2023年12月12日
喫茶店で松本隆さんから聞いたこと 山下賢二
喫茶店で松本隆さんから聞いたこと 山下賢二 夏葉社
松本隆:作詞家。ミュージシャン。グループ活動として、ロックバンド『はっぴいえんど』。作詞作品として、アグネス・チャンの『ポケットいっぱいの秘密』、チューリップの『夏色の思い出』、太田裕美の『木綿のハンカチーフ』、そのほか、ヒット曲多数。細野晴臣、大瀧詠一ほかと交流がある。
山下賢二:この本をざーっと一回読んで、最後の紹介文でわかったのですが、以前読んだことがある絵本『やましたくんはしゃべらない』の登場人物であるやましたくんでした。びっくりしました。
『やましたくんはしゃべらない 山下賢二・作 中田いくみ・絵 岩崎書店』そのときの感想メモの一部です。
この絵本では、小学生時代に学校ではしゃべらなかったという作者ご本人のことを絵本にされているそうです。絵本では、やましたくんについて、1年生から始まって、6年生になったころのことが書いてありました。
つまり、6年間しゃべらなかったというような下地があります。(されど、小学校の卒業証書授与式のときにだれにも聞こえないぐらいの声で、名前を呼ばれての返事の発声はしたらしい)
小学校を卒業して中学生になったらしゃべるようにしたそうな。しゃべらないと、おとなになったら困ります。仕事をしなければなりません。作者であるご本人は、その後、人前でもしゃべるようになられたようです。しゃべらなかった理由もありました。ネットで読みました。ここには書きません。まあ、ミステリーを含んだ推理小説のような要素もある絵本です。
(1回目の本読み)
ざーっと1枚ずつページを最後までゆっくりめくってみました。
山下賢二さんが、喫茶店で、松本隆さんから聞いたことを文章にしてある本でした。
文章は短文です。さらりと読み終える文章です。エッセイ集です。(随筆集)
最初に、松本隆さんの言葉として、銀行員になれたけれど、作詞家になったとあります。そういえば、シンガーソングライターの小椋佳さん(おぐらけいさん。男性)も、もとは銀行員でした。
エッセイのタイトルは、『〇〇について』という、「ついて」のタイトルが多い。
(2回目の本読み)
ちょっとへんですが、最初に、本の最後のほう107ページにある『本物の「君」 山下賢二』から読み始めました。
『君(きみ)』という言葉の音に強い興味が示されています。『東京の音』がするそうです。ちなみに山下賢二さんは京都の人です。
クレジット:作品にかかわる人の名前。作詞で松本隆さんの名前が表記されていた。
おふたりは、かなり親密な関係を築かれています。おふたりは、年齢的には父親と息子です。父親が松本隆さんです。
では最初に戻って読み始めます。
『カフェ火裏漣花にて(カフェかりれんげにて) 京都市中京区』
iPhoneで写真を撮って、それをもとにして歌詞をつくるというようなことが書いてあります。
自然淘汰(しぜんとうた。ふるいにかけられて落ちていく)の話があります。
映画の話、オーラを放つ映画監督の話、オーラのある芸能人の話があります。オーラ:人が発する強い雰囲気。まわりにいる人たちを魅了(みりょう)する。魅力がある。人を引きつける。
思うままに語り続ける文章です。
若い時、人から認められたかった。
人がつくったものの物まねじゃないものをつくって、人から認められたかった。
松本隆さんについて、病弱だった妹さんとの思い出が書いてあります。
病気の妹さんは、まわりが止めるのもきかず、無理をされて、成人後、若くして亡くなっています。心臓が悪かったそうです。妹さんは、弱音をはかない人だった。
だれにも家族がいます。
しんみりきました。
家族がいて、『詞(し)』が生まれる。
『ジャズスポット ヤマトヤにて 京都市左京区』
抽象的なお話です。
歌詞をつくる経過です。
物語をつくるのです。
『詩人』は、古代ギリシアの時代から、この地球上に存在している。
答えがない世界の答えを出し続けようとしている。『霊』『死後の話』『愛』など、答えが出ないわからない問いかけに対して、詩人は答えようとし続ける。永遠に。
