2011年07月09日

麦秋(ばくしゅう) DVD

麦秋(ばくしゅう) DVD

 麦秋とは、秋ではなく、麦にとっての刈り入れ時を秋とし、実際は、梅雨に入る前の初夏を指すそうです。
 現代と比較して昭和26年には、ないものがたくさんあります。携帯電話(当時の加入電話は骨董品です。)、テレビジョン、パソコン、電気冷蔵庫、洗濯機、掃除機、エアコン、自家用車、もちろん原子力発電所はないし、新幹線もありません。あるのは、豊かな自然、ゆったりと流れる時間、親族間の交流です。
 祖父母と兄夫婦とその幼い男の子ふたり、そこに小姑(こじゅうと)となる長女28歳未婚の紀子(のりこ)がいます。紀子さんの結婚話が物語の素材です。
 終戦後、女子はずうずうしくなったというセリフがあります。対して、普通になったというセリフが返ってきます。されど、28歳紀子さんは、自分でも(嫁に)いき遅れていると自覚しています。嫁をもらうというとか出すという発想は当然残っています。今とは時代が違うので、とくにコメントはありません。
 小津安二郎監督の撮影は、ローアングルで、同じシーンを長時間固定します。少し古い日本を知る者として、なつかしさを感じつつ、自身が生誕する前の日本人の暮らしぶりに興味をもちます。わたしは、映画を見ながら過去を見ています。この映画を当時リアルタイムで見ていた人たちはどのような感想を抱いたのか、今となっては知ることもできません。
 ふたりのこどもたちの言動が笑いを誘います。また、女子同士のやりとりもユーモラスです。
 紀子さんは周囲から祝福されない結婚相手を選択します。相手は40才医師ですが、前妻死亡、幼い女の子がひとりと相手の母親がいます。さらに、東京から秋田県への転勤が決まっています。
 おじいさんがぽつりと「欲を言ったらきりがない」と言います。津波による原発事故が起こった節電の今を考えると共感しました。


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