2023年03月17日

この素晴らしき世界 東野幸治

この素晴らしき世界 東野幸治 新潮文庫

 令和2年(2020年)の単行本を令和4年(2022年)に文庫化してあります。
 週刊新潮連載記事のまとめです。
 ざーっと登場する人物を書き出します。西川きよし師匠、坂田師匠、品川佑、ほんこんさん、メッセンジャー黒田、ダイノジ大谷、天津木村、桂三度、大西ライオン、なかやまきんに君、藤井隆、山里亮太、ココリコ遠藤、次長課長井上、ピース綾部、若井おさむ、NON STYLE石田、キングコング西野、リットン調査団藤原、陣内智則君、カラテカ入江、ノブコブ吉村、中山功太、トミーズ健、大木こだま、矢野・兵頭、ガンバレルーヤよしこ、三浦マイルド君、宮川大助・花子、リットン調査団水野、極楽とんぼ加藤、自分が知っている人もいるし知らない人もいます。合計で31人です。

 自分は、旅に興味があるので、岡村隆史さんとの番組『旅猿』で東野幸治さんを見るぐらいで、そのほかの東野さんの番組は見ていません。
 個人を巡るエッセイ(きままな文章)のようです。
 読み始めます。

 西川きよしさんの前立腺がん治療話が目を引きました。前立腺を全部摘出です。術後は尿漏れに苦しみますが、尿を人工的に調節してくれる機械を埋め込む手術をされています。「人工尿道括約筋」の手術だそうです。睾丸に(こうがん。なんとか玉)に機械が埋め込まれました。小さなボタン電池ぐらいの大きさだそうです。快適だそうです。(ほーっ。そんなことができるのか)

 坂田師匠の記述のところで、中川家の剛(つよし)さんが、パニック障害になっていたと書いてあります。そういえばそういう病名をしょっちゅう見かけた時期がありました。最近は聞かなくなりました。
 
 東野さんによる文章の内容には『毒』はありません。軽いタッチで文章が続いています。

 品川祐(しながわ・ひろし)さんという方は、番組『アメトーク』で見ます。(そう思って読んでいたら、28ページに『アメトーク』のことが出てきました)
 「嫌われ芸人」という立ち位置が批判されることは、理由がよくわかりません。笑いをとるための手段だから、仕事だと思うのです。だれもが、自分ではない何者かを演じています。品川祐さんのあだ名は『おしゃべりクソ野郎』だそうです。
 そういえば、ウェストランドというコンビがM1で優勝しました。昭和50年代は、悪口を言う漫才が多かったような記憶です。

 ほんこんさんは、番組『旅猿』で見て知りました。湘南でサーフィンをされていました。
 変わったお名前です。『130R』というコンビを組んでいて、相方が、板尾創路(いたお・いつじ)さんだそうです。でももう何年もコンビで活動はしていないそうです。
 ほんこんさんは、昔、マカオさんという人と「ホンコン・マカオ」というコンビを組んでいたいたそうです。相方が土日休日に働きたくないと言い出して解散したそうです。そういえば、おふたりの話とは離れますが、クイズで『ホンコン・マカオ旅行をプレゼント』みたいなフレーズがあった記憶です。
 東野幸治さんの記述は、お笑いの歴史です。東野さんは、歴史の生き字引です。長く続けることが仕事で成功するコツです。
 
 メッセンジャー・黒田さんも番組『旅猿』でよくお見かけします。この本は、旅猿仲間の紹介の側面があります。
 黒田さんの言葉として『東京の番組はしょーもない! カンペに書かれたこと喋ってる(しゃべってる)だけやろ! ……』(そうなのか。カンペ:演者に伝達する手段。スケッチブック、大きな紙など。メッセージや指示を送る)

 東野さんが自分のことを『心無い私』(昔はそうだったらしい。自己中心的ということか)

 ダイノジ大谷さんという人は、エアギターという演技で世界一になったというニュースを聞いたことがありました。
 ふたり組だということは、この本を見て初めて知りました。
 コンビ名:ダイノジ。ふたりとも大分県出身1994年(平成6年)から活動開始。
 大谷ノブ彦:この本では、おもに大谷さんについて書いてあります。(最後にご本人が「息子が登校拒否になっちゃいました」とコメントがあり心配しました)
 大地洋輔(おおち・おうすけ):こちらが、エアギター世界一になった方(かた)
 
