2022年12月02日
ペッパーズ・ゴースト 伊坂幸太郎
ペッパーズ・ゴースト 伊坂幸太郎 朝日新聞出版
読み始めます。
ペッパーズ:胡椒(コショウ)。別の意味で(野球での)トスバッティング(作中、プロ野球へのこだわりがありそうなので)
ゴースト:幽霊、亡霊、怨霊
『死んだ人間が、幽霊になって存在している』と、タイトルを読み取るようです。(ネット情報)
檀千郷(だん・ちさと):女性かと思っていたら、男性でした。35歳。中学校国語教師。
布藤鞠子(ふとう・まりこ):中学2年生。小説を書く。
吉村:40歳ぐらい。中学校女性教師。数学担当。貫禄がある。
ロシアンブル:猫のような名前だが、人間(あるいは幽霊)。職業ネコジハンター。ネコジとは、飼い猫など猫を虐待する人間のこと。そのような虐待人間を捕まえて罰を加える職。悲観的。口ぐせが『もうおしまいだ』。『ロシア』に関連づけている。書中では『シアンさん』と呼ばれる。
アメショー:ロシアンブルと同じく、職業はネコジハンター。『アメリカ合衆国』に関連づけてある名前。楽観的。
罰森罰太郎(ばつもり・ばつたろう):50歳。経営者。富豪。ユーチューバーか。ひとり暮らし。猫を虐待している動画を流して、虐待行為が好きなファンを集めている。ネット上のアカウントが、たぶん<猫ゴロシ>
ネコジコ:猫を虐待してネットに虐待映像を流して楽しんでいる人間。
楽天球場:宮城球場のことでしょう。行ったことはありませんが、来週仙台に行く予定があるので見学してみようかと思い始めました。仙台駅からそれほど遠くない位置にあります。(この部分を書いた時には、まだ仙台に行っていませんでした。球場見学をする時間はありませんでしたが、駅前にあるビルの展望テラスから球場が見えました。赤いスタンドの椅子が広がっていました)
書中では、東北イーグルス VS 東京ジャイアンツの試合とあります。
天童将(てんどう・まさる):東京ジャイアンツの4番バッター。ホームラン60本の天才ホームランバッターのようです。
中学校が舞台のようです。
中学生向けの小説だろうか。
1990年代。アフリカルワンダで起きた虐殺のお話が出ます。(どうも中学生向けではないようです)
ロシア、ウクライナ戦争みたいです。
『ナチハンター』という単語が出ます。
ロトくじという単語が出てきます。
コロナ支援金誤交付後に詐欺行為があったことが思い出されました。
引き攣らせる:ひきつらせる。
虐待した人間は、虐待される人間になる。
誰が語っているのだろう=檀千郷(だん・ちさと)先生です。
だれが復讐するのか=猫が猫を虐待した人に復讐するのではない。人が人を雇って復讐する。
松尾芭蕉が出てきます。
そういえば、以前、岩手県中尊寺金色堂(こんじきどう)を見学した時に、松尾芭蕉の像が現地にありました。
読んでいて、自分たちが小中学生・高校生だった時、学校は週休二日制ではなかったと思い出します。土曜日は半ドン(午前中授業)でした。
おとなもこどもも、居たくもない場所が『学校』です。
たぶんキーワードになると予測されるものが『牡蠣料理(かきりょうり)』(予想は、はずれました)
学校に携帯端末を持って来てはいけない。(タブレットのことだろうか。自分たちの時代にはそのようなものはこの世に存在していなかった)
教師と生徒の理詰めの会話が進みます。
学校ではルールを守りなさいと教わりますが、社会に出ると、ルールを守らない人間がたくさんいることに気づきます。
里見大地(さとみ・だいち):中学2年生。父子家庭。父と祖母と暮らしている。
里見八賢(さとみ・はっけん):里見大地の父親。公務員。(市役所職員とかではなく、テロ対策部署で働くような国家公務員)
アメリカ合衆国が中東の政治家を暗殺した。
