2022年05月24日
ハッピー ☆ アイスクリーム 加藤千恵
ハッピー ☆ アイスクリーム 加藤千恵 集英社文庫
リミックスバージョン:既存の作品を編集して新たな作品をつくりだす。
ショートショートのような短い作品に、短歌が織り交ぜてあります。
2000年ごろ、作者が17歳、女子高校生ころの作品です。
時が過ぎるのは早い。
内容は恋愛ものです。
『また雨がふる』
このタイトル部分を、雨が降る電車の中で読みました。
名古屋市内にある千種(ちくさ)という駅から長野駅に向かう特急しなの号の車内でした。長野市にある善光寺参りが夫婦旅の目的でした。乗り換えなしで長野駅まで3時間ぐらいです。
小説の雨の話と車窓の外の雨の光景がマッチしてなかなかいい雰囲気で本を読めました。
三角関係の状態で、女子高生の好きな相手が、自分の友だちの彼氏です。よくある設定です。まあ、まだ高校生の世界しか体験がない17歳ころの恋愛というのは、自然消滅していくことが多いので、失恋しても気にすることないのに、若いから、いろいろ気にします。
なんだか、悲しくなる話の流れでした。
『十八歳で夏』
16歳とか17歳というのは、長い人生の入口にもたどりついていないような年齢です。
受動的な若者が多い。
だれかになにかしてほしい。あるいは、いつでもどこでもだれかが自分のめんどうをみてくれるにちがいないという立場に、自分の身を置こうとする。
予備校でのお話です。大学進学へのこだわりがあります。
大学に行かないと幸せの約束がなされないのかという疑問が主人公にもあります。
現実の実態をみていると、大学を出ても働いていない人はいるし、年配の人だと義務教育だけでもちゃんと生活してきた人もいるし、高卒でも金銭的に豊かな人もいます。
自分は、大学生は、合法的な失業者だと思ったことが何度もあります。目的がなく進学してもむだな時間とお金の消費です。
人を判断するものさしのひとつとして、たばこを吸う人にいい人はいない。
21歳の自称ミュージシャンで喫煙者は危うい。(あやうい)
そんな人に、ほのかな恋心を抱く(いだく)登場人物の女子高生です。
だまされないでほしい。
『不幸な場所』
両親が不仲で夫婦ゲンカばかり、こどもである女子高校生は、親に嫌気(いやけ)がさしています。
夫婦仲が悪い両親のこどもになると、こどもは苦労します。
たいてい夫婦は、お金のことでケンカになります。家事の分担とか子育ての方向性でぶつかることもあります。浮気とか不倫もあるのでしょう。
夫婦だけでなく、双方の親きょうだいを含めた親族関係がからんでくると、こじれてけっこうつらい。人生は忍耐とあきらめだけど、開き直って喜劇に変えれば、笑顔になれるはずです。(参考として、先日読んだ本が『バカのすすめ 林家木久扇(はやしや・きくおう) ダイヤモンド社』でした。困難を「笑い」で克服します)
作品中のおもしろかった表現として「『たかだか』は、数学の先生のあだ名だ。(「たかだか」を連発するから)」
『いつか離す手』
アリー:(有田という男子の愛称:主人公女子高生の小杉さんが恋する相手です。(女子高生の小杉さんは、大学生の男に、都合のいいように体をもてあそばれる立場です。女子高生本人は恋に恋しているから、男にだまされていることに気づけません。人を信じすぎてはいけません)
女子高生は本気の恋、あるいは愛をもっていますが、相手の男子大学生の気持ちは、うそん気(うそんき)です。(本気じゃない)
女性は体を男性に安売りすると、むなしい結末が待っているというような暗示があります。
それとも、それもまた人生なのか。
『Today is the day.』
ひとりの女子高生の心の中の世界です。
やわらかい。
読みながら考えたことです。
民法の改正で、女性の結婚可能年齢が16歳から18歳に引き上げられました。
作品中では、16歳の女子高生である主人公が、失恋したので、高校を辞めて働こうとしています。
されど、16歳の人間を正式に雇ってくれるところは見つかりません。どこも断られます。
法律を含めて、社会では、女性を保護する(守る)ための18歳制限なのでしょう。
されど、18歳を過ぎたら、自己責任が重くのしかかる生活が始まります。
『自由』との引き換えです。テレビ番組『チコちゃんに叱られる』のように、ぼーっとしていると、転落してしまいます。
本の後半部は『短歌』です。
自分が気に入った一首です。(いっしゅ:短歌のいち作品)
『世界中の本や音楽買い占めてなんとか夜を乗り切らなくちゃ』
