2023年10月27日

敗北からの芸人論 平成ノブシコブシ 徳井健太

敗北からの芸人論 平成ノブシコブシ 徳井健太 新潮社

 著者は、こどものころ、母親が統合失調症で、母親のめんどうをみるヤングケアラーをしていたという記事をどこかで読みました。
 この本は、そんなご本人の自伝だろうと思って買いました。違っていました。(でも53ページには、ご本人のさきほどの件に関するコメントがあります)

 以前東野幸治さんの『この素晴らしき世界 東野幸治 新潮文庫』を読みました。令和2年(2020年)の単行本を令和4年(2022年)に文庫化してありました。週刊新潮に連載された記事のまとめです。徳井健太さんは、その東野幸治さんの週刊誌でのコラム欄筆記の担当を引き継がれたと、この本の冒頭付近で書いておられます。

 平成ノブシコブシの吉村崇さん(よしむらたかしさん)は、東野幸治&岡村隆史の旅番組『旅猿』でお見かけしました。『長崎県で何も決めない旅』のときに吉村崇さんの言葉が記憶に残っています。
 到着した翌日の朝食は長崎県の職員さんに勧められた食堂で食べました。三人は、朝食に貝汁定食を堪能されました。(たんのう:十分に楽しみ満足した)それは、おでんで、厚揚げ、牛すじもありました。貝汁は映像を観る限り、一般の家庭でつくる形態のもので、九州地方にあっては、ふだんの生活で食べる食べ物に見えました。
 吉村崇さん『(自分は)なんで東京になんか住んでいるのだろう。こんなおいしいものが地方にはいっぱいある』おいしい食べ物を食べて、美しい景色に包まれて暮らしを送る。
 働いて、ある程度お金が貯まったら地方で暮らすのも人生を楽しむ手法です。三人は『100点の朝』と満足されました。

 徳井健太さんは、以前、ケーブルテレビで放映されるマージャンの番組でよくお見かけしました。また、太川陽介さんとのバス旅番組でも見た記憶があります。路線バスで鬼ごっこ群馬県編だったと思います。最後に太川チームがタクシーで大逆転をした痛快な回でした。

 この本は、お笑いの人の人物伝です。
 文字を拾いながら感想を付記していきます。

『東野幸治』
 別名を『ホワイトデビル』というそうです。知りませんでした。

『吉村崇』
 お笑いコンビは、『兄弟』のようなものと表現してあります。けして、仲良しとは限らない。仲が悪くても離れられない関係だそうです。

 平成ノブシコブシとして、信頼関係があるコンビの意識をもてるまでに15年がかかっています。
 吉村崇さんの徳井健太さんに対する生々しい言葉のナイフがあります。
 『あーあ、俺が二人いたら良かったのにな』
 さらに、
 『お前の大喜利を面白いと思っている奴なんて、一人もいねーからな』
 殺してやりたいと思ったそうです。(気持はわかります。でも、殺しちゃダメです)

 テレビ画面の映像などではわからなかった現場のようすが表現してあります。
 
 文章書きについて考えました。
 文章を書くことはとてもむずかしい。
 徳井健太さんが、こちらの文章を書いて、おそらく編集者の手が入っているのでしょうが、徳井健太さんの文章を書く能力は高い。凄み(すごみ。迫力)があります。本音を出して書いてある文章です。

『千鳥』
 この本は、お笑い芸人のテキスト本です。分析してあります。研究書です。
 ノブさんがけっこう苦労されています。大吾さんはだれからも愛される個性なのでだいじょうぶなのです。

『小籔千豊(こやぶかずとよ)』
 この方も番組『旅猿』で京都・大阪を巡っておられました。
 そのときの旅のテーマです。
①クレープを焼きたい。
②『フォートナイト』を旅猿のふたりに体験してほしい(わたしには何のことかわかりませんでした。調べたら暴力を素材にしたオンラインゲームでした)
③大阪に行きたい。NGK(なんばグランド花月)に行きたい。新喜劇座長を勇退する川畑泰史さんにお疲れさまでしたのあいさつをしたい。
④京都の一流料亭の味を楽しむ。(番組取材申し込みを断られないだろうとの読みがあります)

