2023年09月26日

おばけのバーバーパパ

おばけのバーバーパパ さく/アネット=チゾンとタラス=テイラー やく/やましたはるお 偕成社

 おばけはピンク色です。形状はアメーバーのようです。表紙をめくって、おばけは足が何本もあるのですが、形を変化することができると気づけます。
 おばけが、パパということは、パパは亡くなったのだろうか。(最後まで読みましたが、パパのことは出てきませんでした)
 原作者のフランス住まいのご夫婦はすでに亡くなっています。
 原作は、1971年(昭和46年)で、日本での出版は1972年(昭和47年)です。
 物語をつくった人は亡くなっても作品は読まれ続けます。

 絵は、線がすっきりしていてきれいです。
 色も感じがいい。
 登場人物『フランソア』は、女子かと思ったら男子でした。小学校高学年に見えます。
 フランソアが、おばけの球根のようなものを土に埋めて水やりをしています。
 「ジャックと豆の木」の豆のように、土の中から姿が地上に出て、おばけの球根は育っていきます。植物のようです。
 
 おばけは大きくなりすぎて、動物園へ行くことになりました。

 やはり、バーバーパパは、自分の姿の形を変えて、狭くて不自由な檻(おり)から出て、自分の好きなところへ移動します。
 ものまねおばけです。オットセイのまねをしてオットセイの形になります。次は、フラミンゴ、そしてラクダと続きます。形態模写です。
 問題行動だとして、バーバーパパは、動物園を追い出されてしまいました。
 でも目的地がないので、とほうにくれて泣いています。
 
 ほう。バーバーパパは、自分が人の役に立つ役割を果たせることに気づきました。
 火事場で、階段の形に変形して、高いところにいる人を救命救助しました。
 
 今度は、動物園から逃げ出した豹(ひょう)をなんとかします。
 なるほど、ここで、表紙のあたりの絵に戻ります。
 バーバーパパは、足を檻のような形にして豹(ひょう)を閉じ込めました。
 
 世のため人のために働くと人気者になります。
 バーバーパパは、ペットのようなものだろうか。
 それとも人間のことをおばけにたとえてあるのだろうか。
 どうしておばけなんだろう。
 
 愛情深いお話でした。
 『平和』があります。

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