東北新幹線の車両が傾いた。けが人あり。(現実の出来事としては2022年3月16日脱線事故あり。宮城県白石市内。この本の出版はその前、2021年です。あとでも書きますが、未来を予知するような不思議な成り立ちがこの本にはあります)この話では、事故の原因は不明です。テロか。(無差別大量殺人事件)
NASH:非アルコール性脂肪性肝炎
『自分以外の誰かが苦しんでいるのを眺めるのがとにかく快感……』
カジさん:家事代行サービスの女性
なんとなく気になる言葉が『ハラショー、アメショー、松尾芭蕉』(相手を仲間だと確認する合言葉でした)
(つづく)
二つのお話が並列で進行していくことが、わかりにくいです。
布藤鞠子がつくっている小説に出てくるネコを虐待する人をこらしめるふたりの人物のお話と、もうひとつは、近い未来が予想できる人(檀千郷(中学教師))のお話です。
檀千郷教諭は、大きな事件や事故が『先行上映』で見えてしまう。
思い出すに、類似のパターンとして、百田尚樹作品『フォルティナの瞳(予知能力者。他人の死期がわかる)』それから邦画で『サトラレ(まわりにいる人間の心のつぶやきが聞こえる)』があります。
中学2年生女子の布藤鞠子(ふとう・まりこ)が小説を書いている。
その小説に書いてあるのが、ロシアンブルとアメショーが出てくるネコジハンターの話です。猫を虐待する人間を責めるのです。ロシアンブルとアメショーは、両者ともに猫ではありません。人物です。
読んでいると、悲観的なロシアンブル―と楽観的なアメショーは同一人物に思えます。人間には二面性があるのです。
中学国語教師檀千郷(だん・ちさと)には、6年前に、すい臓がんで死んだ父親がいました。予知能力は先祖代々のもので、亡父も予知光景が脳裏に浮かぶ体質だったそうです。
ニーチェ:1844年-1900年。55歳没。ドイツ・プロイセン王国の思想家。
自分が10年ぐらい前に読んだときのニーチェ本の読書メモが残っていました。
『ツァラトゥストラはこう言った 上・下 ニーチェ著 氷上英廣訳 岩波文庫』
「16歳の教科書 講談社」に出ていたある先生のおひとりが、記述にとりあげられていたことが読むきっかけでした。
ニーチェという人は、ドイツの哲学者です。記述はキリスト教の預言書のようです。ツァラトゥストラ氏は孤独です。精神世界のことが綴られていきます。
教わらなければ人間は獣(けだもの)と同じ。
教育の重要性を説く部分だろうと意味をとれた箇所がありました。人間のなかには、「おのれ」と「わたし」が同居している。「おのれ」は本能で、「わたし」が理性です。
そして両者は常に争っている。人間の心を形成しているものが、「知識」と「知恵」そして「理性」です。
人間は最終的に人間の手によって滅びると預言しているようです。
ニーチェ氏は、人間を否定している。なんとも陰気です。比喩(ひゆ)の連続から、国家・制度に闘いを挑み自由を愛するというメッセージはわかります。たが、むずかしい。
普段は読まない巻末の解説部分を読んでみました。それでも理解できないまま下巻へとすすみました。ドイツの社会背景を知らないことが理解できない要因のようです。
ニーチェ氏は外の現実社会を知らなかった人ではなかろうか。今でいうところのニートとかひきこもりとかで、仕事は何をしていたのだろう。どうやって生活していたのだろう。
やはり晩年は狂人となられたようです。
(つづく)
メタ認知:自己の認知をさらに認知する。自分自身の認知行動を客観的に観察するということだろうと理解しました。
クラッカーロープ:ロープの両端にボールのようなものが付いている。