嘘が嫌いだそうです。
嘘はばれる。嘘を続けるためにまた嘘をつく。キリがない。(終わりがない)
なによりもだいじなものは、『時間』。私立学校だったので大学受験がなかった。エスカレーター式(中学から大学まで内部進学できる)だった。受験勉強をしなくてよかったので、自分が自由に使える『時間』があった。時間を有効に使う。時間をムダにしない。
松本隆さんの脳内世界にあることを他人である山下賢二さんが、聞き取りをして、記録として文章に落としてあります。
ソクラテスの言葉を遺した(のこした)ソクラテス(紀元前のギリシャの哲学者)の弟子たち(クセノポンとプラトン)のようです。
『お金じゃない』
人から喜ばれるいい詞をつくって、後世に遺したい。(のこしたい)(人から評価されたい(ほめられたい)この世のこの時代に自分が生きていたという証拠を遺したいというお気持ちだろうか)
有名になりたい=健全な上昇志向と考えるとのこと。否定しない。有名になりたいという欲は、あったほうがいい。そのために筋は通したほうがいい。なんでもやっていいわけではない。守るべき正義は守る。
ストリーミング:動画配信サービス。音楽配信サービス。レコード会社もテレビ局もいらない。創作する場所は、東京じゃなくてもいい。
人の真似はしない。
現代の対立は、金持ちVS貧困だそうです。(日本ではこれからも金銭的な格差社会は広がっていくと思われます。どこに価値を求めるかという考え方もあります)
孤独に慣れる。孤独を恐れない。(おそれない)
シンプル(単純素朴(そぼく))です。
『イノダコーヒ本店旧館にて 京都市中京区』
味わい深い言葉や文章がたくさん書いてあります。
作詞家の脳内にあることを表現してある文章です。
今年読んで良かった本です。
歌詞をつくるマニュアルです。(手引き)
おおざっぱにテーマを考える。
季節を考える。
5W1H(いつどこで……)を考える。
人称代名詞(主語。にんしょうだいめいし。ぼくとかわたしとか)は使わない。
基本は、「肯定文」、たまに、「否定文」
パクリ(人まね)の話です。
1970年代(昭和45年)は、パクリ全盛だった。パクリについてうるさくない世の中だった。
まねをしながら上達してオリジナルをつくれるようになるという経過はある。
歌詞をつくるときに必要なものは、第一に『知識』、第二に『技術』、第三に『思い』。『思い』がないといいものは完成しない。
得るものがある本です。
詐欺師のようでもある。本人も永遠に気づけないように、じょうずに人心を操作して利益を得る。洗脳をするように他人の心の中に感動を生んで意識を操作する。(警戒心が強い人はかかりません。素直に相手の言うことをきく、人柄がいいとされる人は危ない(あぶない))
ファズ:音響機器の言葉。割れた音色、雑音。効果音
松本隆さんが売れていた時の生活リズムはメチャクチャです。
録音が午前4時くらいに終わる。自分で車を運転して帰宅して、自宅車庫のシャッターを開けるボタンを押して、シャッターがあがる1分間を待てない。エンジンを切って、そのまま運転席で熟睡に落ちる。朝6時半に自宅車庫前に停まっている車の中で目が覚める。
歌い手の選び方です。
写真は参考にならない。みんな可愛い。差異がわからない。
声質で選ぶ。歌のうまいへたは、売れる売れないに関係ない。
民衆は、おもしろい声を望んでいる。
舌足らずなところが良かった歌手がいる。一見、欠点に見えても、そこが魅力だったりもする。合わせて、楽器が弾けることも魅力になる。
歌謡曲を売る世界は異常な世界だった。売れる売れないの数字の世界だった。
脳みそが疲れ果てて、80年代末に休業して5年間休んだ。
いい歌は、数字では表せない。
その時、いい数字が出なくても、永く歌い継がれる歌がいい歌ということもあると受けとりました。
シニカル:皮肉な態度。冷笑。人を小ばかにする
無意味な精神論。退屈な理屈。今を見て、今の体制を維持したいがんこ者たちがいる。松本さんは、そんな周囲を突き放します。先を見る。ずーっと先の未来を見て、今とは違うやり方を選択する。
