2022年12月01日
セレンディピティ 思いがけない発見・発明のドラマ
セレンディピティ 思いがけない発見・発明のドラマ ロイストン・M・ロバーツ 安藤喬志・訳 DOJIN BUNKO
セレンディピティ:素敵な偶然に出会うこと。予想外のものを発見すること。なにかを探しているときに、さがしているものではないけれど、偶然、価値あるものを発見すること。ふとした偶然をきっかけとして、幸運をつかむこと。
知人から『セレンディピティ』という言葉を教えてもらいました。
ネットで検索したらこの本が見つかったので読み始めることにしました。
1993年(平成5年)発行の本を文庫化した本です。
もう30年ぐらいが経過しています。
著者は、アメリカ合衆国で『化学』を担当する大学教授です。
化学とか、ノーベル賞のことを思い浮かべます。
『偶然』の新発見があるのです。
予測しがたい展開があります。
例として、面ファスナー(マジックテープ。面と面をくっつける)、ペニシリン(抗生物質。抗菌剤)、X線(レントゲン)、テフロン(水をはじくコーティング剤(表面をおおう))、ダイナマイト、死海文書の発見(洞窟で紀元前の文書が発見された)。それらに共通するものが『セレンディピティ』とされています。
重要な発見は、単純な偶然ではないそうです。
偶然は必然とも読み取れます。
キーワードは『創造』だそうです。ちょっとその意味は読み始めた今はまだ理解できません。
チャールズ・グッドイヤーという人の話は、グッドイヤータイヤのことなのでしょう。(アメリカ合衆国のゴム・タイヤ製造会社)
アルキメデス:紀元前三世紀、アルキメデスが、入浴中に発見したこと。入浴してこぼれた水と自分の体の体積は同じ。純金の王冠が本当に純金かを調べるために、王冠を水に沈めて、同じ重さの本物の純金を水に沈めて、両者の水の体積を比較して、王冠が純金ではないことを証明した。純金ではない偽物の王冠を王に提供した業者は処罰された。王冠には混ぜ物がしてあったので、純金の体積よりも王冠の体積のほうが大きかった。偽物には銀が混じっていた。(わかりやすい)
アルキメデスの言葉として『ユリイカ(わかった)』
この本では、そのような偶然の発見を過去からさかのぼって紹介してくれるそうです。
目次を見ます。
全部で36章あります。
(つづく)
・コロンブスのアメリカ大陸発見までの経緯とその後。コロンブスは15歳から船乗りを始めています。1451年(日本は室町時代。八代征夷大将軍足利義政)-コロンブスは、1506年死去。探検家。
・マラリア(感染症。発熱、頭痛、関節痛など)に効くキニーネ(マラリアの特効薬。南米アンデス山脈に自生する植物に含まれている)の発見。現地のインディオが解毒剤として使用していた。
・アイザック・ニュートンによる『万有引力の発想』彼が20歳の頃、木からりんごの実が落ちるのを見て万有引力を発想した。なぜリンゴは、真下に落ちるのか。なぜりんごは、横や上には動かないのか。地球がりんごを引っぱっている。物質同士は引き合う。地球がりんごを引っぱるように、りんごは地球を引っぱっている。その力は、宇宙全体に広がっている。そこから、お互いの距離、大きさ、規則的な動き(公転)を検討し始めた。ニュートンは、イングランドの自然哲学者、数学者。1643年(日本は江戸時代。三代将軍徳川家光)ニュートンは、1727年84歳没。
・電流の存在をカエルの脚(あし)で証明した。1786年の気づき。イタリアの生理学者ルイジ・ガルバニ。
・天然痘のワクチンにまつわる発見。牛の乳しぼりをしている女性は天然痘にかからない。イギリス人エドワード・ジェンナーが19歳のときにそのことに気づいた。ジェンナーは、牛痘接種(ぎゅうとうせっしゅ)の道を切り開いた。ジェンナーは、1749年-1823年。73歳没。
以下、ずーっとセレンディピティ(偶然の発見)が列記されていきます。
自分なりに目についたものを選び出して記録しておきます。
『酸素』『ヨウ素』『ヘリウム』の発見。
『麻酔剤』の発見。
『尿素』『ビタミン12』
1800年代のヨーロッパの化学では優れた研究が続いていた。
『写真』『ゴム』
この本は、化学を学ぶ人向けです。
パストゥール:フランスの生化学者、細菌学者。
偶然と思われるような発見は、実は偶然ではなく、努力し続けていれば、必然的に巡ってくる出来事というような趣旨が書いてあります。
ノーベル賞のことが、多くのページをかけて書いてあります。
ノーベルは莫大な富を保有していたが、不幸な人生を送ったというようなことが書いてあります。人生は『お金』があっても不幸なのです。彼の人生には、病気、悲劇、孤独、うつ病があったそうです。