 この本では神社でのおさいせんの意味から始まっています。小籔さんは、おさいせんは、神社の維持費にあてられるから支払うべきだという理屈があって払っているそうです。

 寿司は、基本的に(寿司職人に)おまかせで注文する。寿司職人に、あれこれ個別に注文することは失礼だ。
 旅猿の番組も含めてですが、小籔さんは、むずかしい部分もある人だと感じます。

『渡辺直美』
 この部分を読み終えて軽いショックがありました。
 渡辺直美さんは、母親が台湾人で、渡辺直美さんが小さいときに母親は日本人父と離婚した。渡辺直美さんは台湾で生まれて、その後日本に来た。母子で極貧生活を味わった。渡辺直美さんは、母親が台湾の言葉で話すので、日本語を話せなかった。渡辺直美さんは、中卒アルバイトで芸人を目指した。渡辺直美さんにとって日本語は、日常生活で話す言葉ではないようです。

 徳井健太さんは、芸人には絶望を体験した人がままいると前置きしたあとで、自分の母親は精神病で自殺したというようなことをこの本で書いています。
(この部分を読んでいて思い出した言葉があります。もう35年以上前のこと、わたしが30代だったときに、年配の男性と話をして今も記憶に残っている男性の言葉があります。もう彼はこの世にはいない年齢です。年配の男性がこう言いました。『精神病の親とは(母親)、きっぱりと縁を切ることが、こどもの幸せにつながる』厳しいお言葉だと感じました。そのときは、情が(じょうが)ないと反発する気持ちが自分にはありました。小さなこどもは、そんな親でも慕うのです。
 歳をとった今はそうは思いません。精神を病んだ親の言動は異常です。場合によっては親子心中(しんじゅう。こどもが親に殺されて、親は自殺する)の危険もあります。
 そこまでいかなくても、こどもの心が壊れます。徳井健太さんも犯罪者といわれてもしかたがないくらい自分は荒れていたと記述されています)

 別の記事で、小学生の時に壮絶ないじめにあっていた人が、今は有名なお笑い芸人になっているという文章を読んだことがあります。人間は、絶望を体験すると、『死』を思い、なんとかして、苦痛を超越(ちょうえつ)すると『笑い』が生まれます。
 どうしようもない状況に置かれると、もう笑うしかないと思うことがままあります。

 渡辺直美さんは、日本語が十分にできないまま、お芝居のセリフを丸暗記するやりかたで自分の演技を演じきった。劇は、又吉直樹脚本作品『咆号(ほうごう)』:法名、戒名のこと。世界の終末がテーマの話だった。
 渡辺直美さんは、負けず嫌いだそうです。
 (東京オリンピックのときに、太った女性である渡辺直美さんのダンス姿が、ブタにたとえてあって、女性差別、女性蔑視(べっし。見くだし)にあたると指摘された演出があったのですが、渡辺直美さん自身は、「なんとも思っていません」というコメントだった記憶です)そのわけが、この本のこの部分を読んで理解できました。彼女はお笑いを求めるハングリー(貪欲(どんよく))なアーチスト(芸術家)です。グレート(偉大)です。

 まだページはたくさん残っていますが、今年読んで良かった一冊です。
 一項目ずつ、噛みしめながら読む文章です。

『コウテイ』
 わたしは知らない人たちです。
 著者の徳井健太さんも会ったことはないそうです。
 下田くん164cm、九条くん184cmです。
 今年1月に解散されています。この本は、2022年の発行ですから、原稿執筆時はコンビとして存在していたのでしょう。
 ふたりの身長差があるので、高低→コウテイだそうです。(ネット情報として。後付け理由として、自分たちが売れるという肯定、お笑い界の皇帝)
 下田くん(「しもた」と読むそうです)と霜降り明星の粗品くん(はじめて聞いたとき、人の名前とは思えませんでした)は絆(きずな)がとても強いというようなことが書いてあります。
 昭和時代の本格派漫才とあります。

