2023年09月19日

おばけのてんぷら せなけいこ

おばけのてんぷら せなけいこ作・絵 ポプラ社

 うさぎがめがねをかけていいます。
 めがね姿がかわいい。
 こどもさんに読み聞かせるための絵本です。

 1976年(昭和51年)の絵本なので、ことばづかいが古いのですが、なつかしい。
 うさぎのお名前は『うさこ』です。
 おみそ汁は『おみおつけ』です。

 にんげんのちびっこは『食べること』が大好きです。うさこも食べることが好きです。
 おや、ねこが出てきました。
 ねこのお名前は『こねこくん』です。

 はり絵のような紙面です。でこぼこした感じがあります。ぬくもりがあります。

 こねこくんのおべんとうです。
 おかずはてんぷらですが、日の丸弁当みたいに見えます。(白米(はくまい)ごはんのまんなかに赤い梅ぼしが1個置いてあります)

 『かあさんねこ』いまどきは、耳にしない言葉です。
 昔の人は、日本語を大切にしていました。

 てんぷらの材料として:にんじん、おいも、さやえんどう、かぼちゃ、たまねぎ、こむぎこ、あぶら、たまご……

 たまご屋、やお屋、かんぶつ屋、昔は個別のお店でした。何の店? と聞かれそうです。今は、スーパーマーケット形式が多くなりました。

 絵で、てんぷらのつくりかたが順番に描いてあります。
 わたしが中学一年生の時に、母方祖母がわたしに、トンカツのつくりかたを手取り足取り教えてくれました。
 祖母にはいろいろと、とても世話になりました。
 もうずいぶん前に亡くなりましたが今でも感謝しています。
 
 うさこは、てんぷらづくりのさいちゅうに、めがねをこむぎこの中に落としてしまいました。気づいていないみたいです。(うさこは、めがねがなくても、目は見えるみたいです)

 ほーー そうくるか。奇想天外です。(きそうてんがい:まったくおもいもよらない展開)
 夕方、おやまのてっぺんにおばけの登場です。
 たのしい発想の展開があります。おばけもてんぷらを食べたいのです。
 うさこは、めがねをはずしていたから、やっぱり見えないのか。うさこはおばけの姿が見えなくて、おばけをてんぷらにしてしまいそうになります。

 そうか。いろいろ考えてある物語のつくりです。
 ちびっこにとって、ハラハラドキドキシーンがあります。
 
 短いお話ですが、なかなかたくさんの情報がこめられています。
 お話はひねってあります。(ひねる:工夫(くふう)する。どんでんがえしとかがある)

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