2011年06月15日

笑いの大学 DVD

笑いの大学 DVD

 昭和15年の時代設定ですから、この映画の鑑賞は、2011年から1940年へのタイムトラベルになります。喜劇を上演する劇団の脚本家である椿さんがつくる台本を検閲するのが警視庁職員の向坂(さきさか)さんで、第二次世界大戦開戦の年であるわけで、笑っている場合ではないのです。「却下」、「却下」、「却下」の連続です。もちろん言論の自由はありません。
 警視庁の向坂さんは二重人格です。いつしか、向坂さんと椿さんは、制限された範囲内での喜劇台本を実質的に共同作成するようになるのです。
 堅苦しく、理屈っぽい。ときには怒号が飛び交う。小学生の頃、6畳ひと間をステージに見立てて、図書館で借りてきた脚本に合わせて役柄を決めて演劇ごっこをしていたことを思い出しました。この映画の場合、ロミオとジュリエットを寛一&お宮に変更しています。
 自分の職に誇りをもつ。お金のために働くのではなく、ただ一点「好きだから」という理由で脚本を書き演劇界に身を置く。
 脚本の文字を読むだけでは笑えません。映画の中のふたりは、仮想で舞台上の登場人物になります。映像はふたり芝居です。机と椅子以外なにもない取調室のような、ただし大きめの部屋で、ふたりはクリエイター(創造する人)になります。光と陰と音楽。暗い雰囲気の中で明るい喜劇を創造しようとする作業は苦痛と困難を伴います。
召集令状を受け取って、おそらく戦地で亡くなったであろう脚本家椿さんの強い意志を讃える映画となっています。


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