2022年11月18日

おにたのぼうし 文・あまんきみこ 絵・いわさきちひろ

おにたのぼうし 文・あまんきみこ 絵・いわさきちひろ ポプラ社

 1969年第1刷の絵本です。(昭和44年)
 あまんきみこさんはご存命で91歳を迎えられています。
 いわさきちひろさんは、1974年(昭和49年)に肝臓がんのため55歳でご逝去されています。亡くなっても作品は次世代に受け継がれていきます。
 作品には、あまんきみこさんの実体験がベース(下地とか基礎)にあるのだろうと読み終えて思いました。

 『せつぶんの よるの ことです。』から始まります。
 自分の親族に節分生まれの人間がいるので身近に感じます。
 みんなで彼に『鬼の日生まれ』と冷やかしています。
 覚えやすい誕生日でもあります。

 さて、絵本の中では『まこと』という登場します。
 豆まきです。
 そして、本物のくろおに(黒鬼)が物置小屋の天井に住んでいるのです。
 でもおにの体は小さい。名前は『おにた』です。

 おにたにも言い分があります。
 『おににもいろいろある(悪いことをするおにばかりじゃない)』
 おにたが、自分のつのをかくすためにむぎわらぼうしをかぶりました。(なるほど。ぼうしをかぶれば人間の少年に見えます)

 絵本では、外は、真っ白な雪景色です。(先日テレビで見た『東海道人情ふれあい珍道中 ローカル路線バス乗り継ぎの旅 太川&えびす第二弾 2008年(平成20年)3月22日放送分の再放送 東京日本橋-京都三条大橋 BSテレ東』を思い出しました。最後のほうの滋賀県彦根市内は大雪でした。

 ひいらぎの葉:ふちっこがとんがっている。ふれると痛い。魔除け(まよけ)、鬼の侵入を防ぐという言い伝えあり。

 このあと、こおに(小鬼)は、貧しい母子家庭の女の子を助けるというお話です。

 あかごはん:赤飯。もち米に小豆(あずき)を入れる。
 うぐいすまめ:エンドウ豆の砂糖煮。

 昭和時代の温かみが感じられる作品です。
 
 教訓として『神さまは外にはいない。神さまは自分の胸の内(むねのうち、心の中)にいる』
 宗教的な含みもある絵本です。

 ネットで、ほかの人の感想を読みました。
 そうか…… くろおに(黒鬼)は、じぶんを追い出させるためにおんなのこに豆をあげたのか。
 泣けるお話です。

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