 ここまで読んできて、千鳥の番組『相席食堂』を思い浮かべました。
 この本に載っている人たちが、日本各地で食べ歩いているような番組です。

 55ページに『ピコ太郎』さんというお名前が出てきます。
 そういえば、そういう人がいたなあという過去を振り返る気分になりました。

 桂三度さん(世界のナベアツ)の『イチ、ニィ、サーン! シー、ゴ、ロクー』は、おもしろかった。
 大阪府守口市にある梶中学校卒の芸人さんたちのことは初めて知りました。桂三度さん、ますだおかだの増田英彦さん、中川家(兄の剛(つよし)、弟の礼二)さん。
 亡くなった三遊亭円楽さんのことが出てきます。わたしは、毎週テレビ番組『笑点(しょうてん)』を楽しみにして観ています。

 大西ライオンという人は知りませんが、読んでいると「不思議な人」に思えました。
 蛍原徹(ほとはら・とおる)さんの誕生日祝いに買うケーキ代を集めるのに、サプライズ企画(本人は知らない)なのに、大西ライオンさんは、蛍原さんにケーキ代の集金に回っています。
 大西ライオンさんのお父さんが酒乱だったことには同情します。

 この本を読んでいた頃、同時進行で『ウクライナ戦争 小泉悠(こずみ・ゆう) ちくま新書』を読んでいたのですが、ずいぶん前に番組『東野&岡村の旅猿』で、ふたりがロシアのモスクワを訪れたことがあります。
 東野さんは、ロシアが好きなようで、番組の中でロシア大統領の名前を連呼していました。今、どういう気持ちなのだろう。
 そのときの感想メモが残っていました。以下がその一部です。
東野・岡村旅猿 ロシア・モスクワで観光の旅 DVD ワクワク編とルンルン編 2018年11月
 モスクワの赤の広場、クレムリン宮殿、大統領府、聖ワシリ大聖堂の回りを何度も回るルートで、二日間ぐらいの滞在です。
 東野さんがどうしてクレムリン宮殿(クレムリンは城塞という意味)が大好きなのかはわかりませんが、熱狂的でした。
 モスクワの人というのは、やはり、社会主義の国に住む人という印象をもちました。
 途中、ふたりと番組スタッフが、おおきな対立になるのですが、やらせを嫌う東野さんとコサックダンス教室を企画した現地ガイド・日本人スタッフの争いは、東野さんの意見のほうが正しい。いっけん、日本人とモスクワに住む人との友好シーン映像に見えるのですが、コサックダンスのメンバーは、報酬をもらって演技をしていたと推測するのです。
 社会主義、秘密主義、言論統制、報道の不自由などの要素がある社会組織の国です。東野さんがスパイ行為も含めていろいろ疑うのはやむをえません。スポーツにおけるドーピング疑惑とか、日本終戦時に日本の弱みにつけこんで、満州や北方領土に侵攻してきたとか、いろいろ思い浮かびます。
 列車の中で、現地のロシア人らしきおじさんに、撮影をしていたので、うるさい、静かにしろ。みたいに注意されます。緊張の時間帯でした。しかたがありません。日本の新幹線も同じ雰囲気です。

 なかやまきんに君が福岡県出身だということは知りませんでした。福岡県は、芸能界で働く人材が豊富です。
 今年2月に博多駅周辺を散策したのですが、なにせ華やかです。人は多いし、来ている洋服のファッションがいいし、文化的で、勢いがあります。外国人も多い。新しいものが生まれる下地があります。
 
 藤井隆さんは番組『新婚さんいらっしゃい』で井上咲楽さんとお見かけします。
 藤井隆さんは、奇人だそうです。1990年代のオカマみたいなキャラクターのときは覚えています。なんだか不思議に思えました。じっさいは、おかまではないそうです。エキセントリック(奇妙)になって、笑いをとる手法だったそうです。
 亡くなった人のお名前も出てきます。神田沙也加さん(令和3年12月35歳没)
 この本は、令和2年2月に出ています。本というものは不思議です。記録です。そのときは生きていた人が、今はもうこの世にはいない。
 
 山里亮太さんについては、ご本人が書いた本を読んだことがあります。漫才の相方にかなりひどいことをされています。
 『天才はあきらめた 山里亮太 朝日文庫』
 芸の根っこが、仕返しで、ねたみとかうらみを晴らすことが目標でした。
 山里さんは、非常に緻密(ちみつ)です。緻密さは、不祥事を起こした渡部さんとか、ラジオパーソナリティをしていた永六輔さんを思い出します。芸能界で成功するためのひとつの方法として異常なほどの徹底した緻密さがあります。24時間、365日、たとえば「お笑い」のことを考え続ける。得るものは大きい。反面、失うものもあります。
 