テロ『カフェ・ダイヤモンド事件(5年前の5月22日発生)』で、身内の命を失った被害者遺族の会があります。『サークル』という名称の集まりです。テロ行為で、29人が死亡しています。
成美彪子(なるみ・ひょうこ):サークルのメンバー。全員で12人。成美彪子は、両親がテロで爆死している。二十代女性。昼はトレーニングジムで働き、夜は、後楽園球場でビール販売員をしている。
部長というニックネームのビール販売員(女性。成美彪子より12歳ぐらい年上)がいる。
なかなかややこしい。
3Dプリンターを使用して銃や爆弾をつくった。
ピーター・セラーズ:イギリスのコメディアン。1980年(昭和55年)54歳没。
『チャンス』という映画を引用しながら『金はあるけれど知能はゼロ…… 金はないけれど知性はある』のくだり(話)がなんだかいい感じでした。
引きこもりのニート=自分は、家に資産があるから何もしていない駄目人間(だめにんげん)だった。サークルのメンバー野口勇人(のぐち・はやと)の言葉です。
マイク育馬(まいく・いくま):テレビ番組の司会者。テロ事件の生放送で、警察の動きをテレビで教えてしまった。結果、爆死者が出た。さらに、爆死なら楽に死ねただろうとの趣旨の発言もあった。マイク育馬は、被害者家族の憎しみの対象者となっている。
『ごめんなさいを言えない人間は多い。』作品中の言葉です。
自分なりに付け加えるならば『おまかせします』が言えたら、夫婦関係は円満に進んで行きます。
谷崎潤一郎作品『痴人の愛』喫茶店の店員であった15歳の娘を育てて自分の妻にしようとした男がいたが、男は、その娘にふりまわされて、やがて立場が逆転して娘に振り回された。
『谷崎潤一郎』と『ジャッキーチェン』と『ビートルズ』が成美彪子(なるみ・ひょうこ)の父親の三種の神器(じんぎ。尊い物)
スパルタンX:1984年(昭和54年)ジャッキーチェンのアクション映画。
今、141ページにいます。うーむ。何が書いてあるのかわからないのです。
球場でビール売り中に、ガラの悪い男3人に、成美彪子が囲まれました。
うーむ。ちょっとだけ意味がわかりました。
(つづく)
家政婦がだれかに殺害されて、ひとりの人物が行方不明になっています。
作家は自由自在に物語を動かしています。読者の未来予想は当たらない。まるで、株式相場のような動きです。
ときおり、90年代、アフリカにあるルワンダで起きた虐殺のことが出ます。
プラスチック爆弾:粘土のように容易に変形できる爆弾。(今、同時進行で『セレンディピティ 思いがけない発見・発明のドラマ ロイストン・M・ロバーツ 安藤喬志・訳 DOJIN BUNKO』を読んでいるのですが、同書で出てくるノーベルがプラスチック爆弾作成にからんでいるそうです。読書の『偶然』です)
小説家は小説を読むのだろうか。
読まないような気がします。
自分の作品をつくることで、生活時間は占められていそうです。
カフェ・ダイヤモンド事件の関係者メンバーとして、野口、哲夫、佐央莉、将五、そして成美彪子(なるみ・ひょうこ)。
『人間は本心でないことも言葉にできる』
黒のマンクスのランピー:黒い色のマンクス(猫の種類。出身地がイギリスにあるマン島)。ランピーは、しっぽがないということ。
1ミリもない:否定する。ないことを強調する。(わたしは、この表現は嫌いです。ミリは、ものの長さの表現です。気持ちの軽さが伝わってきて、聞かされて、元気がなくなる表現方法です。)
仮想の人間(猫の虐待加害者)罰森罰太郎(ばつもり・ばつたろう)の娘が、現実世界にいる布藤鞠子(ふとうまりこ)なのか。
一口齧ってくれた:ひとくちかじってくれた。
嘲る:あざける。ばかにして悪く言ったり笑ったりする。
テロ行為の加害者メンバーは、被害者の会の中にいる。
209ページで、ふたつのストーリーが合体します。