『加藤浩次』
 この方については、語録が紹介されています。
 『比較論じゃ、人は幸せになれないんだよ』(ごもっともです)
 著者の徳井健太さんの文章に関して言えば、独特な表現があります。『傾いてなんぼ(かぶいてなんぼ)』勝手なふるまい。奇妙な身なりという意味らしい。マンガ本から文章づくりを学ばれているのだろうか。
 文章に登場してくる人物各自が個性的です。

 芸人が、場によってキャラ(個性)を変えることについて。加藤浩次さんの言葉として『全部自分だろ』(ずばんと真相を突いています)

 熊太郎じいさんは働いていた時、仕事中心の生活で、現役最後の20年間ぐらいはテレビをほとんど見る時間がありませんでした。加藤浩次さんをテレビで観たのは、岡村隆史さんたちとの番組『めちゃイケ』で、暴走族の姿で、数台のバイクにまたがって円陣をつくって回って、ブンブンブブブといっていたのをまだちいさなこどもたちと観ていた記憶が残っています。まさか、あの人が朝の番組の司会をやれるとは思えませんでした。

 加藤浩次さんの言葉『4勝6敗を目指しているんだけど、どうしても3勝7敗になっちゃうんだよなー』(実は全勝しているともいえる)
 『ナンバーワンを目指したことない奴が、オンリーワンになれるわけないだろ』(ごもっともです)
 
『EXIT』
 りんたろー(介護の仕事をしている)と兼近大樹(かねちか・だいき。金髪。ベビーシッターのアルバイトをしているそうです)
 高齢者相手の仕事は未来に明るさがない。子ども相手の仕事は未来に明るいものがある。
 
 こどもを虐待する親は、いつの時代でも一定数いる。こどもがかわいそうだが、こどもを愛せない親自身も悩んでいる。そんな話が出ています。(こどもを愛せない性質をもった人は親にはならないほうがいい)
 日本文学で、名作がありました。映画にもなっています。『きみはいい子 中脇初枝 ポプラ社』 「いい子」というのは、こどものことではなくて、自分のこどもを虐待する母親のことを表わしています。どうしてもがまんができなくてこどもに暴力をふるう親の姿がありました。こどもの育て方がわからない親です。

 誰かや組織を攻撃するのが、「日本社会」と読めます。原因をつくっているのはテレビとSNSとも解釈できます。
 『ミスの少ない人間を求めているのが日本』とあります。
 書かれている文章は、心の叫びです。
 
『霜降り明星』
 粗品(そしな):背が高い。独特のツッコミをする。細い体。ギャンブル狂
 せいや:背が低い。小柄でぽっちゃりしている。
 
 せいやさんが、折り紙ができないことが書いてあります。こどもがつくる簡単な飛行機も折れない。それは、『障害』があるからではないか。いや、『個性』だとなります。

 人から愛されて育ってきた人は、人を愛することができる。そうでない人は、人を愛せないとあります。一理あります。(いちりあります。ひとつの道理があります)

 芸人同士は、仲がいいわけでもないと話があります。そして仲が悪いわけでもない。
 テレビに映っているときは、わきあいあいとしているけれど、カメラが回っていないときはそうでもない。お互いに強い干渉はしあわないそうです。
 あわせて、テレビ局内の仕事は制限が多くて、もうけが少ない。ユーチューブで活動した方が、他者からの制限もなく、自分のやりたいことがやれるし儲かるというようなことも書いてあります。

 地上波のテレビ番組というのは、動画配信サービスに居場所を奪われて、だんだん衰退していくのでしょう。テレビ番組としては、自然災害とか事件を報道するためのリアルタイムを伝えるニュースや天気予報関係が残るような気がします。
 
