2025年03月31日

歯が割れた

歯が割れた(2024年のこと)

 お肉をカミカミしながら食べていたら、バキッという音がして、奥のほうにある歯が割れてしまいました。(2024年9月26日の出来事でした)
 詰め物もとれてしまいました。
 わたしは、自分の体の耐用年数が終わりに近づいてきていると感じる老齢期を迎えています。
 
 いつも行く歯医者に行って相談したら、神経がなかなか抜けないので大学病院を紹介されました。
 紹介状をもって、大学病院に行って、CTを撮ることになりました。

 CTを撮って、説明を聞いて、割れた部分を埋めてもらいました。仮の補修です。
 次回は素材を決めて提案してくださるそうです。
 わたしは、素材のことはわからないので、友だちが、セラミックがいいと言っていたことを思い出してそんな話をまだ学生さんみたいな若いドクターにしました。
 いちおう自費でもかまいませんとは伝えました。丈夫で長持ちの素材にして、寿命が尽きるであろう、あと15年間ぐらいはもたせたい。ふんぱつして、金(きん)でもいいかと思いましたが、そのことはドクターには言いませんでした。
 ドクターは、プラスチックでもいけるかもしれないと言いました。
 そうか、プラスチックにしよう。そう思いなおしました。

(つづく)

 数日後、今度は、別の奥歯のかぶせものがとれてしまいました。
 朝、食パンを食べていたら、食パンにかぶせものがくっついてとれてしまいました。
 だんだん、少しずつ、自分の体の耐用年数が近づいてきていることに気づかされる今日この頃です。
 ややこしいけれど、その歯の治療は、いつものかかりつけの歯医者にします。大学病院の歯科の次回受診日は来年1月です。

(つづく)

 とれた詰め物をもっていって、いつもの歯医者でそのとれた詰め物を入れてもらいました。
 電話をするとたいてい、今から来ることができますか?と聞かれ、ハイすぐ行けますと返答できるぐらい近くにある歯医者です。助かります。1回で治療は終了しました。

(つづく)

 2025年1月になりました。
 大学病院の歯科で、90分間ぐらい治療を受けました。手術のようでした。疲れました。
 もりあがっている歯肉を切除して、プラスチックで歯が欠けた部分の形をつくってくっつけてもらいました。麻酔もしました。歯肉を切ったあと、血がなかなか止まりませんでした。それで時間がかかりました。

 その歯の近くにある奥歯が少しゆらゆらと動きます。
 町医者からは、保険だともう抜かねばならない歯だと聞きました。歯の根っこがささっているべき骨がやせていて歯を支えきれないそうです。ちょっとわたしには、骨がやせているということのようすが理解できずわかりません。
 大学病院の歯科でそんな話をしたら、入れ歯の話が出ました。部分入れ歯です。もうだめな歯を抜いて、両側にある歯を含めて、3本の歯を利用して部分入れ歯にする方法があるそうです。
 ああ、もう自分は入れ歯をしなければならないほどの老人になってしまったのだなあとがっかりしました。されど、あきらめることにしました。若い頃、もっと歯をだいじに扱っておけばよかったと反省しました。抜けた永久歯はもう生えてきません。
 次回は2月の受診です。

(つづく)

 2月の受診が済みました。次回は3月です。大学病院ですから予約治療の間隔がだいぶ開きます。しかたがないのと、実害もありません。
 今回2月の受診は、診療時間が長かった。午後2時から始まって、一区切りついて終わったのが4時でした。2時間ぐらい、椅子の上で斜めさかさまになっていたので疲れ果てました。

 大学病院なので、やってくれるのは、学生さんみたいな若い人です。ときおり、先生が来て、あれこれ相談と指示をされています。
 自分のことで、自分のそばで、専門用語が飛び交います。聞こえてくる内容について、自分はその意味はわかりません。帰宅してからネットで調べてみました。
 治療をお願いしている部分は2か所あって、1か所は歯が半分割れました。
 その半分にプラスチックのようなものを使って、欠けた部分を補完して、残っている部分とくっつけました。さらに、その部分を削るような加工をして、歯を、薄い直方体みたいな形に整えました。
 それから、上・下全体の歯型をとりました。
 さきほどの加工した部分を軸にして、上からつくった歯を差し込んで固定するのだろうということがわかりました。差し歯というのでしょう。
 わたしは、差し歯というのは、根がとんがった義歯を歯茎(はぐき)に差すのだろうけれど、どうやって固定して動かなくなるのだろうかと疑問に思っていました。それは、勘違いでした。