不思議で、不可解です。書いてあることが、なにやら現実に起きた事件と重なるのです。
さきほど書いた東北新幹線の脱線事故とか、カルロース・ゴーン氏の航空機を使用した逃亡劇(2019年レバノンへ出国 楽器の箱の中に隠れた)とか、大阪市で発生したクリニックガソリン点火爆発大量死事件(2021年12月)とか、元首相への襲撃殺害事件(2022年7月)、プロ野球のホームラン記録の更新とか(2022年10月)、韓国で起きた群衆雪崩(ぐんしゅうなだれ)による大量圧死とか(2022年10月)、ロシア大統領の核による脅し(おどし)とアジア地域における核兵器実験のニュース、コロナウィルスの世界的な大流行…… この本ができたのは、2021年10月です。未来予知本の側面もこの本はもっているのだろうか。不気味です。小説の中と現実がタブるのです。『先行上映』が作者にあったのだろうか。
人は死んでいるけれど、本当は、死んでいない。人類によるこの世の出来事は、現実ではなく、すべてが芝居で、虚構で、実は何も起きていない。
ペッパーズ・ゴースト=出来事はすべて幻想の世界。何者かが人類に警告を発している暗示の世界。
プラベートジェット、空港職員の買収。爆弾持ち込み。テロ(無差別大量殺人)。人質、立てこもり。
どうゆうわけか、プロ野球の試合がからんできます。ジャイアンツ対イーグルスです。
パンデミック:感染症の世界的な大流行。
核のボタン。
テロ行為をしようとする犯人たちの動機がわかりません。
仲間割れ?
何が書いてあるのかわかりません。
自分には合わない作品です。
不幸を連鎖させて、自分たちのうっぷん(不満、ストレス、憤り(いきどおり))を晴らす。「人間とは何か」を考える世界なのか。
自爆死を選択することもあるのだろうか。
それとも、すべてがお芝居のなのか。
動機は『憎しみ』とか『復讐』。
一般人=無関心。事件に対する無関心さに腹をたてているのが犯人たちか。
順風満帆(じゅんぷうまんぱん)⇔天歩艱難(てんぽかんなん)
野球場がテロ行為の場所に選ばれたわけか。
『先行上映』というものを見ながらも、過去をみているようでもあります。
あと追い集団自殺なのか。
(つづく)
『やすらぎ胃腸クリニックの籠城事件(ろうじょうじけん)』犯人ひとり、人質三人が死亡。
躊躇う:ためらう。
『王様は裸だ、と叫んでいるおまえも裸じゃないか……』
野球は、ナイターじゃなかった。昼間の試合です。勘違いをしながら読んでいました。
この小説は、1回読んだだけでは、状況を把握できかねます。複数回の読みが必要です。伊坂ワールドという世界の体験です。
最終部分では、これまでのことは、過去のこととして語られます。
PTSD:心的外傷後ストレス障害。過去のショッキングな出来事が思い出されて、不安と緊張が高まる。
爆弾テロ、集団自殺。
だけど、死なない。
閃き:ひらめき。
わかりにくい読書メモになってしまいました。
もう一度最初からゆっくりページをめくってみます。
(その後)
翌日の出来事が見える。近未来が見える。
飛沫感染で、未来が見える。
美術館、洋風創作料理店『カフェ・ダイヤモンド』、後楽園球場。
永遠回帰:始まりも終わりもない。
ニヒリズム:虚無主義。真理も価値もない。
ペッパーズ・ゴースト:そこにはいない。別の場所にいる。
自殺する人がいて、復讐する人がいる。されど、死んではいないかもしれない。今もどこかで生きている可能性があるかも。
うーむ。ちょっとわたしにはむずかしい作品でした。
(追記 読書感想メモとは関係ありませんが)
ワールドカップサッカーカタール2022
日本代表 VS スペイン (日本時間本日午前4時試合開始)
日本勝利おめでとう!
