2022年09月26日
7月4日に生まれて アメリカ合衆国映画 1990年
7月4日に生まれて アメリカ合衆国映画 1990年(平成2年) 動画配信サービス
先日読んだ本『三十の反撃 ソン・ウォンピョン 訳:矢島暁子(やじま・あきこ) 祥伝社』で、チラリと記事があった洋画です。
観てみました。
自分がこどものころ、リアルにベトナム戦争が起きていました。
北ベトナムと南ベトナム、社会主義と資本主義の戦いです。
アメリカ合衆国は1973年(昭和48年)にベトナムから撤退しました。社会主義の北ベトナムが勝ちました。1964年(昭和39年)-1975年(昭和50年)の戦争でした。
1960年代後半(昭和42年以降)アメリカ合衆国で反戦運動が盛り上がる。
おおぜいの人たちが亡くなりました。
自分はたぶん中学生のころ、おそらく新聞で見たのだと思いますが、ベトナム戦争の空爆で逃げまどう人たちのなかに、全裸の小学生ぐらいの女の子が両手をあげて逃げている写真があって、強いショックを受けました。
では、こちらの映画の感想を時系列に沿って、ぽつりぽつりと書き始めます。
主人公の少年時代があります。平和なこども時代です。
こどもたちがおおぜいで、戦争ごっこをしています。
こどもたちは、のびのびとしています。健やかです(すこやかです)。
アメリカ合衆国が自信に満ちていた時代です。
『ごっこ』と『本番の戦争』とは、まったく違います。
主人公は海兵隊員としてベトナム戦争に従事して、戦闘中の攻撃で両足を失います。
主人公は、車いすの障害者となり、国から手当てをもらい生活していきます。
その後、おもに性がからんだシーンが多く映し出されます。
同じく車いすの男性たちと、おそらく障害者対象の娼館(しょうかん)でのシーンが多用されます。医療行為のようでもあります。
主人公は悩みます。とても悩みます。
母親の信仰が主人公にとってとても負担です。なにかしら最近話題になっているなんとか教会が思い出されます。
映画です。観ている自分は、たいてい、つくり手側の立場で観ることが多いです。
30年ぐらい前の映画です。撮影シーンに手づくり感があります。
勝つか負けるかのアメリカ映画です。負けたら終わりです。
映像では、レスリングの試合があります。
ベトナムにおける現実の戦場は悲惨です。死体がいっぱいです。
主人公は、仲間である若者米国軍人男性を誤射して、死亡させてしまいました。
自分の心の中にある『恐怖心』が、見えない敵をつくりだし、仲間を射撃してしまいました。敵なんて最初からひとりもいなかったのです。これが、戦争です。
戦争の異常さ、むなしさがあります。
ちょっと、鑑賞者の心理誘導操作に無理があって、きついかなという映像運びです。
軍部の上司は、主人公の不祥事を認めません。自分にも責任が及ぶからです。
上司は、主人公が同僚を誤射、射殺したという事実をねじまげて、ウソ(つくり話)を主人公の脳みそにすりこみます。脳内に、自分は加害者ではないという状態をつくります。洗脳です。
主人公は、心が壊れそうです。
この映画のタイトル7月4日は、主人公の誕生日で、アメリカ合衆国の独立記念日です。
屋外ロケシーンが続きます。
砂漠のような枯れた原野にわらぶき屋根のような民家が、ぽつんぽつんと建っています。
銃撃の音が連射で続きます。
次々と兵隊たちの頭が銃弾で打ち抜かれていきます。
米軍のヘリコプターは、敵の銃弾を受けて、ゆっくり落ちて、爆発で炎に包まれ火の玉になります。
野戦病院のシーンになり、テレビで白黒映像のニュースが流れます。
当時のアメリカ社会が背景になっている映画です。
主人公は、車いすの生活となり、性器がだめになったので、こどもはもてない。二度と歩けない体だと医師に宣告されます。(医師がそんなことをいうだろうかと疑問をもちました)
洋画『フォレスト・ガンプ』の上官(中尉)を思い出しました。いい映画でした。
病人や車いすの障害者の人たちが、かなりの剣幕で、大声をあげて、怒り狂うのですが、本来、病人は元気がありません。体力がありません。精神力もか細い。
不思議でした。映像は、健常者の病人になっています。
役者は一生懸命演じてくれているのですが、噓(うそ)くさい。
主人公の父親の演技がいい。
親は、障害者になったとしても、こどもが生きていてくれればいいのです。
主人公は、周囲の人たちにとって、やっかいな人物になっていきます。
主人公は、ベトナム戦争に行って、命をかけてがんばったのに、主人公を讃える式典で、反戦論者たちから冷たい視線を浴びせられます。
どういうわけか、戦死して、命を落とした者が讃えられて(たたえられて)、障害者になったとはいえ、生きて帰国した者は、そこに(ふるさとの地に)居づらい雰囲気があります。
戦地でのベトナム人あかちゃんの泣き声がトラウマで伏線となります。(地元民に対する大量殺害をしたときのことが記憶によみがえり、脳内にショックが走り、気が変になる)