リミックスバージョン:既存の作品を編集して新たな作品をつくりだす。
ショートショートのような短い作品に、短歌が織り交ぜてあります。
2000年ごろ、作者が17歳、女子高校生ころの作品です。
時が過ぎるのは早い。
内容は恋愛ものです。
『また雨がふる』
このタイトル部分を、雨が降る電車の中で読みました。
名古屋市内にある千種(ちくさ)という駅から長野駅に向かう特急しなの号の車内でした。長野市にある善光寺参りが夫婦旅の目的でした。乗り換えなしで長野駅まで3時間ぐらいです。
小説の雨の話と車窓の外の雨の光景がマッチしてなかなかいい雰囲気で本を読めました。
三角関係の状態で、女子高生の好きな相手が、自分の友だちの彼氏です。よくある設定です。まあ、まだ高校生の世界しか体験がない17歳ころの恋愛というのは、自然消滅していくことが多いので、失恋しても気にすることないのに、若いから、いろいろ気にします。
なんだか、悲しくなる話の流れでした。
『十八歳で夏』
16歳とか17歳というのは、長い人生の入口にもたどりついていないような年齢です。
受動的な若者が多い。
だれかになにかしてほしい。あるいは、いつでもどこでもだれかが自分のめんどうをみてくれるにちがいないという立場に、自分の身を置こうとする。
予備校でのお話です。大学進学へのこだわりがあります。
大学に行かないと幸せの約束がなされないのかという疑問が主人公にもあります。
現実の実態をみていると、大学を出ても働いていない人はいるし、年配の人だと義務教育だけでもちゃんと生活してきた人もいるし、高卒でも金銭的に豊かな人もいます。
自分は、大学生は、合法的な失業者だと思ったことが何度もあります。目的がなく進学してもむだな時間とお金の消費です。
人を判断するものさしのひとつとして、たばこを吸う人にいい人はいない。
21歳の自称ミュージシャンで喫煙者は危うい。(あやうい)
そんな人に、ほのかな恋心を抱く(いだく)登場人物の女子高生です。
だまされないでほしい。
『不幸な場所』
両親が不仲で夫婦ゲンカばかり、こどもである女子高校生は、親に嫌気(いやけ)がさしています。
夫婦仲が悪い両親のこどもになると、こどもは苦労します。
たいてい夫婦は、お金のことでケンカになります。家事の分担とか子育ての方向性でぶつかることもあります。浮気とか不倫もあるのでしょう。
夫婦だけでなく、双方の親きょうだいを含めた親族関係がからんでくると、こじれてけっこうつらい。人生は忍耐とあきらめだけど、開き直って喜劇に変えれば、笑顔になれるはずです。(参考として、先日読んだ本が『バカのすすめ 林家木久扇(はやしや・きくおう) ダイヤモンド社』でした。困難を「笑い」で克服します)
作品中のおもしろかった表現として「『たかだか』は、数学の先生のあだ名だ。(「たかだか」を連発するから)」
『いつか離す手』
アリー:(有田という男子の愛称:主人公女子高生の小杉さんが恋する相手です。(女子高生の小杉さんは、大学生の男に、都合のいいように体をもてあそばれる立場です。女子高生本人は恋に恋しているから、男にだまされていることに気づけません。人を信じすぎてはいけません)
女子高生は本気の恋、あるいは愛をもっていますが、相手の男子大学生の気持ちは、うそん気(うそんき)です。(本気じゃない)
女性は体を男性に安売りすると、むなしい結末が待っているというような暗示があります。
それとも、それもまた人生なのか。
『Today is the day.』
ひとりの女子高生の心の中の世界です。
やわらかい。
読みながら考えたことです。
民法の改正で、女性の結婚可能年齢が16歳から18歳に引き上げられました。
作品中では、16歳の女子高生である主人公が、失恋したので、高校を辞めて働こうとしています。
されど、16歳の人間を正式に雇ってくれるところは見つかりません。どこも断られます。
法律を含めて、社会では、女性を保護する(守る)ための18歳制限なのでしょう。
されど、18歳を過ぎたら、自己責任が重くのしかかる生活が始まります。
『自由』との引き換えです。テレビ番組『チコちゃんに叱られる』のように、ぼーっとしていると、転落してしまいます。
本の後半部は『短歌』です。
自分が気に入った一首です。(いっしゅ:短歌のいち作品)
『世界中の本や音楽買い占めてなんとか夜を乗り切らなくちゃ』
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