 106ページ。『笑いって残酷なほうが面白いから……』
 人間の本質はクズなのです。

 遠藤章造さんのことが書いてあります。千秋さんの別れただんなさんということしか知りません。
 なんだかハチャメチャな人です。ばかさかげんと思慮のなさがおもしろい。

 次長課長の井上聡さんという人は知りません。相方の河本さんは、親が生活保護をもらっているという不祥事のようなトラブルがあったことは記憶があります。
 井上さんは奇人だとこの本では書いてあります。ゲームが好きで、ゲームのために人生の大半の時間を消費しているそうです。うーむ。小学生の孫が『人生ゲーム』好きなのことを思い出しました。何度も連続で付き合わされます。
 ひとつのことに集中する。病気の完成までには至らない程度のなんとか障害だろうか。
 
 この本を読むのには、時間がかかります。
 すき間時間を利用しながら少しずつ読み進めています。

 ピース綾部さんは、芥川賞作家の又吉直樹さんに養われているイメージがあります。まあ、漫才のコンビというものは、金銭的にはそういうものなのでしょう。
 ニューヨークにおられるそうですが、孤独なんじゃないだろうか。

 『リットン調査団』水野透さんと藤原光博さんのコンビで、この本の部分では、藤原光博さんを紹介してあります。(本のあとのほうに水野透さんの紹介があります)
 リットン調査団というのは、歴史で習った満州事変のときの国際連盟の調査団の名称ではなかろうか。
 おふたりは、お笑い芸人としては売れていないそうでアルバイトで生計を維持されているそうです。
 『ラブアタック』なつかしい。昔、そういう恋愛想定番組がありました。この本では、百田尚樹さん(ひゃくたなおきさん。放送作家、小説家)のお名前が出てきました。
 本の中では57歳になった藤原さんの言葉がいい。『一回でも客前で爆笑とったら、辞められるかいな。あんな快感ないやろ』(相当な快感があるようです)

 陣内智則さんが藤原紀香さんと離婚した時には、どうして、陣内智則さんが浮気なんかしたのだろうかと不思議でした。
 藤原紀香さんの本は読んだことがあって『カンダクゥ(アフガニスタンの言葉で「笑顔でね」)』という、ご本人が現地で現地の人たちの暮らしぶりを写真撮影した本でした。藤原紀香さんがカメラで撮影した現地のこどもたちの笑顔がたくさん載っていました。おふたりが、離婚されたときには、がっかりしました。
 東野幸治さんは、陣内智則さんのテレビ出演がテレビ局に敬遠されて、仕事が暇になったので、東野さんのゴルフの相手ができて喜んでいたそうです。(ふむ。陣内さんは働かなくても食べていけたわけか。稼いで資産が貯まっていたのね)
 読んでいて、まあ、再婚もよしかなという気持ちになりました。失敗はつきものです。娘さんも誕生されて、とても喜んでおられるようすです。『もう二度と過ち(あやまちはおかさない)……』とコメントされております。(そうです。もう浮気はやめましょう)

 カラテカ入江さんという方は、闇営業のときの不祥事の根幹にいた人だと思います。
 矢部太郎さんのまんが『大家さんと僕』は、読みました。ほのぼのとしています。矢部さんも番組『旅猿』に出ておられました。たしか、熊本県内にある忍者屋敷で忍者のかっこうをされていました。
 入江さんと矢部太郎さんは性質が全然合わないコンビに思えます。
 本人のコメントとして、現在は清掃のバイトをしていますとありますが、それから月日がたって、現在は清掃会社を立ち上げて社長をされているようです。再起ですな。

 平成ノブシコブシの吉村崇さんも番組『旅猿』でお見かけしました。長崎県への旅でした。
 番組を観た時は『破天荒の人(はてんこうのひと)』の意味がわからなかったのですが、この本を読んでわかりました。常識では考えられない無謀なことをするのですな。
 乱暴な金遣い(かねづかい)は、笑いにつながる。著者は吉村さんを『馬鹿天狗(ばかてんぐ)』と分析・評価されています。
 本人のコメントがいい。『……極楽っていうのは地獄の先にあるんだなと……』
 この本の最後のところでもお名前が登場されていました。加藤浩次さんの部分で、加藤さんが事務所を辞めるなら自分も辞めると発言されたそうです。おふたりとも北海道出身です。