かっこよかった。
読み始めます。
ペッパーズ:胡椒(コショウ)。別の意味で(野球での)トスバッティング(作中、プロ野球へのこだわりがありそうなので)
ゴースト:幽霊、亡霊、怨霊
『死んだ人間が、幽霊になって存在している』と、タイトルを読み取るようです。(ネット情報)
檀千郷(だん・ちさと):女性かと思っていたら、男性でした。35歳。中学校国語教師。
布藤鞠子(ふとう・まりこ):中学2年生。小説を書く。
吉村:40歳ぐらい。中学校女性教師。数学担当。貫禄がある。
ロシアンブル:猫のような名前だが、人間(あるいは幽霊)。職業ネコジハンター。ネコジとは、飼い猫など猫を虐待する人間のこと。そのような虐待人間を捕まえて罰を加える職。悲観的。口ぐせが『もうおしまいだ』。『ロシア』に関連づけている。書中では『シアンさん』と呼ばれる。
アメショー:ロシアンブルと同じく、職業はネコジハンター。『アメリカ合衆国』に関連づけてある名前。楽観的。
罰森罰太郎(ばつもり・ばつたろう):50歳。経営者。富豪。ユーチューバーか。ひとり暮らし。猫を虐待している動画を流して、虐待行為が好きなファンを集めている。ネット上のアカウントが、たぶん<猫ゴロシ>
ネコジコ:猫を虐待してネットに虐待映像を流して楽しんでいる人間。
楽天球場:宮城球場のことでしょう。行ったことはありませんが、来週仙台に行く予定があるので見学してみようかと思い始めました。仙台駅からそれほど遠くない位置にあります。(この部分を書いた時には、まだ仙台に行っていませんでした。球場見学をする時間はありませんでしたが、駅前にあるビルの展望テラスから球場が見えました。赤いスタンドの椅子が広がっていました)
書中では、東北イーグルス VS 東京ジャイアンツの試合とあります。
天童将(てんどう・まさる):東京ジャイアンツの4番バッター。ホームラン60本の天才ホームランバッターのようです。
中学校が舞台のようです。
中学生向けの小説だろうか。
1990年代。アフリカルワンダで起きた虐殺のお話が出ます。(どうも中学生向けではないようです)
ロシア、ウクライナ戦争みたいです。
『ナチハンター』という単語が出ます。
ロトくじという単語が出てきます。
コロナ支援金誤交付後に詐欺行為があったことが思い出されました。
引き攣らせる:ひきつらせる。
虐待した人間は、虐待される人間になる。
誰が語っているのだろう=檀千郷(だん・ちさと)先生です。
だれが復讐するのか=猫が猫を虐待した人に復讐するのではない。人が人を雇って復讐する。
松尾芭蕉が出てきます。
そういえば、以前、岩手県中尊寺金色堂(こんじきどう)を見学した時に、松尾芭蕉の像が現地にありました。
読んでいて、自分たちが小中学生・高校生だった時、学校は週休二日制ではなかったと思い出します。土曜日は半ドン(午前中授業)でした。
おとなもこどもも、居たくもない場所が『学校』です。
たぶんキーワードになると予測されるものが『牡蠣料理(かきりょうり)』(予想は、はずれました)
学校に携帯端末を持って来てはいけない。(タブレットのことだろうか。自分たちの時代にはそのようなものはこの世に存在していなかった)
教師と生徒の理詰めの会話が進みます。
学校ではルールを守りなさいと教わりますが、社会に出ると、ルールを守らない人間がたくさんいることに気づきます。
里見大地(さとみ・だいち):中学2年生。父子家庭。父と祖母と暮らしている。
里見八賢(さとみ・はっけん):里見大地の父親。公務員。(市役所職員とかではなく、テロ対策部署で働くような国家公務員)
アメリカ合衆国が中東の政治家を暗殺した。
