2022年08月07日
老後の資金が足りません! 邦画
老後の資金が足りません! 邦画 2021年 1時間54分 動画配信サービス
なかなかいい映画でした。コメディです。おおげさですが、笑えます。
今年観て良かった一本です。
原作者の作品は何本か読んだことがあります。
時事ネタを素材にして、購入の興味をもたせるうまいタイトル名をつける手法が効果的です。
わたしが読んだ本です。『老後の資金がありません 垣谷美雨(かきや・みう) 中公文庫』『四十歳未婚出産 垣谷美雨(かきや・みう) 幻冬舎』『定年オヤジ改造計画 垣谷美雨(かきや・みう) 祥伝社』
この映画を観る前の率直な気分です。
老後のお金のことについていろいろと報道があるのですが、人それぞれだと思うのです。
60代に達すると、いろいろな面で、それまでの人生の総決算みたいになります。たいていは、ひとくぎりの節目(ふしめ)を迎えます。
そのときにお金がある人は、一般的には、長い人生において、無職だった期間があまりない人です。働けばお金が入ってきます。使わなければお金は残ります。
人は、お金があってもなくても、老後は、貯えと年金で暮らせる範囲内で暮らしていきます。
格差社会です。お金がある人とない人の差は極端です。高級百貨店のレジ精算待ちやおいしいお店の入口には順番待ちの名前を書き入れる紙があって、長時間待ってでもいい、高価でもかまわないという人たちの長い行列が続いています。
お金がすべてだとは思いたくありません。(映画の中でもそういった表現があります)
お金がないことを指摘されるのは、いい気分ではありません。
お金がないことで、同情されたくないのです。
政党や政治家が主張するのは、一票がほしいからだろうと推測するのです。密かな(ひそかな)たくらみごと、下心(したごころ)があるからだろうと邪推するのです。(じゃすい。他人の考えていることについて、悪意を感じる気持ちで推察すること)
(映画を観た翌日にふと思いついたことです。この映画は、老後にお金がないということではなく、単純にお金がないということだったのではなかろうか)
さて、映画が始まります。
後藤篤子(ごとう・あつこ。このストーリーの主人公主婦。演者:天海祐希(あまみ・ゆうき))
後藤章(ごとう・あきら。後藤篤子さんの夫。頼りないけれど心は優しい。勤めていた会社が倒産して交通警備員をやります。50代なかば。演者:松重豊)
後藤まゆみ(後藤家の長女。フリーターという名の無職者に見えます。おばかキャラです。チャラいミュージシャンの男と結婚式を挙げると言い出します。できちゃった結婚です。後藤夫妻は孫をさずかるのです)
後藤優人(ごとう・ゆうと。後藤家の長男で大学生。この子だけが普通に見えます。されど、お金がなければ大学を辞めて働かねばならないと思って見ていたのですが、無事卒業して就職もできました。めでたし。演者:瀬戸利樹)
天海祐希さんと草笛光子さん(後藤章の母)、柴田理恵さん(天海祐希さんのヨガ教室での友人)三人のからみがおもしろい。笑えます。
笑いと感動を生むための伏線がいくつかあります。
①天海祐希さんが所有するバッグの角(かど)の色がはがれかかっている。古くなっているけれど、買い替えるお金がない。
②ストレス解消のためのボーリング。
③主人公主婦から見て義母の心臓の薬「ニトログリセリン」
④経済評論家荻原博子さん。(おぎわら・ひろこさん)
身につまされる話から始まります。
義父のお葬式です。お葬式代金の支払いの負担のことで、きょうだい間でもめます。
昨年、わたしも葬儀をやるほうの立場で何度か体験しました。映画の中の高い葬儀費用負担はおおげさに感じましたが、老舗(しにせ。古くから安定して継続している伝統あるお店)のお菓子屋さんの盛大なお葬式なので、そのようにやるとやはり、葬儀費用が何百万もかかるのでしょう。
最近はコロナ禍で、家族葬しか選択の道がありませんが、費用負担の面では助かります。