戦地で、命がけで戦ってきた者の気持ちがふみにじられるような反戦活動家たちの言動です。
戦地で苦しい体験をしたことがない人間たちが、立派そうな主張を繰り返していることに違和感をもつ戦地体験者の主人公です。
ベトナム戦争は特殊だった。
米国が当事者ではない国の戦争だった。
なかなかむずかしい政治的メッセージを含んだ映画です。
苦悩があります。
苦しいことがあると、アルコールに逃げる人が多い。
主人公は叫びます。
自分は戦争で頭がおかしくなった。
戦地に行く前に聞いた話はみんなウソだった。自分はだまされて、車いすのこんな体になった。自分はひどい目にあった。自分は何人も人を殺した。間違えて、仲間も殺した。
人は、人を殺すと、心が壊れる。
どうしたらいいのか、解決策が見えてきません。
神なんていない……
一生車いすの生活はイヤだ。
主人公は、男性器の名称を連呼し続けます。
まだ、そんなに使っていなかったのに。
不幸があります。
こんなことになるんだったら、戦地で戦死したほうがよかった。
主人公は、アメリカ合衆国を出て、メキシコへひとりで渡りました。
まともな男になりたい。
だれが、こんなオレを愛してくれるんだ。
見ていて、アメリカ合衆国とメキシコで、どうしてこんなに、映像の絵面(えづら)が異なるのだろうという感想をもちました。
娼婦に恋をしても恋愛はかないません。お金がからんだラブだからです。
障害者同士のけんかがあります。
たまたまそこに通りかかったトラックを運転していたおじさんが救いです。
えらい古いボロのトラックです。
のっけてくれよ。
ええよ。のりな。
主人公は、自分が戦地で誤射して死亡させた若者のご両親と若者の妻に謝りに行きました。
だけど、許してはもらえません。
ウクライナの人の言葉を思い出しました。『ぜったいに忘れない』『ぜったいに許さない』
反戦映画です。
戦争ではたいてい、侵略したほうが悪いとされる。
なにかしら、答えのない問題にぶつかって、混乱しているように見えました。
かつての香港のデモのようでもある。
つくりこんである脚本と映像でした。
アメリカ人へのメッセージがあります。
外国の地で米軍が他国のために戦うことは減るという印象をもちました。
米国人の意識です。米国はもう『世界の警察』ではないのです。
日本人は、自分たちの国は、自分たちで守るという体制をつくったほうがいいと思いました。
先日読んだ本『三十の反撃 ソン・ウォンピョン 訳:矢島暁子(やじま・あきこ) 祥伝社』で、チラリと記事があった洋画です。
観てみました。
自分がこどものころ、リアルにベトナム戦争が起きていました。
北ベトナムと南ベトナム、社会主義と資本主義の戦いです。
アメリカ合衆国は1973年(昭和48年)にベトナムから撤退しました。社会主義の北ベトナムが勝ちました。1964年(昭和39年)-1975年(昭和50年)の戦争でした。
1960年代後半(昭和42年以降)アメリカ合衆国で反戦運動が盛り上がる。
おおぜいの人たちが亡くなりました。
自分はたぶん中学生のころ、おそらく新聞で見たのだと思いますが、ベトナム戦争の空爆で逃げまどう人たちのなかに、全裸の小学生ぐらいの女の子が両手をあげて逃げている写真があって、強いショックを受けました。
では、こちらの映画の感想を時系列に沿って、ぽつりぽつりと書き始めます。
主人公の少年時代があります。平和なこども時代です。
こどもたちがおおぜいで、戦争ごっこをしています。
こどもたちは、のびのびとしています。健やかです(すこやかです)。
アメリカ合衆国が自信に満ちていた時代です。
『ごっこ』と『本番の戦争』とは、まったく違います。
主人公は海兵隊員としてベトナム戦争に従事して、戦闘中の攻撃で両足を失います。
主人公は、車いすの障害者となり、国から手当てをもらい生活していきます。
その後、おもに性がからんだシーンが多く映し出されます。
同じく車いすの男性たちと、おそらく障害者対象の娼館(しょうかん)でのシーンが多用されます。医療行為のようでもあります。
主人公は悩みます。とても悩みます。
母親の信仰が主人公にとってとても負担です。なにかしら最近話題になっているなんとか教会が思い出されます。
映画です。観ている自分は、たいてい、つくり手側の立場で観ることが多いです。
30年ぐらい前の映画です。撮影シーンに手づくり感があります。
勝つか負けるかのアメリカ映画です。負けたら終わりです。
映像では、レスリングの試合があります。
ベトナムにおける現実の戦場は悲惨です。死体がいっぱいです。
主人公は、仲間である若者米国軍人男性を誤射して、死亡させてしまいました。
自分の心の中にある『恐怖心』が、見えない敵をつくりだし、仲間を射撃してしまいました。敵なんて最初からひとりもいなかったのです。これが、戦争です。