東北新幹線の車両が傾いた。けが人あり。(現実の出来事としては2022年3月16日脱線事故あり。宮城県白石市内。この本の出版はその前、2021年です。あとでも書きますが、未来を予知するような不思議な成り立ちがこの本にはあります)この話では、事故の原因は不明です。テロか。(無差別大量殺人事件)
NASH:非アルコール性脂肪性肝炎
『自分以外の誰かが苦しんでいるのを眺めるのがとにかく快感……』
カジさん:家事代行サービスの女性
なんとなく気になる言葉が『ハラショー、アメショー、松尾芭蕉』(相手を仲間だと確認する合言葉でした)
(つづく)
二つのお話が並列で進行していくことが、わかりにくいです。
布藤鞠子がつくっている小説に出てくるネコを虐待する人をこらしめるふたりの人物のお話と、もうひとつは、近い未来が予想できる人(檀千郷(中学教師))のお話です。
檀千郷教諭は、大きな事件や事故が『先行上映』で見えてしまう。
思い出すに、類似のパターンとして、百田尚樹作品『フォルティナの瞳(予知能力者。他人の死期がわかる)』それから邦画で『サトラレ(まわりにいる人間の心のつぶやきが聞こえる)』があります。
中学2年生女子の布藤鞠子(ふとう・まりこ)が小説を書いている。
その小説に書いてあるのが、ロシアンブルとアメショーが出てくるネコジハンターの話です。猫を虐待する人間を責めるのです。ロシアンブルとアメショーは、両者ともに猫ではありません。人物です。
読んでいると、悲観的なロシアンブル―と楽観的なアメショーは同一人物に思えます。人間には二面性があるのです。
中学国語教師檀千郷(だん・ちさと)には、6年前に、すい臓がんで死んだ父親がいました。予知能力は先祖代々のもので、亡父も予知光景が脳裏に浮かぶ体質だったそうです。
ニーチェ:1844年-1900年。55歳没。ドイツ・プロイセン王国の思想家。
自分が10年ぐらい前に読んだときのニーチェ本の読書メモが残っていました。
『ツァラトゥストラはこう言った 上・下 ニーチェ著 氷上英廣訳 岩波文庫』
「16歳の教科書 講談社」に出ていたある先生のおひとりが、記述にとりあげられていたことが読むきっかけでした。
ニーチェという人は、ドイツの哲学者です。記述はキリスト教の預言書のようです。ツァラトゥストラ氏は孤独です。精神世界のことが綴られていきます。
教わらなければ人間は獣(けだもの)と同じ。
教育の重要性を説く部分だろうと意味をとれた箇所がありました。人間のなかには、「おのれ」と「わたし」が同居している。「おのれ」は本能で、「わたし」が理性です。
そして両者は常に争っている。人間の心を形成しているものが、「知識」と「知恵」そして「理性」です。
人間は最終的に人間の手によって滅びると預言しているようです。
ニーチェ氏は、人間を否定している。なんとも陰気です。比喩(ひゆ)の連続から、国家・制度に闘いを挑み自由を愛するというメッセージはわかります。たが、むずかしい。
普段は読まない巻末の解説部分を読んでみました。それでも理解できないまま下巻へとすすみました。ドイツの社会背景を知らないことが理解できない要因のようです。
ニーチェ氏は外の現実社会を知らなかった人ではなかろうか。今でいうところのニートとかひきこもりとかで、仕事は何をしていたのだろう。どうやって生活していたのだろう。
やはり晩年は狂人となられたようです。
(つづく)
メタ認知:自己の認知をさらに認知する。自分自身の認知行動を客観的に観察するということだろうと理解しました。
クラッカーロープ:ロープの両端にボールのようなものが付いている。
テロ『カフェ・ダイヤモンド事件(5年前の5月22日発生)』で、身内の命を失った被害者遺族の会があります。『サークル』という名称の集まりです。テロ行為で、29人が死亡しています。