『かもがわカフェにて』 京都市上京区
マイナスとマイナスをかけて、プラスになるような歌詞をつくる。
松本さんは、『(自分が自由に使える)時間』の多さにこだわります。
学校がエスカレーター式だったから、受験勉強をすることに時間を奪われなくて済んだから良かった。
東京都港区青山に生まれて育ったから、地方から出てきて、東京のファッション(文化ともいえる)になじむ、あるいは追いつくための時間を費やさなくて済んだから良かったと考えます。
人が与えられた時間には限度があるから、時間の有効活用を考えます。(読み手の自分としてはそうかなあと思いつつ、なにかで名を成すとしたらそうかもしれないと思える。されど、なにかひとつのことで名を成す(大成功して有名になる)ことにこだわらなければ、たくさんの体験をして思い出多い人生を送るほうがいい思いをできると自分は考えました)
アドバンテージ:有利な点。松本さんは、わたしから見れば、不思議な考え方をする方です。
考える力を鍛える。鍛えるためには、学校教育の時代にできるだけたくさんのことを暗記する。成人するころから、暗記したことを駆使して考える。考える力を鍛え上げる。(付け加えると、その後に人生において、一時期、十年間ぐらいは、死に物狂いで働く。二十四時間365日気が狂うぐらいに働く。そのあと、休む。心身を休めて、新しい知識と体験をする。次の段階の人生を楽しむ)そんなふうに読み取れました。92ページに、『ボクは80年代、人の100倍働いたから、今は遊んでる……』とあります。
ロックにおけるメンフィス:アメリカ合衆国テネシー州メンフィス。ロック発祥の地。エルビスプレスリー。この部分を調べているとき、『天使にラブ・ソングを』のことがネットの説明に書いてあり、先日東京でミュージカルを観たばかりなので、親近感と縁を感じました。ロックンロールの基礎にキリスト教会の讃美歌(ゴスペル)があるそうです。
はっぴいえんど:日本のロックバンド。活動期間は、1969年(昭和44年)-1972年(昭和47年)、1973年(昭和48年)、1985年(昭和60年)、2021年(令和3年)。日本語ロックの創設グループ。代表曲『風をあつめて』
松本隆
細野晴臣
大瀧詠一
鈴木茂
モビー・グレープ:1960年代後半に活躍したアメリカ合衆国のロックバンド
グレイトフル・デッド:アメリカ合衆国のロックバンド
フィル・スペクター:アメリカ合衆国の音楽プロデューサー
ロネッツ:ニューヨーク出身の女性三人組の音楽グループ
バッファロー・スプリングフィールド:アメリカ合衆国のロックバンド
ゆでめん:はっぴいえんどのレコードアルバム。1970年発売(昭和45年)初めての日本語ロック
YMO:イエロー・マジック・オーケストラ。1978年結成(昭和53年)細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一
GSブーム:グループ・サウンズブーム。1967年(昭和42年)-1969年(昭和44年)
友情について書いてあります。
東京では、友情ができにくい。(東京は人生の一時的な時を過ごすところ)仕事仲間はいるけれど、会社つながりの人間関係になる。
東京は人づきあいをするのには、大きすぎる。東京では、ライバルや商売敵はいる。(友情は薄い)
京都や神戸は街の大きさがちょうどいい。会いたいときに簡単に会える。(東京は会えない)ローカルな感じがいい。(納得します)
ローカル:地方、いなか
本文を読み終えました。
続けて、聴き手・書き手の山下賢二さんの文章をもう一度読みます。
『京都の街は、30分もあれば車で端から端まで行けてしまう……』と話が続きます。
料理人船越雅代さんの食事会で、この本のおふたりは出会ったとのことです。
親子ほどの年齢が離れたおふたりですが、和歌山県新宮市へのふたりでの旅行内容には驚かされました。悪天候の中、現地のお祭りに参加されています。
ためになるいい本でした。