 診療の途中で、『バリ』という言葉が飛び交いました。
 バリがあるから取り除かねばならないというような会話でした。
 バリって何? 聞きたかったけれど、こちらは、口をあんぐりと開けて、口の中には何かを入れられていることが多いので、声は出せません。
 家に帰ってから、『バリ』を調べました。接着剤のはみだし部分が残っているものみたいに書いてありました。目には見えないそうです。ブラックライト(紫外線ライト)を当てると見えるそうです。
 長い人生の中で、いつついたのかわかりませんが、バリというものが歯の内側歯茎(はぐき)部分についたようです。

 不具合のもう1か所は、5月に治療に入る予定です。今は2月ですから、まだまだ先の話です。
 奥歯が1本、指で触れると(ふれると)ゆらゆら揺れます。でも、今すぐに抜ける様子はありません。
 そのままにしておいてもいいとは思うのですが、さきざき、食事中に抜けたらイヤです。
 町の歯医者さんには、保険だと、もう抜くしかない歯だと言われたこともあり、自分としては抜くことにしました。
 抜いたあとの選択肢が、『バネ式の部分入れ歯』と、『ブリッジ』というやり方があるようです。
 わたしは、今の時点では、部分入れ歯がいいと返答してあります。
 これについても自分の勘違いがありました。
 『バネ式の部分入れ歯』の、『バネ』のイメージが、ぐるぐる渦巻型のスプリングのようなバネを想像したのですが、針金のような1本の金属で、抜けた歯の前後にある歯に金属をひっかけて固定するタイプのようです。う~む。ひっかけられた歯が痛むような気がしてきました。やっぱりやめようか……

『ブリッジ』というものについても、わたしは勘違いをしていました。
ブリッジ=橋ですから、抜いた歯の前後にある歯の上の部分に金属を付けて、まんなかの開いた部分に義歯をぶら下げるのだろうと思っていました。
 調べたら、歯のカバーみたいなものを歯3本分つくってかぶせて固定する内容でした。
 いっけん良さそうですが、説明を読むとデメリットもあるようです。
 まあ、バネ式部分入れ歯でお願いしてみます。

(つづく)

 2025年3月に2回大学病院の歯科を受診して終了としました。
 少しゆらゆらして抜けそうな歯の治療は、いろいろ相談して、とりあえず抜かずに使うことにしました。
 また、さきざき考えます。

 大学病院の歯科で治療中も、別の歯2本の詰め物がとれて、いつも通っている歯科で詰めてもらいました。ひとつは、新しく型をつくって埋めました。もうひとつは、とれたものを詰めてもらいました。即日処理でした。やれやれです。  

Posted by 熊太郎 at 10:31Comments(0)TrackBack(0)熊太郎の語り

2025年03月30日

侍タイムスリッパー 邦画

侍タイムスリッパー(さむらいらタイムスリッパー) 邦画 2時間11分 2024年(令和6年) 動画配信サービス

 監督:安田淳一
 俳優:山口馬木也(やまぐち・まきや 会津藩士の高坂新左エ門(こうさか・しんざえもん)役)、冨家ノリマサ(ふけ・のりまさ ふたりの人が演じる長州藩士の山形彦九郎(演者は、庄野﨑謙(しょうのざき・けん)さん)がもともとですが、時空間移動したあとの山形彦九郎の現代設定時は、冨家ノリマサさんが風見恭一郎役)、沙倉ゆうの(さくら・ゆうの 山本優子役 心優しい人の役でした)、峰 蘭太郎(みね・らんたろう 殺陣師(たてし:時代劇で、対決、乱闘などのシーンを指導する仕事)関本の役)、福田善晴(西経寺の住職役)、紅萬子(くれない・まんこ 西経時住職の妻節子役)

 話題の時代劇を扱った邦画です。
 動画配信サービスで観ることができるようになったので、さっそく観てみました。
 夕食をゆっくりと食べながら、夜遅くまで家族といっしょに楽しみました。なかなかいい映画でした。翌日また今度はひとりで観ました。

 わたしは、ラストシーンは、雷に打たれて、江戸時代末期、幕府滅亡の時代(本来主人公がいた時代)に戻ると予想しましたが、違っていました。
 よく考えられたなかなかいいラストシーンでした。

 これから、思い出すまま、感想を並べてみます。
 
 ふたりのサムライが未来で再会することは予想できました。
 そのとおりになりましたが、時代にズレがあるという設定までは思い浮かびませんでした。よく練られた(ねられた)脚本です。
 
