2011年08月21日

ツリー・オブ・ライフ 映画館

ツリー・オブ・ライフ 映画館

 宗教映画でした。人には愛情をもって接し、幸せな家庭をつくりましょうという映画です。
 冒頭付近、映画製作者は鑑賞者にメッセージを投げかけます。キリスト教とか聖書の教えが下地です。神に従うのか、従わないのか。信仰を貫くのか、世俗にまみれて生きるのか。(中間という選択肢がないのが苦しい。)
 父親と母親と3人の男の子たちがいます。父親は人間不信です。こどもたちに世の中の汚さを教え、強く生きろと厳しい教育をします。母親は、沈黙していることが多い。愛情があるようでない家庭です。父親は音楽家になりたかった。でもなれなかった。工場の従業員です。いたるところに流れるクラッシク音楽、パイプオルガン、クラッシックギターの演奏。
 3人のこどもたちは、厳格な父親に自分たちを愛していないと嫌って反発します。父親に反抗すれば、父親から暴力と罵声がこどもに飛びます。興奮した父親は異常です。止める母親を腕力で押さえつけます。息子は神に祈りました。「父を殺してください。」しかし、神はファミリーに罰を与えます。死ぬのは父ではなく、川をせき止めたプールで溺死した少年期の3男であり、19才の2男(自殺でしょう)でした。
 父親なのになぜぼくたちを傷つけるのか。自分ではこどもの将来のためによかれと思ってやっているのです。でも伝わらない。父は苦しんでいます。父と子の関係では、互いが真剣になればなるほど衝突します。
 前半30分ぐらいは、高校の地学とか生物の教材映像を見ているようでした。いったい何の映画? 地球誕生に始まって、隕石衝突、ロストワールドのようにティラノザウルスぽい恐竜も登場します。映画の途中で「人生はまたたく間に過ぎる」と言葉があります。地球の歴史と比較すれば、ひとりの人間の人生はほんの瞬間です。表現は抽象的で趣旨を把握しにくい。
 映像のほとんどは、子役たちの演技です。ぐれていく長男は、神さま(あるいは母親と死んだ弟に)に自分を善人にしてくださいと祈ります。Let me good.と聞こえます。母親は寛容でいなさいと説きます。だまされたっていいじゃない。人にはやさしくするのよというメッセージを息子に贈ります。
 神は感じるもの。ラストシーンは天国でしょう。大きな河のほとりをたくさんの人たち、ファミリーが歩いています。彼らはみんな死んでいます。長男以外の長男の両親と弟たちは死んだときの年齢の姿形(すがたかたち)でにこやかに談笑しながら歩いています。そこに嫌われ者だった父親の笑顔もあります。長男だけが、現代人です。50代ビジネスマンの顔をしています。あの世で家族そろって幸せに暮らすためにこの世に信仰があるのです。


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