松本隆:作詞家。ミュージシャン。グループ活動として、ロックバンド『はっぴいえんど』。作詞作品として、アグネス・チャンの『ポケットいっぱいの秘密』、チューリップの『夏色の思い出』、太田裕美の『木綿のハンカチーフ』、そのほか、ヒット曲多数。細野晴臣、大瀧詠一ほかと交流がある。
山下賢二:この本をざーっと一回読んで、最後の紹介文でわかったのですが、以前読んだことがある絵本『やましたくんはしゃべらない』の登場人物であるやましたくんでした。びっくりしました。
『やましたくんはしゃべらない 山下賢二・作 中田いくみ・絵 岩崎書店』そのときの感想メモの一部です。
この絵本では、小学生時代に学校ではしゃべらなかったという作者ご本人のことを絵本にされているそうです。絵本では、やましたくんについて、1年生から始まって、6年生になったころのことが書いてありました。
つまり、6年間しゃべらなかったというような下地があります。(されど、小学校の卒業証書授与式のときにだれにも聞こえないぐらいの声で、名前を呼ばれての返事の発声はしたらしい)
小学校を卒業して中学生になったらしゃべるようにしたそうな。しゃべらないと、おとなになったら困ります。仕事をしなければなりません。作者であるご本人は、その後、人前でもしゃべるようになられたようです。しゃべらなかった理由もありました。ネットで読みました。ここには書きません。まあ、ミステリーを含んだ推理小説のような要素もある絵本です。
(1回目の本読み)
ざーっと1枚ずつページを最後までゆっくりめくってみました。
山下賢二さんが、喫茶店で、松本隆さんから聞いたことを文章にしてある本でした。
文章は短文です。さらりと読み終える文章です。エッセイ集です。(随筆集)
最初に、松本隆さんの言葉として、銀行員になれたけれど、作詞家になったとあります。そういえば、シンガーソングライターの小椋佳さん(おぐらけいさん。男性)も、もとは銀行員でした。
エッセイのタイトルは、『〇〇について』という、「ついて」のタイトルが多い。
(2回目の本読み)
ちょっとへんですが、最初に、本の最後のほう107ページにある『本物の「君」 山下賢二』から読み始めました。
『君(きみ)』という言葉の音に強い興味が示されています。『東京の音』がするそうです。ちなみに山下賢二さんは京都の人です。
クレジット:作品にかかわる人の名前。作詞で松本隆さんの名前が表記されていた。
おふたりは、かなり親密な関係を築かれています。おふたりは、年齢的には父親と息子です。父親が松本隆さんです。
では最初に戻って読み始めます。
『カフェ火裏漣花にて(カフェかりれんげにて) 京都市中京区』
iPhoneで写真を撮って、それをもとにして歌詞をつくるというようなことが書いてあります。
自然淘汰(しぜんとうた。ふるいにかけられて落ちていく)の話があります。
映画の話、オーラを放つ映画監督の話、オーラのある芸能人の話があります。オーラ:人が発する強い雰囲気。まわりにいる人たちを魅了(みりょう)する。魅力がある。人を引きつける。
思うままに語り続ける文章です。
若い時、人から認められたかった。
人がつくったものの物まねじゃないものをつくって、人から認められたかった。
松本隆さんについて、病弱だった妹さんとの思い出が書いてあります。
病気の妹さんは、まわりが止めるのもきかず、無理をされて、成人後、若くして亡くなっています。心臓が悪かったそうです。妹さんは、弱音をはかない人だった。
だれにも家族がいます。
しんみりきました。
家族がいて、『詞(し)』が生まれる。
『ジャズスポット ヤマトヤにて 京都市左京区』
抽象的なお話です。
歌詞をつくる経過です。
物語をつくるのです。
『詩人』は、古代ギリシアの時代から、この地球上に存在している。
答えがない世界の答えを出し続けようとしている。『霊』『死後の話』『愛』など、答えが出ないわからない問いかけに対して、詩人は答えようとし続ける。永遠に。
嘘が嫌いだそうです。