戦争の異常さ、むなしさがあります。
ちょっと、鑑賞者の心理誘導操作に無理があって、きついかなという映像運びです。
軍部の上司は、主人公の不祥事を認めません。自分にも責任が及ぶからです。
上司は、主人公が同僚を誤射、射殺したという事実をねじまげて、ウソ(つくり話)を主人公の脳みそにすりこみます。脳内に、自分は加害者ではないという状態をつくります。洗脳です。
主人公は、心が壊れそうです。
この映画のタイトル7月4日は、主人公の誕生日で、アメリカ合衆国の独立記念日です。
屋外ロケシーンが続きます。
砂漠のような枯れた原野にわらぶき屋根のような民家が、ぽつんぽつんと建っています。
銃撃の音が連射で続きます。
次々と兵隊たちの頭が銃弾で打ち抜かれていきます。
米軍のヘリコプターは、敵の銃弾を受けて、ゆっくり落ちて、爆発で炎に包まれ火の玉になります。
野戦病院のシーンになり、テレビで白黒映像のニュースが流れます。
当時のアメリカ社会が背景になっている映画です。
主人公は、車いすの生活となり、性器がだめになったので、こどもはもてない。二度と歩けない体だと医師に宣告されます。(医師がそんなことをいうだろうかと疑問をもちました)
洋画『フォレスト・ガンプ』の上官(中尉)を思い出しました。いい映画でした。
病人や車いすの障害者の人たちが、かなりの剣幕で、大声をあげて、怒り狂うのですが、本来、病人は元気がありません。体力がありません。精神力もか細い。
不思議でした。映像は、健常者の病人になっています。
役者は一生懸命演じてくれているのですが、噓(うそ)くさい。
主人公の父親の演技がいい。
親は、障害者になったとしても、こどもが生きていてくれればいいのです。
主人公は、周囲の人たちにとって、やっかいな人物になっていきます。
主人公は、ベトナム戦争に行って、命をかけてがんばったのに、主人公を讃える式典で、反戦論者たちから冷たい視線を浴びせられます。
どういうわけか、戦死して、命を落とした者が讃えられて(たたえられて)、障害者になったとはいえ、生きて帰国した者は、そこに(ふるさとの地に)居づらい雰囲気があります。
戦地でのベトナム人あかちゃんの泣き声がトラウマで伏線となります。(地元民に対する大量殺害をしたときのことが記憶によみがえり、脳内にショックが走り、気が変になる)
戦地で、命がけで戦ってきた者の気持ちがふみにじられるような反戦活動家たちの言動です。
戦地で苦しい体験をしたことがない人間たちが、立派そうな主張を繰り返していることに違和感をもつ戦地体験者の主人公です。
ベトナム戦争は特殊だった。
米国が当事者ではない国の戦争だった。
なかなかむずかしい政治的メッセージを含んだ映画です。
苦悩があります。
苦しいことがあると、アルコールに逃げる人が多い。
主人公は叫びます。
自分は戦争で頭がおかしくなった。
戦地に行く前に聞いた話はみんなウソだった。自分はだまされて、車いすのこんな体になった。自分はひどい目にあった。自分は何人も人を殺した。間違えて、仲間も殺した。
人は、人を殺すと、心が壊れる。
どうしたらいいのか、解決策が見えてきません。
神なんていない……
一生車いすの生活はイヤだ。
主人公は、男性器の名称を連呼し続けます。
まだ、そんなに使っていなかったのに。
不幸があります。
こんなことになるんだったら、戦地で戦死したほうがよかった。
主人公は、アメリカ合衆国を出て、メキシコへひとりで渡りました。
まともな男になりたい。
だれが、こんなオレを愛してくれるんだ。
見ていて、アメリカ合衆国とメキシコで、どうしてこんなに、映像の絵面(えづら)が異なるのだろうという感想をもちました。
娼婦に恋をしても恋愛はかないません。お金がからんだラブだからです。
障害者同士のけんかがあります。
たまたまそこに通りかかったトラックを運転していたおじさんが救いです。
えらい古いボロのトラックです。
のっけてくれよ。
ええよ。のりな。
主人公は、自分が戦地で誤射して死亡させた若者のご両親と若者の妻に謝りに行きました。
だけど、許してはもらえません。
ウクライナの人の言葉を思い出しました。『ぜったいに忘れない』『ぜったいに許さない』
反戦映画です。
戦争ではたいてい、侵略したほうが悪いとされる。
なにかしら、答えのない問題にぶつかって、混乱しているように見えました。
かつての香港のデモのようでもある。
つくりこんである脚本と映像でした。
アメリカ人へのメッセージがあります。
外国の地で米軍が他国のために戦うことは減るという印象をもちました。
米国人の意識です。米国はもう『世界の警察』ではないのです。
日本人は、自分たちの国は、自分たちで守るという体制をつくったほうがいいと思いました。
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