだ緑色の瞳がいい。娘ニコルが着用する洋服もおしゃれでいい。ニコルの父親のいいかげんな性格も好きです。古くても心が落ち着く映画です。
 電気センサー式警報装置が人間心理によって解除される過程が楽しくて面白い。機械は完璧でも人間は不完全です。ブーメランという原始的な道具が使われているのもアイデアの勝利です。
 男の気持ちと女の気持ちは違います。この映画の場合、お互いの気持ちがすれ違うのではなく、ぶつかるのがいい。そこに「愛」が生まれます。別れ際のセリフがいい。もう会えないのかと思いきや、「明日、5時30分」とか、次の約束が瞬間的にきっぱりと決定します。
 少し気になるのは、白人の世界の話です。他の民族を見下した感覚があります。警備員や清掃作業員を職業で下に見ています。ファッションやお金持ちという立場で、製作者側に自分たちは選ばれた民族というおごりがあります。男尊女卑(だんそんじょひ)もあります。男性側に女性は男性の意のままになるという固定観念があります。ただ、それもこれも映画の製作年は1966年であり、もうこの世にはない世界です。
 偽物をつくって本物と偽って披露するのははやめようという正しい道筋が1本流れています。物語には、誰もがあたり前だと思うシンプルなテーマが必要です。

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