 映画制作活動を愛する内容の映画でした。
 愛情がいっぱい映画にこめられています。
 くわえて、こちらの映画は、時代劇を愛する映画でした。
 半世紀以上前、わたしが小学生のころは、テレビでよく時代劇ドラマを観ました。
 外国人には、サムライとか、忍者とか、今でもうけるんじゃないかなあ。

 製作費が低予算の映画と聞きました。
 役者さんたちは熱演です。
 映画の神さまがたまに、製作陣にチャンスをプレゼントしてくれます。今回はこの作品でした。大ヒット、おめでとうございます。

①豪華さはありません。(雨は、上から水をたらしているとわかります)
②ときおり、志村けんさんのコントのような雰囲気のときがあります。笑えます。
③現代人の山本優子さん始めみなさんが善人で心優しい。(山本優子さんについては、主人公サムライの恋心の芽生えがあっておもしろい)
 
 タイムスリップした直後は、高坂新左エ門(こうさか・しんざえもん)が感情的になって、刀で現代人を斬る(きる)のではないかと心配しました。
 140年前の自分が、140年後の日本に来たと理解して、現代の暮らしにとけこんでいくという主人公の適応能力があります。
 
 世直し侍(サムライ)『心配無用ノ介』というフレーズが良かった。

 『拙者(せっしゃ)、高坂新左エ門(こうさか・しんざえもん)と申す』

 お寺の住職夫婦による京都なまりの言葉がなかなかいい。味わいがあります。
 主人公の会津なまりは、邦画、『壬生義士伝(みずぎしでん)』を思い出します。いい映画でした。

 観ながら気持ちにぐっとくるものがあり、何度か映像に向けて拍手をしました。

 『道徳(人はこうあるべきだという道筋の話)』の本を読むようでもありました。
 きちんとした会話があります。

 映画界という組織の内輪話が、この物語の素材です。

 おもしろい。
 殺陣(たて)の練習で、斬られ役(きられやく)の人が、敵である相手を斬ってしまいます。『なんでやねん』がおもしろかった。

 主役がいて、脇役がいる。脇役が必ず必要です。

 高坂新左エ門(こうさか・しんざえもん)は、故郷会津の人々を思いやる気持ちが強い。純真さがあります。邪念や私欲がありません。

 ラスト付近は、真剣な気持ちでないと観ることができません。
 緊張が走ります。

 『あの夜の続きというわけだな』
 『楽しかったぞ。おぬしと映画がつくれて』
 『拙者(せっしゃ)もだ』
 『じゃあいこうか』
 『それがわれらの定め』
 身動きしないロングカットが良かった。
 力が入ります。
 『為す(なす)べきことを為せ』
 人の心に、ひとかけらの、『情(じょう)』があります。
 すばらしい! 『最後の武士』です。拍手しました。何度観ても、拍手したくなります。
 生きる勇気をくれる作品でした。
 すばらしい!
 じょうずにつくってあります。
 脇役として物語を支え続ける山本優子さんが心優しい。
 『今日がその日ではない』
 オモシロイ

(その後)
 親族が家に遊びに来たのでいっしょに観ました。
 3回目の鑑賞ですが、なかなかいい。
 心優しい内容です。
 純真でもあります。
 洋画の、『ニューシネマパラダイス』のように、映画ファンのための映画です。

(さらにその後)
 NHKBSの番組、『アナザーストーリー 侍タイムスリッパー』を観ました。
 わたしはこの映画を3回観ましたが、番組の冒頭で出てきた女性は、100回観たそうです。すごいなあ。
 低予算の製作、時間をかけた制作、制作にかかわった人たちのこの脚本にかける強い思いが熱いメッセージとなっていました。  

2025年03月29日

バスVS鉄道対決旅 第23弾 春の群馬から長野

バスVS鉄道対決旅 第23弾 バス10勝 鉄道12勝 春の群馬から長野 美食&名湯攻略SP テレビ東京 TVer ネットもテレ東

太川陽介バスチーム:(スポーツチームとして) 澤穂希 丸山桂里奈
村井美樹鉄道チーム:(俳優チームとして) 袴田吉彦(はかまだ・よしひこ) 山崎樹範(やまざき・しげのり)

 なかなか良かった。
 村井チームのふたりの俳優が、始まってからだいぶの長い時間帯、だらしがなくて、なんだかなあと思ったのですが、時間がたつうちに、だんだんちゃんとしてきました。
 そのようすから、俳優さんだから、番組の構成を考えて演技をしていたとも思えませんが、ふだんから、歩くことが少ない人たちなのだろうと考え、どうしてこの仕事を受けたのか不思議でした。
 この番組は、旅をゆっくり楽しむ番組ではありません。(今回鉄道チームは二日間で50km歩かれました)。人生の可能性にチャレンジする攻撃的なアスリート(心身ともに優れた運動能力をもった人)を讃える(たたえる:心からほめる)という対決=人生の歩みと成果を表現する番組なのです。