嘘はばれる。嘘を続けるためにまた嘘をつく。キリがない。(終わりがない)
なによりもだいじなものは、『時間』。私立学校だったので大学受験がなかった。エスカレーター式(中学から大学まで内部進学できる)だった。受験勉強をしなくてよかったので、自分が自由に使える『時間』があった。時間を有効に使う。時間をムダにしない。
松本隆さんの脳内世界にあることを他人である山下賢二さんが、聞き取りをして、記録として文章に落としてあります。
ソクラテスの言葉を遺した(のこした)ソクラテス(紀元前のギリシャの哲学者)の弟子たち(クセノポンとプラトン)のようです。
『お金じゃない』
人から喜ばれるいい詞をつくって、後世に遺したい。(のこしたい)(人から評価されたい(ほめられたい)この世のこの時代に自分が生きていたという証拠を遺したいというお気持ちだろうか)
有名になりたい=健全な上昇志向と考えるとのこと。否定しない。有名になりたいという欲は、あったほうがいい。そのために筋は通したほうがいい。なんでもやっていいわけではない。守るべき正義は守る。
ストリーミング:動画配信サービス。音楽配信サービス。レコード会社もテレビ局もいらない。創作する場所は、東京じゃなくてもいい。
人の真似はしない。
現代の対立は、金持ちVS貧困だそうです。(日本ではこれからも金銭的な格差社会は広がっていくと思われます。どこに価値を求めるかという考え方もあります)
孤独に慣れる。孤独を恐れない。(おそれない)
シンプル(単純素朴(そぼく))です。
『イノダコーヒ本店旧館にて 京都市中京区』
味わい深い言葉や文章がたくさん書いてあります。
作詞家の脳内にあることを表現してある文章です。
今年読んで良かった本です。
歌詞をつくるマニュアルです。(手引き)
おおざっぱにテーマを考える。
季節を考える。
5W1H(いつどこで……)を考える。
人称代名詞(主語。にんしょうだいめいし。ぼくとかわたしとか)は使わない。
基本は、「肯定文」、たまに、「否定文」
パクリ(人まね)の話です。
1970年代(昭和45年)は、パクリ全盛だった。パクリについてうるさくない世の中だった。
まねをしながら上達してオリジナルをつくれるようになるという経過はある。
歌詞をつくるときに必要なものは、第一に『知識』、第二に『技術』、第三に『思い』。『思い』がないといいものは完成しない。
得るものがある本です。
詐欺師のようでもある。本人も永遠に気づけないように、じょうずに人心を操作して利益を得る。洗脳をするように他人の心の中に感動を生んで意識を操作する。(警戒心が強い人はかかりません。素直に相手の言うことをきく、人柄がいいとされる人は危ない(あぶない))
ファズ:音響機器の言葉。割れた音色、雑音。効果音
松本隆さんが売れていた時の生活リズムはメチャクチャです。
録音が午前4時くらいに終わる。自分で車を運転して帰宅して、自宅車庫のシャッターを開けるボタンを押して、シャッターがあがる1分間を待てない。エンジンを切って、そのまま運転席で熟睡に落ちる。朝6時半に自宅車庫前に停まっている車の中で目が覚める。
歌い手の選び方です。
写真は参考にならない。みんな可愛い。差異がわからない。
声質で選ぶ。歌のうまいへたは、売れる売れないに関係ない。
民衆は、おもしろい声を望んでいる。
舌足らずなところが良かった歌手がいる。一見、欠点に見えても、そこが魅力だったりもする。合わせて、楽器が弾けることも魅力になる。
歌謡曲を売る世界は異常な世界だった。売れる売れないの数字の世界だった。
脳みそが疲れ果てて、80年代末に休業して5年間休んだ。
いい歌は、数字では表せない。
その時、いい数字が出なくても、永く歌い継がれる歌がいい歌ということもあると受けとりました。
シニカル:皮肉な態度。冷笑。人を小ばかにする
無意味な精神論。退屈な理屈。今を見て、今の体制を維持したいがんこ者たちがいる。松本さんは、そんな周囲を突き放します。先を見る。ずーっと先の未来を見て、今とは違うやり方を選択する。
『かもがわカフェにて』 京都市上京区