『セルロイド』『レーヨン』
話題はさらに考古学へと移ります。
『イタリアポンペイ遺跡(1709年農夫が井戸掘り中に見つけた)』『1974年(昭和49年)秦の始皇帝兵馬俑坑(へいばようこう)の発見(井戸掘り工事中に見つかった)』『ドイツのネアンデルタール人(1857年採石夫が発見した)』『メキシコアステカの円盤発見(1978年(昭和53年)電気会社の作業員が発見)』『アメリカ合衆国コロンビアマンモスの発見(1974年(昭和49年)ブルドーザーの運転手が発見』『フランス・ラスコーの壁画発見(1940年(昭和15年)4人の少年が発見)』ほかにもいろいろ書いてあります。
発見のお話はどんどん広がりをみせます。
天文学(ビッグバン(膨張宇宙論))、冥王星(めいおうせい)のことなど。
インスリン(血糖値を下げるホルモン)の発見(犬の動物実験で気づきがあった。1922年ころより治療に使用。大正11年)、ピル(経口避妊薬。メキシコに野生するヤマイモから始まった)。
レントゲン(1800年代後半にX線の存在に気づきがあった。謎の光線だからX線)、キュリー夫人は白血病で亡くなった。1934年。昭和9年66歳没。
鉱石から放射能をもつ物質を見つけた。ラジウムとポロニウム。放射線は病気の治療に使われる。
原子爆弾のこと。人工甘味料のこと。セレンディピティ(偶然と思われるような必然の発見)の範囲はとても広い。
飛び散らない安全ガラス、抗菌性物質(ペニシリン)。カエルの皮膚から抗菌物質が見つかります。自然界にいる生物、植物から薬剤をつくる。
『戦争のために』という目的で技術が磨かれている分野があります。
ナイロンは軍事用のパラシュートとして使われます。
ポリエチレン、テフロン。
ガソリン工業技術の紹介があります。
薬の紹介として、アスピリン、ペニシリン、向精神薬(1950年代以降、昭和25年以降)、不整脈治療剤、インターフェロン。
面ファスナー(植物の「ひっつきむし」がヒントになった)、
『エピローグ「おしまいに」』
幸運を待ち受ける心:旺盛な好奇心(幸運をなんとか理解しようとする)。めんどうくさいと思わない。(注目する)。誰も考えなかったことを考える。下地となる学問を十分に勉強しておく。
学びのある本でした。
セレンディピティ:素敵な偶然に出会うこと。予想外のものを発見すること。なにかを探しているときに、さがしているものではないけれど、偶然、価値あるものを発見すること。ふとした偶然をきっかけとして、幸運をつかむこと。
知人から『セレンディピティ』という言葉を教えてもらいました。
ネットで検索したらこの本が見つかったので読み始めることにしました。
1993年(平成5年)発行の本を文庫化した本です。
もう30年ぐらいが経過しています。
著者は、アメリカ合衆国で『化学』を担当する大学教授です。
化学とか、ノーベル賞のことを思い浮かべます。
『偶然』の新発見があるのです。
予測しがたい展開があります。
例として、面ファスナー(マジックテープ。面と面をくっつける)、ペニシリン(抗生物質。抗菌剤)、X線(レントゲン)、テフロン(水をはじくコーティング剤(表面をおおう))、ダイナマイト、死海文書の発見(洞窟で紀元前の文書が発見された)。それらに共通するものが『セレンディピティ』とされています。
重要な発見は、単純な偶然ではないそうです。
偶然は必然とも読み取れます。
キーワードは『創造』だそうです。ちょっとその意味は読み始めた今はまだ理解できません。
チャールズ・グッドイヤーという人の話は、グッドイヤータイヤのことなのでしょう。(アメリカ合衆国のゴム・タイヤ製造会社)
アルキメデス:紀元前三世紀、アルキメデスが、入浴中に発見したこと。入浴してこぼれた水と自分の体の体積は同じ。純金の王冠が本当に純金かを調べるために、王冠を水に沈めて、同じ重さの本物の純金を水に沈めて、両者の水の体積を比較して、王冠が純金ではないことを証明した。純金ではない偽物の王冠を王に提供した業者は処罰された。王冠には混ぜ物がしてあったので、純金の体積よりも王冠の体積のほうが大きかった。偽物には銀が混じっていた。(わかりやすい)
アルキメデスの言葉として『ユリイカ(わかった)』
この本では、そのような偶然の発見を過去からさかのぼって紹介してくれるそうです。
目次を見ます。
全部で36章あります。
(つづく)
・コロンブスのアメリカ大陸発見までの経緯とその後。コロンブスは15歳から船乗りを始めています。1451年(日本は室町時代。八代征夷大将軍足利義政)-コロンブスは、1506年死去。探検家。