 長時間のロケをうまくまとめてありますが、後半部の振り返りシーンの連続はくどいかなあと感じました。そのシーンを流してもらわなくても十分感動できます。
 最後の、玉手箱内にある優勝旗を確認するシーンが、いつもは、何度もコマーシャルが入ってじれったいのですが、今回はすんなり放送されました。方針が変わったのだろうか。苦情でも入ったのかもしれません。

 太川チームの運動能力は高かった。太川さんも元女子サッカー選手に体力では負けていませんでした。
 村井さんの鬼軍曹ぶりは気持ちがいい。なんとしても勝つという意識がいい。

 わたしは、知らないのですが、村井チームのゲストの袴田吉彦さんという人は、昔、女がらみで不祥事があったようで、観ていたうちの家族もなんやかんや言っていました。良くは言ってはいませんでした。
 太川チームの丸山桂里奈さんが、女性がらみの不祥事のことで袴田吉彦さんを嫌っている様子がありありと出ていて、それはそれで、観ていておもしろかった。
 袴田さんは、不祥事を逆利用して、経歴をネタに話題のある人間という位置づけになっています。ただ、生きている間、テレビに顔が映ると、不祥事について、一生言われ続けるのは、さすがにかっこ悪い。

 澤穂希さんの心もちがいい。勝負事は、全部勝てるわけがない。肝心なことは、最後に勝つことですと言い切っておられました。(そして、勝利されました。かっこいい!)
 たしかにそうです。勝ったり負けたりするから、『勝負』なのです。

 あわせて、澤穂希さんの駆け足運動能力が発達しているシーンを見て思い出したことがあります。女子三人による路線バス乗り継ぎ旅Wに、元オリンピックスピードスケーターだった髙木菜那さんが出ておられるのですが、ロケ中、髙木菜那さんが、すさまじいスピードで走って、バス停留所を見つけたり、バスをつかまえたりします。公道やバスターミナルのような広場を走るので、交通事故に遭わない(あわない)だろうかと観ていてハラハラドキドキ心配するぐらいのスピード走りです。
 こちらの太川さんと村井さんの対決番組が始まったころは、動きの悪いお笑い芸人さんの運動能力がない態度や言動にがっかりしたものですが、番組のレベルがあがってとてもいい感じです。

 番組ロケでは、たくさんの地元のおいしいものが紹介されました。
 温泉の宣伝もありました。

 射的で、山崎樹範さん(やまざき・しげのりさん)が、あひるの人形を射止めたシーンが、とっても気持ちが良かった。
 村井美樹さんが、いちご農園での売り上げ人気商品順位クイズで、あいかわらず正解をはずし続けます。焼き芋がランクインしていたことがいい感じでした。
 村井さんにも不得手なものがどうしてもあります。同じチームの男子ふたりが、地図を読めないと言ったときには絶望感が広がりました。村井さんも地図を読めない人だからです。道を間違えて迷うことが多い。時間をムダに使ってしまいます。
 村井美樹さんは、今回は、タクシーをじょうずに使われました。勝負には15分差で負けてしまいましたが、勝てるチャンスはありました。

 出川哲朗さんの充電バイクの旅で、北海道で、カーリング場を訪れたことがあるのですが、そのときにメンバーが氷の上で何度もつるつるすべっていました。テレビで観るのと、じっさいにやってみるのはぜんぜん違います。
 そのときの記憶があったので、今回のメンバーのカーリング挑戦はたいへんな苦労だったと思います。それでもなんとか課題をクリヤーされています。お疲れさまです。

 牛肉、おいしそうでした。
 たくさんお金を持って行って、腹いっぱい食べてみたい。

(検証番組を観ました TVer(ティーバー))
 村井美樹さんは、前回の大分県編に引き続き、勝てていた試合を落としました。これで3連敗です。
 鉄道チームは、まず、なるべく鉄道を使うことを意識したほうがいい。鉄道は、スピードがあります。歩くのは時間がかかります。徒歩の時間帯が、ときに、むだな時間の消費につながることもあります。
 基本は鉄道で移動することを考えながら、そこに、利用制限があるタクシーをからめて、どうしてもどうしようもないところは歩くというやり方が勝ちにつながるのです。
 今回の教訓として、歩く距離は、二日間で、35km以内ぐらいに抑えたい(おさえたい)ということがわかりました。今回歩いた距離50kmは長すぎました。
 答え合わせであった、いきなりタクシーを使って、スタート地点からチェックポイントまで1万円以上のタクシー代を使う(結果的に勝利につながる)という判断はなかなかむずかしい。度胸がいります。いちかばちかではなくて、自信をもったプランを立てたうえで、そういうチャレンジができる人が、さきざき、英雄になれるのでしょう。  