お葬式についてはやはり、事前に葬儀社とパイプをつくっておいたほうがいいと思います。いざというときにあわてなくてすみます。
次に来るのが娘の結婚式費用です。
お金もないのに、豪華な挙式を夢見て、親にお金を求めてくる娘です。(映画を見ていると、みんな寄生虫みたいな人ばかりです)
こちらもまた、昨今は、コロナ禍で、以前のような結婚式を挙げられません。コロナで結婚式があげられなかったカップルがここ数年何組いたことでしょう。もういまさらやるような雰囲気も消えているカップルもいることでしょう。されど、費用負担の面では正直いって助かります。
住宅ローンの荷が重い。
サラリーマンは、古代の奴隷(どれい)と同じです。安い給料と退職金、生活保障のための保険制度等のために、長い人生の時間帯を縛られます(しばられます)。
ストレス解消として、ボーリングがあります。
切実です。トイレ修理、風呂給湯器の交換、義母の世話をするための仕送り月9万円。お金がどんどん出ていきます。
つらい状況が展開されますが、ここまでの最悪の状況は、お話としてはつくりやすい。
さて、これからどう克服していくのか。
どうせ死ぬんだから(お金がなくても)ぜいたくしちゃいましょうよ。
上手なオレオレ詐欺が完成しました。偽刑事じゃなかろうかと指摘されたスリムクラブのふたりがおもしろかった。(刑事には見えません)
歳をとるのも大変です。
親戚を頼りますが、どこもかしこもお金がありません。
寄生虫のような人たちばかりです。
職安職員の言葉がきつかった。『おとうさん(現実が)見えていないですね』『ひとつの会社しか知らない(人材として資質が低いというご指摘)』56歳の職なし男には、肉体労働しかない。
65歳で定年離婚もつらい。
シェアハウスでの生活は、現実にはありえない『夢』です。
親の年金目当てで、親の失踪を隠す。(死体を隠す人もいます)
映像ですので喜劇です。
おもしろかったセリフ『さすがお役所! 時間ぴったり(三谷幸喜(脚本家・演出家のみたに・こうき)さんが区役所職員です)』
毒蝮三太夫さん(どくまむし・さんだゆうさん)を久しぶりに見ました。お元気です。自分がこどものころ、「笑点」の大喜利(おおぎり)で座布団運びをしておられました。1967年(昭和42年)ころのことです。「ウルトラマン」にも出ておられました。
観ていて、ああ映画だなあと満足できます。
小さなピース(断片)を組み合わせるようなつくりの映画です。
ジグソーパズルが、最後にきれいにできあがります。
「生前葬」がほんとうのお葬式になるのかと予想しましたが違っていました。
人生を謳歌(おうか。みんなでおおいに楽しみ喜ぶこと)します。
年配の人向けの映画でした。
老後、親族の世話になるか、施設に入るか。
以前見たテレビのドキュメンタリーで、老齢の女性が最終決断をされたシーンを思い出しました。(現実にあったことです)『最期(さいご。死に際(ぎわ))は、身内に迷惑をかけることにしました』(娘さん夫婦に誘われて、娘さん夫婦と暮らすことにされました)
草笛光子さんのセリフです。『(息子の嫁)あつこさん、人間わがままに生きたほうが勝ちよ』
長生きをした人が人生の勝利者だと、ひそかに思っている人もいます。(自分をひどい目にあわせた人たちを先に見送って、どうだ、自分の勝ちだと勝利の喜びにひたるのです)
案外、お金持ちの経営者は孤独です。競争社会ですから心を許せる友だちはいません。下手に(へたに)情報を話すと悪用されかねません。
最初のシーンで亡くなった主人公主婦の義父の死に際(ぎわ)の言葉です。
『ぼたもち3つは食えない』(ぼたもちは2つまでは、うまい。人生は、ほどほどがちょうどいい)
シェアハウスのシーンを観ながら思ったことです。人間が生きていくために必要なもの。空気、水、食べ物、そして、コミュニケーション(人と人とのつながり)。『お金』はそのあとに続きます。
なかなかいい配役で、楽しむことができました。