 中山功太さんという方は存じ上げません。ブレイク前夜芸人と書いてあります。
 ネタは実家が金持ちだそうです。5歳のときに誘拐されたとあります。本当だろうか。
 父親の会社の倒産で、今はお金持ちではないそうです。
 番組『しくじり先生』に登場したことがあるそうです。
 こどものころ貧乏でも、成人してからがんばって富裕層の人間になる人もいるし、逆に、こどものころ富裕層にいても、親が経営していた会社が傾いて、貧乏になるという人生もあります。人生はいろいろで、ぼーっとしているとお金は逃げていきます。
 
 著者がお笑いの世界が好きだということが伝わってくる文脈です。
 サラリーマンの世界とは違います。
 逆に、サラリーマンはやれない人たちです。
 著者いわく「奇人変人だらけの吉本芸人……」です。ただ、一般社会でも奇人変人はよく見かけます。見た目だけでは、すぐにはわからないこともあります。
 
 トミーズ健さんという方のお話です。わたしは存じ上げません。
 トミーズ雅(まさ)さんのほうはわかります。
 亡くなってしまったダチョウ俱楽部の上島竜兵さんのお名前が出ています。
 トミーズ健さんは、2人兄弟だったが、中学生のときにお父さんから、実は、一番下にもうひとり弟がいると告げられます。怖い話です。貧乏暮らしだったので、一番下の子は施設に預けてあったそうです。
 貧乏話が出ます。おもしろい。ただ、これぐらいの年齢の人たちは(1959年生まれ)同じような貧乏体験をもっていると思います。
 貧しかったことは思い出したくないので人には話さないということはあります。
 本では、家にフロがなくて、銭湯に行くお金もなくて、13歳まで、家の前で素っ裸になって、フロ代わりに、たらいで水浴び、行水(ぎょうずい)をしていたそうです。
 わたしも小学二年生ぐらいのとき、自分が中学の時に病気で死んでしまいましたが、当時35歳ぐらいだったおやじに連れられて、近所にある池につかって、池をフロ代わりにしたことがあります。とてもイヤでした。読んでいて、ふと思い出してしまいました。せめて、川にして欲しかった。池はため池のような、緑色の水面の色でした。
 トミーズ健さんのクリスマスのごちそうは、ブタの頭をまるまるボイルしたものだったそうです。わたしも思い出しました。おやじが持って帰って来たのは豚足(トンソク)でした。
 ホラーのような恐ろしい話が出ます。弟さんの中指が工場で作業中に切断されて、切れた指をおなかにくっつけて、育てて、もとの指に戻すという治療です。
 それから、ホノルルマラソン参加のことが書いてあります。3万人も参加するのか。そうか、マラソンというよりもお祭り、フェスティバルのような企画です。
 なお、トミーズ健さんはマラソンレースがスタートしたとたん自分の靴の靴ひもがほどけていることに気づき、結ぼうとしゃがんだとたん大群衆の選手たちに押し倒されて、連続転倒者続出で、めちゃくちゃになっています。
 まあ、そのあと書いてある別件ですが、尻だしロケもなんともひどい。
 奇人変人の芸人さんたちもそれなりに大変ですが、芸人さんたちを管理監督してコントロールしていく会社スタッフの苦労も並大抵ではありません。最後は、笑って済ませるのでしょうが、大変です。
 濃厚なお話でした。

 「チッチキチー」の大木こだまさんです。
 東野さんによるお笑い芸人さんの戸籍を見るような記録が続きます。
 大木こだまさんは、娘さんのことを大事にされています。いいお父さんだと思います。
 この本が出た当時は、愛するご長女の孫である3歳女児と1歳男児を可愛がっておられます。幸せそうです。

 「矢野・兵頭」の矢野さん。
 兵頭さんという人は、もう終わってしまった番組ですが『快傑えみちゃんねる』のゲストでよくお見かけしました。
 こちらの本では矢野勝也さんが紹介されています。ちょっと存じ上げません。ボディビルをされるそうです。
 おちょける=関西弁で、ふざける。
 矢野さんはおちょけすぎる芸人だそうです。
 たびたび浮気をするそうで、奥さんが怒るということですが、浮気をお笑いのネタにしてしまうそうです。
 
 ガンバレルーヤよしこさんの邦画を観たことがあります。『Bの戦場』でした。なかなかおもしろかった。タイトルの意味は「ブスの戦場」ということでした。ぶさいくだけど恋愛でがんばるのです。速水もこみちさんが出て三角関係でした。
 よしこさんは、心が優しい。便秘のまひるさんにキンピラごぼうをつくって、便秘を解消させてあげています。
 失礼かもしれませんが、人間は見た目ではないと思うのです。中身です。
 病気をいくつかされているそうです。脳腫瘍があったことも笑いにつなげておられます。ふつうなら恐怖におののきます。良くも悪くも、笑いにかける情熱が強い。(追記:この本全体を読み終えてからのことですが、よしこさんと同じ病名をネットで見かけました。『下垂体線種(かすいたいせんしゅ)』さらば青春の光の森田哲夫さんが同病名になったそうです。そんなにポピュラー(一般的)な病気なのだろうか。意外です)