『ハライチ』
 岩井勇気さんと澤部佑さんです。岩井さんの本は読んだことがあります。『僕の人生には事件が起きない 岩井勇気 新潮社』
 岩井勇気さんについては、テレビ番組「鶴瓶の巷の噺(つるべのちまたのはなし)」でゲストに出た時の澤部佑さんの婚姻届け届け出話で爆笑しました。
 岩井勇気さんが、突然澤部佑さんに役所に来るように呼び出されて行ったら、澤部佑さんとこれから奥さんになるという女性が役所にいて、ふたりが出す婚姻届の証人欄に署名を求められたというような経過話でした。
 それまで、岩井勇気さんは、澤部佑さんに付き合っている女性がいるということを知らず、澤部佑さんをこれまで、女性体験がまったくない男だと信じ込んでいたそうです。
 奥さんになる女性は、そのとき妊娠されていました。

 ふたりの見た目と中身は印象とは反対です。そんなことがこちらの徳井健太さんの本には書いてあります。澤部佑さんはけっこうむずかしい面があります。
 徳井健太さんも岩井勇気さんもコンビの『じゃないほうの芸人』としての立ち位置で、共通の不満があったので仲良しだそうです。相方の澤部佑さんや吉村崇さんのほうが売れていた。

 甲本ヒロト:ミュージシャン。言葉として、『今の世の中は、正解を求めすぎる』

 コロナ禍でのことがいろいろ書いてあります。
 当時、あの行き過ぎたような制限はなんだったのだろうかとか、みんなにあれもこれもやるなと指示しておいて、無理やりに開催したオリンピックはなんだったのだろうかという思いが、わたしには残っています。オリンピックについては、あげくの果てに、贈収賄の汚職事件発生です。
 そのころ、自分たち夫婦は、高齢の親族をふたり亡くして、入院見舞いとか、介護とか、二か月連続のお葬式をしたりして、生活行動に制限があるなかで、大変だったという思い出があります。
 ブラックマネーも含めて、お金もうけ目当てのオリンピックなんか、もうやらなくてもいいと、政治や行政に対してうらめしく思っています。

 本に書かれている文章は、つくり手側のテレビ局職員の話などについて書いてあります。
 なんというか、『仕事』です。働く人間は、生きていくために、なんとしても、生活費を稼がねばなりません。

『ニューヨーク』
 M1グランプリの番組で観たことがありますが、自分はあまり存じ上げません。
 
 記述には、ケンコバさんが出てきます。

(つづく)

 ページが進むにつれて、内容が薄くなってきている気がします。ネタがなくなってきたのだろうか。
 最初の頃にあった凄み(すごみ)が消えかかっています。(ぞっとするほどの強い衝撃)。文章が平面的な説明になりました。
 M1グランプリについて書いてあります。『10年やってだめだったら諦めた(あきらめた)ほうがいい』という島田紳助さんの言葉が紹介されています。まあ、相撲でも将棋でも囲碁でもそうでしょう。勝負の世界の頂点付近でやっていこうとしたら努力だけでは無理です。ずばぬけた才能がいります。1億2300万人の中のひとりという才能です。ただ、一芸に秀でた人は(ひいでたひとは)、一芸以外のことはできなかったりもします。周囲にいる人間の補佐(サポート)が必要です。

『シソンヌ』
 コンビの名前は聞いたことはありますが、よくは存じ上げません。
 マージャンの話が出ます。わたしもマージャン愛好家なので興味はあります。じろうさんという方のマージャンを打つ姿勢(心持ち)がとてもいいそうです。マナーがいいそうです。勝っていばらず、負けてくさらずです。見習いたい。マージャンは、脳みそを働かせる楽しいゲームです。打ち手の人柄が出ます。負けるときは、潔く(いさぎよく)負けて、やられましたーーと、笑顔でいられる人でいたい。