なかなかいい映画でした。コメディです。おおげさですが、笑えます。
今年観て良かった一本です。
原作者の作品は何本か読んだことがあります。
時事ネタを素材にして、購入の興味をもたせるうまいタイトル名をつける手法が効果的です。
わたしが読んだ本です。『老後の資金がありません 垣谷美雨(かきや・みう) 中公文庫』『四十歳未婚出産 垣谷美雨(かきや・みう) 幻冬舎』『定年オヤジ改造計画 垣谷美雨(かきや・みう) 祥伝社』
この映画を観る前の率直な気分です。
老後のお金のことについていろいろと報道があるのですが、人それぞれだと思うのです。
60代に達すると、いろいろな面で、それまでの人生の総決算みたいになります。たいていは、ひとくぎりの節目(ふしめ)を迎えます。
そのときにお金がある人は、一般的には、長い人生において、無職だった期間があまりない人です。働けばお金が入ってきます。使わなければお金は残ります。
人は、お金があってもなくても、老後は、貯えと年金で暮らせる範囲内で暮らしていきます。
格差社会です。お金がある人とない人の差は極端です。高級百貨店のレジ精算待ちやおいしいお店の入口には順番待ちの名前を書き入れる紙があって、長時間待ってでもいい、高価でもかまわないという人たちの長い行列が続いています。
お金がすべてだとは思いたくありません。(映画の中でもそういった表現があります)
お金がないことを指摘されるのは、いい気分ではありません。
お金がないことで、同情されたくないのです。
政党や政治家が主張するのは、一票がほしいからだろうと推測するのです。密かな(ひそかな)たくらみごと、下心(したごころ)があるからだろうと邪推するのです。(じゃすい。他人の考えていることについて、悪意を感じる気持ちで推察すること)
(映画を観た翌日にふと思いついたことです。この映画は、老後にお金がないということではなく、単純にお金がないということだったのではなかろうか)
さて、映画が始まります。
後藤篤子(ごとう・あつこ。このストーリーの主人公主婦。演者:天海祐希(あまみ・ゆうき))
後藤章(ごとう・あきら。後藤篤子さんの夫。頼りないけれど心は優しい。勤めていた会社が倒産して交通警備員をやります。50代なかば。演者:松重豊)
後藤まゆみ(後藤家の長女。フリーターという名の無職者に見えます。おばかキャラです。チャラいミュージシャンの男と結婚式を挙げると言い出します。できちゃった結婚です。後藤夫妻は孫をさずかるのです)
後藤優人(ごとう・ゆうと。後藤家の長男で大学生。この子だけが普通に見えます。されど、お金がなければ大学を辞めて働かねばならないと思って見ていたのですが、無事卒業して就職もできました。めでたし。演者:瀬戸利樹)
天海祐希さんと草笛光子さん(後藤章の母)、柴田理恵さん(天海祐希さんのヨガ教室での友人)三人のからみがおもしろい。笑えます。
笑いと感動を生むための伏線がいくつかあります。
①天海祐希さんが所有するバッグの角(かど)の色がはがれかかっている。古くなっているけれど、買い替えるお金がない。
②ストレス解消のためのボーリング。
③主人公主婦から見て義母の心臓の薬「ニトログリセリン」
④経済評論家荻原博子さん。(おぎわら・ひろこさん)
身につまされる話から始まります。
義父のお葬式です。お葬式代金の支払いの負担のことで、きょうだい間でもめます。
昨年、わたしも葬儀をやるほうの立場で何度か体験しました。映画の中の高い葬儀費用負担はおおげさに感じましたが、老舗(しにせ。古くから安定して継続している伝統あるお店)のお菓子屋さんの盛大なお葬式なので、そのようにやるとやはり、葬儀費用が何百万もかかるのでしょう。
最近はコロナ禍で、家族葬しか選択の道がありませんが、費用負担の面では助かります。
お葬式についてはやはり、事前に葬儀社とパイプをつくっておいたほうがいいと思います。いざというときにあわてなくてすみます。