成美彪子(なるみ・ひょうこ):サークルのメンバー。全員で12人。成美彪子は、両親がテロで爆死している。二十代女性。昼はトレーニングジムで働き、夜は、後楽園球場でビール販売員をしている。
部長というニックネームのビール販売員(女性。成美彪子より12歳ぐらい年上)がいる。
なかなかややこしい。
3Dプリンターを使用して銃や爆弾をつくった。
ピーター・セラーズ:イギリスのコメディアン。1980年(昭和55年)54歳没。
『チャンス』という映画を引用しながら『金はあるけれど知能はゼロ…… 金はないけれど知性はある』のくだり(話)がなんだかいい感じでした。
引きこもりのニート=自分は、家に資産があるから何もしていない駄目人間(だめにんげん)だった。サークルのメンバー野口勇人(のぐち・はやと)の言葉です。
マイク育馬(まいく・いくま):テレビ番組の司会者。テロ事件の生放送で、警察の動きをテレビで教えてしまった。結果、爆死者が出た。さらに、爆死なら楽に死ねただろうとの趣旨の発言もあった。マイク育馬は、被害者家族の憎しみの対象者となっている。
『ごめんなさいを言えない人間は多い。』作品中の言葉です。
自分なりに付け加えるならば『おまかせします』が言えたら、夫婦関係は円満に進んで行きます。
谷崎潤一郎作品『痴人の愛』喫茶店の店員であった15歳の娘を育てて自分の妻にしようとした男がいたが、男は、その娘にふりまわされて、やがて立場が逆転して娘に振り回された。
『谷崎潤一郎』と『ジャッキーチェン』と『ビートルズ』が成美彪子(なるみ・ひょうこ)の父親の三種の神器(じんぎ。尊い物)
スパルタンX:1984年(昭和54年)ジャッキーチェンのアクション映画。
今、141ページにいます。うーむ。何が書いてあるのかわからないのです。
球場でビール売り中に、ガラの悪い男3人に、成美彪子が囲まれました。
うーむ。ちょっとだけ意味がわかりました。
(つづく)
家政婦がだれかに殺害されて、ひとりの人物が行方不明になっています。
作家は自由自在に物語を動かしています。読者の未来予想は当たらない。まるで、株式相場のような動きです。
ときおり、90年代、アフリカにあるルワンダで起きた虐殺のことが出ます。
プラスチック爆弾:粘土のように容易に変形できる爆弾。(今、同時進行で『セレンディピティ 思いがけない発見・発明のドラマ ロイストン・M・ロバーツ 安藤喬志・訳 DOJIN BUNKO』を読んでいるのですが、同書で出てくるノーベルがプラスチック爆弾作成にからんでいるそうです。読書の『偶然』です)
小説家は小説を読むのだろうか。
読まないような気がします。
自分の作品をつくることで、生活時間は占められていそうです。
カフェ・ダイヤモンド事件の関係者メンバーとして、野口、哲夫、佐央莉、将五、そして成美彪子(なるみ・ひょうこ)。
『人間は本心でないことも言葉にできる』
黒のマンクスのランピー:黒い色のマンクス(猫の種類。出身地がイギリスにあるマン島)。ランピーは、しっぽがないということ。
1ミリもない:否定する。ないことを強調する。(わたしは、この表現は嫌いです。ミリは、ものの長さの表現です。気持ちの軽さが伝わってきて、聞かされて、元気がなくなる表現方法です。)
仮想の人間(猫の虐待加害者)罰森罰太郎(ばつもり・ばつたろう)の娘が、現実世界にいる布藤鞠子(ふとうまりこ)なのか。
一口齧ってくれた:ひとくちかじってくれた。
嘲る:あざける。ばかにして悪く言ったり笑ったりする。
テロ行為の加害者メンバーは、被害者の会の中にいる。
209ページで、ふたつのストーリーが合体します。
不思議で、不可解です。書いてあることが、なにやら現実に起きた事件と重なるのです。