・マラリア(感染症。発熱、頭痛、関節痛など)に効くキニーネ(マラリアの特効薬。南米アンデス山脈に自生する植物に含まれている)の発見。現地のインディオが解毒剤として使用していた。
・アイザック・ニュートンによる『万有引力の発想』彼が20歳の頃、木からりんごの実が落ちるのを見て万有引力を発想した。なぜリンゴは、真下に落ちるのか。なぜりんごは、横や上には動かないのか。地球がりんごを引っぱっている。物質同士は引き合う。地球がりんごを引っぱるように、りんごは地球を引っぱっている。その力は、宇宙全体に広がっている。そこから、お互いの距離、大きさ、規則的な動き(公転)を検討し始めた。ニュートンは、イングランドの自然哲学者、数学者。1643年(日本は江戸時代。三代将軍徳川家光)ニュートンは、1727年84歳没。
・電流の存在をカエルの脚(あし)で証明した。1786年の気づき。イタリアの生理学者ルイジ・ガルバニ。
・天然痘のワクチンにまつわる発見。牛の乳しぼりをしている女性は天然痘にかからない。イギリス人エドワード・ジェンナーが19歳のときにそのことに気づいた。ジェンナーは、牛痘接種(ぎゅうとうせっしゅ)の道を切り開いた。ジェンナーは、1749年-1823年。73歳没。
以下、ずーっとセレンディピティ(偶然の発見)が列記されていきます。
自分なりに目についたものを選び出して記録しておきます。
『酸素』『ヨウ素』『ヘリウム』の発見。
『麻酔剤』の発見。
『尿素』『ビタミン12』
1800年代のヨーロッパの化学では優れた研究が続いていた。
『写真』『ゴム』
この本は、化学を学ぶ人向けです。
パストゥール:フランスの生化学者、細菌学者。
偶然と思われるような発見は、実は偶然ではなく、努力し続けていれば、必然的に巡ってくる出来事というような趣旨が書いてあります。
ノーベル賞のことが、多くのページをかけて書いてあります。
ノーベルは莫大な富を保有していたが、不幸な人生を送ったというようなことが書いてあります。人生は『お金』があっても不幸なのです。彼の人生には、病気、悲劇、孤独、うつ病があったそうです。
『セルロイド』『レーヨン』
話題はさらに考古学へと移ります。
『イタリアポンペイ遺跡(1709年農夫が井戸掘り中に見つけた)』『1974年(昭和49年)秦の始皇帝兵馬俑坑(へいばようこう)の発見(井戸掘り工事中に見つかった)』『ドイツのネアンデルタール人(1857年採石夫が発見した)』『メキシコアステカの円盤発見(1978年(昭和53年)電気会社の作業員が発見)』『アメリカ合衆国コロンビアマンモスの発見(1974年(昭和49年)ブルドーザーの運転手が発見』『フランス・ラスコーの壁画発見(1940年(昭和15年)4人の少年が発見)』ほかにもいろいろ書いてあります。
発見のお話はどんどん広がりをみせます。
天文学(ビッグバン(膨張宇宙論))、冥王星(めいおうせい)のことなど。
インスリン(血糖値を下げるホルモン)の発見(犬の動物実験で気づきがあった。1922年ころより治療に使用。大正11年)、ピル(経口避妊薬。メキシコに野生するヤマイモから始まった)。
レントゲン(1800年代後半にX線の存在に気づきがあった。謎の光線だからX線)、キュリー夫人は白血病で亡くなった。1934年。昭和9年66歳没。
鉱石から放射能をもつ物質を見つけた。ラジウムとポロニウム。放射線は病気の治療に使われる。
原子爆弾のこと。人工甘味料のこと。セレンディピティ(偶然と思われるような必然の発見)の範囲はとても広い。
飛び散らない安全ガラス、抗菌性物質(ペニシリン)。カエルの皮膚から抗菌物質が見つかります。自然界にいる生物、植物から薬剤をつくる。
『戦争のために』という目的で技術が磨かれている分野があります。
ナイロンは軍事用のパラシュートとして使われます。
ポリエチレン、テフロン。
ガソリン工業技術の紹介があります。
薬の紹介として、アスピリン、ペニシリン、向精神薬(1950年代以降、昭和25年以降)、不整脈治療剤、インターフェロン。
面ファスナー(植物の「ひっつきむし」がヒントになった)、
『エピローグ「おしまいに」』
幸運を待ち受ける心:旺盛な好奇心(幸運をなんとか理解しようとする)。めんどうくさいと思わない。(注目する)。誰も考えなかったことを考える。下地となる学問を十分に勉強しておく。
学びのある本でした。
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