 下北沢にある『本多劇場(ほんだげきじょう)』のことが出てきました。今年の夏、観劇に行きました。記述に親しみを感じます。

 博多大丸さんの言葉があります。『売れるか売れないかはわからないけれど、売れるまでは死ぬほどの努力を続けなきゃ売れるなんてことは絶対にあり得ない』(ごもっともです)

『5GAP』
 わたしの知らないお笑いコンビ名です。クボケンとトモのコンビだそうです。

 『売れる』って何だろうと考えさせられます。
 以前、テレビで芸人さんが、とても売れている芸人さんのことを語っていました。仕事や仕事がらみの付き合いをしているときは、売れている本人は、にぎやかな雰囲気の中にいるけれど、家に帰れば、家族がだれもおらず、ひとりぼっちの生活をしている。そんな有名芸人を見て、『売れるってなんだろう』とふと思うことがあるそうです。

 記述に、志村けんさんのお名前が出てきました。志村けんさんも天国の人になられてしまいました。

 『笑っていいとも』を始めとして、昔の番組の話が出ます。昔はめちゃくちゃだった。本番中にタバコを吸う人がいた。(まあ、どこでも喫煙可能な世の中でした。電車の中、電車のホームでも喫煙は許されていました。パワハラ、セクハラなど、不合理・不条理・理不尽がどこの組織でもあからさまに横行していました。ゆえに問題視されなかったということはあります。なんだか変だけれど、みんながいっしょの行為をしていたのです。権力者はやりたいほうだいでしたが、したたかに権力者に圧力をかけて利を得る人もいました。昔の人は、人間力が強かった)

 テレビが言っていることをぜんぶ信じちゃいけないというメッセージがあります。テレビの映像はつくりものです。情報が加工されて出てきます。意図があって、放映されています。そういうことでしょう。

 赤塚不二夫さんとタモリさんの関係が書いてあります。
 『これでいいのだ 赤塚不二夫自叙伝 文春文庫』はいい本でした。戦時中のことの記述は壮絶です。平和な現在をのんきに過ごしている今の日本人にとっては、記述内容は身が引き締まる思いがします。生きるか死ぬか、殺されるか、殺すかの世界です。法令は命を守ってくれないこともあります。

『スリムクラブ』
 沖縄の人たちです。戦地となった沖縄です。戦争のことが書いてあります。
 『なんくるないさ』 戦争で、殺し合いがあった。絶望と怒りがある。生きることへの喜びがある。内間さんのお母さんは内間さんに『生きていればそれでいい……』と語っています。

 内間さんは、スピリチュアルにははまらないほうがいい。もっと自信をもって、強い気持ちで前向きにやっていってほしい。

『ジャルジャル』『ダイアン』『ジャングルポケット』『かまいたち』『オズワルド』
 200ページ前後から、批評の質が落ちてきたように感じます。前半にあった尖った(とがった)記述が姿を消して、平凡な説明に近づいています。
 過去にこういうことがあったという思い出のトーク(語り)です。
 なんだろう。どこでもそうですが、箱の中の世界です。限られた空間の中の話です。書いてあることは、たとえば、興味のない人から見れば、「そうですか」という反応の薄い内容です。
 後半部は、M1とかキングオブコントとか、選抜大会のことを軸にして、芸人にエール(応援)を送っている本です。

『おわりに』
 この部分で、著者の尖った(とがった)部分が復活します。
 『30歳になったら死ぬ』と書いた高校の卒業文集を、北海道の地元から上京する前に焼き捨てたそうです。
 
 芸人の世界の厳しさが書いてあります。
 『売れる』ということは、必ず誰かの屍(しかばね)の上に存在する。(優勝者の笑顔の影には、たくさんの敗者の泣き顔があるのです。企業なら、幹部ポストにいる人間は、たくさんの競争相手を振り落としてきたのです)
 こちらの本には、『大好きな先輩やめてった。才能ある後輩やめてった。仲が良かった同期もやめてった』とあります。
 締め(しめ)は、現実の自分の立ち位置を知り、謙虚になるというメッセージで終わっています。

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