2011年07月26日

レインマン DVD

レインマン DVD

 涙なしでは見られない。しっかり見ないと涙は出ない。亡くなった父親と母親の愛情のもと、自閉症の兄レイモンド(発音の続き具合からレインマン)と施設に入所した兄の存在を知らずに大人になったチャールズ(メインマン親友)のコネクティング(つながり)づくりを描いた映画です。知らない身内がどこかにいるという設定は、現実にもあります。
 兄は自分が自閉症であることを否定します。病状としては、安全だと思う自分の世界に閉じこもる。パターンにこだわる。たとえば、何時何分に何をするかが決まっている。加えて兄は天才的な暗算能力と記憶力をもっています。
 約3億円ぐらいの遺産相続がきっかけです。クラシックカーの点検・登録・販売をしているらしき弟は会社の資金繰りに困っています。父が亡くなり、一人っ子の自分に遺産全部が入ってくると安心していたのですが、父親の遺言ではすべてのお金を受け取るのは、会ったこともない社会生活能力のない兄となっています。弟は16歳のときに父親を捨てて家を出ています。以降、交流はまったくありません。
 ロードムービーでもあります。旅をしながら兄弟は交流を深めていきます。兄弟は、亡父が所有していたクラッシクカーに乗って、オハイオ州(合衆国東部)からロサンゼルスを目指すのです。
 お金のことしか頭にない弟は、人を信じません。親を信じないし、兄も信じない。青少年期には、感情表現が苦手な父親から、冷たいしうちを受けています。2歳で母は病死、16歳で父と決別しています。今、23歳ぐらいの設定です。兄は、彼が3歳のときに施設へ入所しています。映画が始まって70分付近に重要なやりとりの場面があります。兄は3歳の弟の記憶があります。弟には記憶がありません。
 同じ言葉の登場が何度もあります。病状の強調に役立っています。たとえば、「テレビ裁判(番組)が始まるまでにあと何分」とか、アボットとコステロだと思うのですが、漫才のようなやりとりで、野球の一塁手はだれだ!(Who?) Whoだ!(フーという名前の選手を指す)、そこに、兄がパニックに陥るシーンをいくつか、はさみこませてあります。笑いと緊張感を高めています。
 背景に流れる音楽がいい。内容としっくりきます。映画鑑賞は、合衆国の過去へとタイムトラベルする楽しみもあります。ぺったんこのゴキブリみたいなアメ車がいっぱい出てきます。同国の歴史を体験していると感慨はさらに深くなるでしょう。
 最後に弟は、あんなに欲しがっていた相続財産に興味を示さなくなります。弁護士から出された手切金を返すシーンの弟は爽快です。

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