次に来るのが娘の結婚式費用です。
お金もないのに、豪華な挙式を夢見て、親にお金を求めてくる娘です。(映画を見ていると、みんな寄生虫みたいな人ばかりです)
こちらもまた、昨今は、コロナ禍で、以前のような結婚式を挙げられません。コロナで結婚式があげられなかったカップルがここ数年何組いたことでしょう。もういまさらやるような雰囲気も消えているカップルもいることでしょう。されど、費用負担の面では正直いって助かります。
住宅ローンの荷が重い。
サラリーマンは、古代の奴隷(どれい)と同じです。安い給料と退職金、生活保障のための保険制度等のために、長い人生の時間帯を縛られます(しばられます)。
ストレス解消として、ボーリングがあります。
切実です。トイレ修理、風呂給湯器の交換、義母の世話をするための仕送り月9万円。お金がどんどん出ていきます。
つらい状況が展開されますが、ここまでの最悪の状況は、お話としてはつくりやすい。
さて、これからどう克服していくのか。
どうせ死ぬんだから(お金がなくても)ぜいたくしちゃいましょうよ。
上手なオレオレ詐欺が完成しました。偽刑事じゃなかろうかと指摘されたスリムクラブのふたりがおもしろかった。(刑事には見えません)
歳をとるのも大変です。
親戚を頼りますが、どこもかしこもお金がありません。
寄生虫のような人たちばかりです。
職安職員の言葉がきつかった。『おとうさん(現実が)見えていないですね』『ひとつの会社しか知らない(人材として資質が低いというご指摘)』56歳の職なし男には、肉体労働しかない。
65歳で定年離婚もつらい。
シェアハウスでの生活は、現実にはありえない『夢』です。
親の年金目当てで、親の失踪を隠す。(死体を隠す人もいます)
映像ですので喜劇です。
おもしろかったセリフ『さすがお役所! 時間ぴったり(三谷幸喜(脚本家・演出家のみたに・こうき)さんが区役所職員です)』
毒蝮三太夫さん(どくまむし・さんだゆうさん)を久しぶりに見ました。お元気です。自分がこどものころ、「笑点」の大喜利(おおぎり)で座布団運びをしておられました。1967年(昭和42年)ころのことです。「ウルトラマン」にも出ておられました。
観ていて、ああ映画だなあと満足できます。
小さなピース(断片)を組み合わせるようなつくりの映画です。
ジグソーパズルが、最後にきれいにできあがります。
「生前葬」がほんとうのお葬式になるのかと予想しましたが違っていました。
人生を謳歌(おうか。みんなでおおいに楽しみ喜ぶこと)します。
年配の人向けの映画でした。
老後、親族の世話になるか、施設に入るか。
以前見たテレビのドキュメンタリーで、老齢の女性が最終決断をされたシーンを思い出しました。(現実にあったことです)『最期(さいご。死に際(ぎわ))は、身内に迷惑をかけることにしました』(娘さん夫婦に誘われて、娘さん夫婦と暮らすことにされました)
草笛光子さんのセリフです。『(息子の嫁)あつこさん、人間わがままに生きたほうが勝ちよ』
長生きをした人が人生の勝利者だと、ひそかに思っている人もいます。(自分をひどい目にあわせた人たちを先に見送って、どうだ、自分の勝ちだと勝利の喜びにひたるのです)
案外、お金持ちの経営者は孤独です。競争社会ですから心を許せる友だちはいません。下手に(へたに)情報を話すと悪用されかねません。
最初のシーンで亡くなった主人公主婦の義父の死に際(ぎわ)の言葉です。
『ぼたもち3つは食えない』(ぼたもちは2つまでは、うまい。人生は、ほどほどがちょうどいい)
シェアハウスのシーンを観ながら思ったことです。人間が生きていくために必要なもの。空気、水、食べ物、そして、コミュニケーション(人と人とのつながり)。『お金』はそのあとに続きます。
なかなかいい配役で、楽しむことができました。
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