 三浦マイルドさんという方は存じ上げません。ピン芸人だそうです。
 頭髪に特徴あり。
 新聞のラテ欄:ラジオ・テレビの番組欄
 母子家庭育ちのことが書いてあります。
 一時期売れたけれど落ちぶれた芸人としてのことが書いてあります。2013年のR-1グランプリ優勝者です。
 食事・酒・風俗、ことに読んでいると風俗通いは病的です。
 うーむ。なんともいえない。コントロール不能です。

 宮川大助・花子さんのお話はドラマです。知りませんでした。
 漫才が完成されるまでの試行錯誤の歴史があります。
 昔の漫才のパターンは、今とは逆で、大助さんがおしゃべりで、花子さんが無口だった。
 ふたりは、漫才をしていない時期があった。ふたりで、同じ警備会社で働かれています。花子さんは、漫才よりも娘さんの子育てをしたかった。
 大助さんがどうしても漫才をやりたかった。漫才に取り組む大助さんはいわゆる『仕事人間』です。漫才という仕事に取り組む鬼です。夫婦のどつき漫才です。暴力的です。昔、そういう夫婦漫才がありました。正司敏江・玲児さんでした。(しょうじとしえ・れいじ。もうおふたりともお亡くなりになりました)

 リットン調査団の水野透さん。マンガ喫茶の清掃の仕事をされているそうです。
 笑いという麻薬にどっぷり浸かった(つかった)ような生活ぶりです。

 『加藤の乱』加藤浩次さんです。
 今月いっぱいで朝の番組の司会も終わると聞いています。(本の中では、加藤の乱のときの『上層部が変わらないなら、僕はこの事務所にいれない。辞めます!』から始まっています。事務所所属お笑い芸人の闇営業が問題になったときでした)
 著者は『加藤の乱』は、それまでに何度もありましたと解説します。
 読んでいると、まあ、やりたい放題です。苦労もされています。
 狂っていると思われることもあります。(コンパで女の子を泣かして、飲食したお金を要求することとそのほか)
 響いた言葉として『北海道からスター夢見てやって来て、馬鹿にされたくない感がバリバリ出てて、田舎者丸出しでイキがっていた』
 読んでいると又吉直樹作品『火花』を思い出します。
 加藤さんはなかなか予定調和ができない人です。 なにをするかわからない、先が見えない笑いを追いかけます。狂気の笑いです。
 そんな人が、長い間朝の情報番組を続けてこられたわけですから、実績を根拠にすると、根っこは、まじめな人だと判断します。
 
 最後は、キングコングの西野亮廣(にしの・あきひろ)さんが、著者の東野幸治さんについて書かれています。
 東野さんは「いい人ポイントがない変人」ですが「実力」がある変人であるそうです。
 東野さんは、複雑なのか、シンプルなのか。
 複数人格者のように書いてあります。

 もうひとり平成ノブシコブシの徳井健太さんがコメントされています。
 徳井さんは、太川陽介さんのバス旅とか、麻雀の番組でお見かけしたことがあります。
 徳井健太さんは、北海道別海町出身だそうです。人口1万5000人、牛が12万頭いるそうです。
 徳井健太さんのコメントが真剣に書いてあります。
 東野さんの言葉として『面白い芸人はいくら時間がかかっても絶対に売れる』
 内容を読んでいて、お笑いコンビ「ハライチ」の澤部佑(さわべ・ゆう)さんのことが書かれていた本を思い出しました。『僕の人生には事件が起きない 岩井勇気 新潮社』です。
 岩井さんいわく、澤部佑さんには独自の個性がないそうです。だれかのまねをしている。そのときそのときで、だれかのまねをしながら自分ではない自分のようなものを演じている。
 憑依とか(ひょうい。のりうつるとか)洗脳(せんのう。指示に従って暗示をかけられて動く)のような状態だそうです。
 東野幸治さんもそうらしい。自分ではないだれかを演じている人が、お笑い芸人であり芸能人でありタレントなのでしょう。
 作品『コンビニ人間』を思い出しました。『コンビニ人間 村田紗耶香(むらた・さやか) 文藝春秋』無個性の人間が人まねで、自分を演じるのです。

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