2011年07月15日

晩春 DVD

晩春 DVD

 昭和24年、小津安二郎監督の作品です。昭和20年代の映画を見続けてみて感じたことがあります。その当時、映画を鑑賞していたのは、上流社会、お金のある人たちばかりだった。理由は、映画の内容が「娯楽」ではなく「芸術」に近い。登場人物の設定は、学者であったり、大企業の幹部社員であったりする。それに関連して、日本で爆発的に映画が流行したのは、昭和30年代であった。画像のカラー化と内容の大衆化、経済成長による映画代を支払える層が増加したこと、スターの登場など。
 先日観た「麦秋」と同じテーマ(27歳の娘が妻を亡くした父親に気を使って嫁にいかない)、同じような俳優陣、同じような脚本で進行します。麦秋と違うのは、主人公女優さんが明るくて元気で、若い頃の天地真理さんを思い出します。登場人物同士の会話にユーモアとリズムがあります。
 父親は56歳で、もう寿命は長くないという表現があり、隔世の感があります。ただ、いくら日本人の寿命が延びたとはいえ、今でも50代から60代で亡くなる方はたくさんおられます。私自身も体力・知力の限界を55歳と感じています。
 役者さんたちは、立っても座っても姿勢がいい。畳の生活です。今では、畳部屋がない住宅が増えました。フローリングにテーブルと椅子で洋風化しました。たしかにそのほうが楽です。
 この映画は商業的要素が多く、他の白黒映画とは違うと感じました。主人公の紀子さんがサイクリングする道にコカ・コーラの宣伝板があったり、長時間の「能」の舞台は、そこが映画製作のスポンサーになっていることを推測させます。
 観光地である京都も出てきます。鎌倉も含めて、人が少ない。昭和24年頃って、人口が少なかったのでしょう。歴史ある寺社はけっこう荒れていて、訪れる人は学者さんのような人たちに限られていたことでしょう。ただ単に歴史の地だけでは観光地にはなりにくい。やはり、手入れや雰囲気づくりが必要です。


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