マイナスとマイナスをかけて、プラスになるような歌詞をつくる。
松本さんは、『(自分が自由に使える)時間』の多さにこだわります。
学校がエスカレーター式だったから、受験勉強をすることに時間を奪われなくて済んだから良かった。
東京都港区青山に生まれて育ったから、地方から出てきて、東京のファッション(文化ともいえる)になじむ、あるいは追いつくための時間を費やさなくて済んだから良かったと考えます。
人が与えられた時間には限度があるから、時間の有効活用を考えます。(読み手の自分としてはそうかなあと思いつつ、なにかで名を成すとしたらそうかもしれないと思える。されど、なにかひとつのことで名を成す(大成功して有名になる)ことにこだわらなければ、たくさんの体験をして思い出多い人生を送るほうがいい思いをできると自分は考えました)
アドバンテージ:有利な点。松本さんは、わたしから見れば、不思議な考え方をする方です。
考える力を鍛える。鍛えるためには、学校教育の時代にできるだけたくさんのことを暗記する。成人するころから、暗記したことを駆使して考える。考える力を鍛え上げる。(付け加えると、その後に人生において、一時期、十年間ぐらいは、死に物狂いで働く。二十四時間365日気が狂うぐらいに働く。そのあと、休む。心身を休めて、新しい知識と体験をする。次の段階の人生を楽しむ)そんなふうに読み取れました。92ページに、『ボクは80年代、人の100倍働いたから、今は遊んでる……』とあります。
ロックにおけるメンフィス:アメリカ合衆国テネシー州メンフィス。ロック発祥の地。エルビスプレスリー。この部分を調べているとき、『天使にラブ・ソングを』のことがネットの説明に書いてあり、先日東京でミュージカルを観たばかりなので、親近感と縁を感じました。ロックンロールの基礎にキリスト教会の讃美歌(ゴスペル)があるそうです。
はっぴいえんど:日本のロックバンド。活動期間は、1969年(昭和44年)-1972年(昭和47年)、1973年(昭和48年)、1985年(昭和60年)、2021年(令和3年)。日本語ロックの創設グループ。代表曲『風をあつめて』
松本隆
細野晴臣
大瀧詠一
鈴木茂
モビー・グレープ:1960年代後半に活躍したアメリカ合衆国のロックバンド
グレイトフル・デッド:アメリカ合衆国のロックバンド
フィル・スペクター:アメリカ合衆国の音楽プロデューサー
ロネッツ:ニューヨーク出身の女性三人組の音楽グループ
バッファロー・スプリングフィールド:アメリカ合衆国のロックバンド
ゆでめん:はっぴいえんどのレコードアルバム。1970年発売(昭和45年)初めての日本語ロック
YMO:イエロー・マジック・オーケストラ。1978年結成(昭和53年)細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一
GSブーム:グループ・サウンズブーム。1967年(昭和42年)-1969年(昭和44年)
友情について書いてあります。
東京では、友情ができにくい。(東京は人生の一時的な時を過ごすところ)仕事仲間はいるけれど、会社つながりの人間関係になる。
東京は人づきあいをするのには、大きすぎる。東京では、ライバルや商売敵はいる。(友情は薄い)
京都や神戸は街の大きさがちょうどいい。会いたいときに簡単に会える。(東京は会えない)ローカルな感じがいい。(納得します)
ローカル:地方、いなか
本文を読み終えました。
続けて、聴き手・書き手の山下賢二さんの文章をもう一度読みます。
『京都の街は、30分もあれば車で端から端まで行けてしまう……』と話が続きます。
料理人船越雅代さんの食事会で、この本のおふたりは出会ったとのことです。
親子ほどの年齢が離れたおふたりですが、和歌山県新宮市へのふたりでの旅行内容には驚かされました。悪天候の中、現地のお祭りに参加されています。
ためになるいい本でした。
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