さきほど書いた東北新幹線の脱線事故とか、カルロース・ゴーン氏の航空機を使用した逃亡劇(2019年レバノンへ出国 楽器の箱の中に隠れた)とか、大阪市で発生したクリニックガソリン点火爆発大量死事件(2021年12月)とか、元首相への襲撃殺害事件(2022年7月)、プロ野球のホームラン記録の更新とか(2022年10月)、韓国で起きた群衆雪崩(ぐんしゅうなだれ)による大量圧死とか(2022年10月)、ロシア大統領の核による脅し(おどし)とアジア地域における核兵器実験のニュース、コロナウィルスの世界的な大流行…… この本ができたのは、2021年10月です。未来予知本の側面もこの本はもっているのだろうか。不気味です。小説の中と現実がタブるのです。『先行上映』が作者にあったのだろうか。
人は死んでいるけれど、本当は、死んでいない。人類によるこの世の出来事は、現実ではなく、すべてが芝居で、虚構で、実は何も起きていない。
ペッパーズ・ゴースト=出来事はすべて幻想の世界。何者かが人類に警告を発している暗示の世界。
プラベートジェット、空港職員の買収。爆弾持ち込み。テロ(無差別大量殺人)。人質、立てこもり。
どうゆうわけか、プロ野球の試合がからんできます。ジャイアンツ対イーグルスです。
パンデミック:感染症の世界的な大流行。
核のボタン。
テロ行為をしようとする犯人たちの動機がわかりません。
仲間割れ?
何が書いてあるのかわかりません。
自分には合わない作品です。
不幸を連鎖させて、自分たちのうっぷん(不満、ストレス、憤り(いきどおり))を晴らす。「人間とは何か」を考える世界なのか。
自爆死を選択することもあるのだろうか。
それとも、すべてがお芝居のなのか。
動機は『憎しみ』とか『復讐』。
一般人=無関心。事件に対する無関心さに腹をたてているのが犯人たちか。
順風満帆(じゅんぷうまんぱん)⇔天歩艱難(てんぽかんなん)
野球場がテロ行為の場所に選ばれたわけか。
『先行上映』というものを見ながらも、過去をみているようでもあります。
あと追い集団自殺なのか。
(つづく)
『やすらぎ胃腸クリニックの籠城事件(ろうじょうじけん)』犯人ひとり、人質三人が死亡。
躊躇う:ためらう。
『王様は裸だ、と叫んでいるおまえも裸じゃないか……』
野球は、ナイターじゃなかった。昼間の試合です。勘違いをしながら読んでいました。
この小説は、1回読んだだけでは、状況を把握できかねます。複数回の読みが必要です。伊坂ワールドという世界の体験です。
最終部分では、これまでのことは、過去のこととして語られます。
PTSD:心的外傷後ストレス障害。過去のショッキングな出来事が思い出されて、不安と緊張が高まる。
爆弾テロ、集団自殺。
だけど、死なない。
閃き:ひらめき。
わかりにくい読書メモになってしまいました。
もう一度最初からゆっくりページをめくってみます。
(その後)
翌日の出来事が見える。近未来が見える。
飛沫感染で、未来が見える。
美術館、洋風創作料理店『カフェ・ダイヤモンド』、後楽園球場。
永遠回帰:始まりも終わりもない。
ニヒリズム:虚無主義。真理も価値もない。
ペッパーズ・ゴースト:そこにはいない。別の場所にいる。
自殺する人がいて、復讐する人がいる。されど、死んではいないかもしれない。今もどこかで生きている可能性があるかも。
うーむ。ちょっとわたしにはむずかしい作品でした。
(追記 読書感想メモとは関係ありませんが)
ワールドカップサッカーカタール2022
日本代表 VS スペイン (日本時間本日午前4時試合開始)
日本勝利おめでとう!
かっこよかった。
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