2011年01月15日

シュリ DVD

シュリ DVD

 この映画は特殊です。韓国人民にとっては、自国民を讃える映画ですが、日本人にとってはわかりにくい。わたしには韓国映画を鑑賞するための下地がありません。劇中で「転向」という言葉が使われています。日本で使われる言葉ではありません。まず、1950年に勃発した朝鮮半島における北と南の争いがあります。北の住民は寒い場所で極貧の生活を送っているという基本設定があって、対して、南は快楽生活を送っていることがけしからんということが北の主張です。映像は殺し合いが続きます。このようなものを一般社会で流していいのだろうかと不安にかられます。銃撃、爆破、血液がほとばしります。シューティングゲームの映像を見ているようです。
 テロ行為防止映画です。筋立ては、北朝鮮特殊部隊が液体爆弾をソウル市内10か所に仕掛けて韓国を脅迫するというものです。そこに、恋人女性は北の特殊工作員という恋愛話がからみます。
 劇中で「シュリ」とは、朝鮮半島にいる川魚と紹介がありました。清流で育ち暮らす魚類です。劇中では、金魚の水槽がある映像が頻繁に流れます。なにかにたとえてあるのですが、理解できませんでした。
 南の人から見れば、北と戦争はしたくない、だけど、侵略行為を放置することもできない。同じ民族同士ですから、同じ一族が、北と南に別れて暮らしている人たちも多いでしょう。心理状態は非常に複雑です。女性工作員イ・バンヒを頭が6つあるヒドラという動物にたとえてあります。多重人格人間なのです。南北分断によってできた心理形成は根深くて深刻です。その遠因が、さかのぼったところにある日本の行為にあるのかと思うと気が重くなります。

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