2025年03月28日

ようやくカナダに行きまして 光浦靖子

ようやくカナダに行きまして 光浦靖子 文藝春秋

 もうだいぶ前のことになりますが、光浦靖子さんが、番組、『徹子の部屋』にゲストとして出演されて、この本のことをお話しされていました。
 出演後は、本が売り切れたようすで、日にちがだいぶたって、たぶん増刷されて、今回の注文ではすんなり手に入りました。

 愛知県渥美半島のご出身で、お勉強ができることが売りのお笑い芸人さんです。
 パラパラっとページをめくって、それほどの文章量でもないので、短時間で読めそうです。
 読み始めます。

 読み始めて思うことです。
 結婚、出産、育児体験のない方です。
 53歳の方です。年齢的に、それらはもうなさそうな気もします。
 ひとりの人の個性として、光浦さんは、勉強をする人、勉強を続けたい人だった。だから、カナダへ行った。(どうしてカナダなのかといところも考えさせられました。フランス語の領域と英語の領域がある国です。どうして、留学先に、アメリカ合衆国とかイギリスを選ばなかったのか。そのあたりも読み手のわたしは関心があります。二番手が好きな性格なのか)(読み終えて:結局カナダを選択された理由は書いてありませんでした)

 1年間の留学が3年に伸びています。
 語学学校→カレッジ(卒業)→3年の就労ビザをゲットした(ボスグラという名称の就労ビザです。何の仕事をするのだろう?)
 本の内容は、2021年(令和3年)7月~2022年(令和4年)7月までの1年間の記録で、語学学校時代のものだそうです。 50歳で留学して英語を習得する。う~む。もっと早い方が英語の習得には良かったような。

 いろいろ疑問をもちながらの読書の始まりとなりました。

 目次を見ると、『ヘレナさん』という女性の名前がたくさん出てきます。現地でできた親友でしょうか。

 2021年成田空港から出発です。
 コロナ禍です。(日本においてはおもに、2020年~2022年)
 静かな成田空港です。関係者の見送りがあります。
 ゲートをすぎると、ひとりぼっちです。
 なんだか、18歳のときの自分を思い出しました。博多駅のホームで、高校の友だちに見送られて、新幹線に乗ってから、ひとりぼっちになりました。でも、そのときのわたしは、まだ十代でした。光浦さんは五十代です。お笑い芸能にうちこんだ何十年かがありました。
 まだ、日本国内である成田空港にいるのに、『日本に帰りたい』という気持ちが、光浦さんに芽生えました。

 本の記述のベースになっているのは、日記だと思います。
 なんのネタもなしに、文章を書き続けることはむずかしい。
 光浦さんも日記をつけておられるのでしょう。

 カナダといえば、作家の西加奈子さんが住んでおられます。途中、光浦さんとの交流もあったようで、本に出てくるのでしょう。(199ページにありました)。西加奈子さんは、お笑い芸人さんたちとつながりがあるようで、テレビ番組で対談を見たことがあります。お笑いコンビオードリー春日さんの相方若林正恭さんとお話しをされていました。わたしは、若林正恭さんの本も何冊か読みました。若林正恭さんは、ぱっと思いつくと、ひとりで海外旅行へ行く人です。
 
 こちらの本の内容は、雑誌、『オール讀物』に2022年・2023年(令和4年・5年)に掲載されたものが下地になっているそうです。

 ああ、コロナだから、バンクーバーで指定されたホテルに三日間滞在して、感染の有無を確認するのか。たいへんです。

 チップの習慣があるからたいへんそうです。タクシー代支払いのチップをいくらにするかです。

 現地に住む60代後半の夫婦宅でホームスティです。
 ホストファミリーです。ホストファーザーが、やせたメガネのおじいさん(ケンさん)、ホストマザーが、小柄でかわいらしいおばあさん(グレンダさん)、彼女は家事がうまい、趣味が、パズルと読書の方だそうです。
 大きなお屋敷です。1階と2階に留学生の部屋が合計4部屋あります。

 コロナだからマスク着用です。
 (今になって、ときおり、コロナ禍ってなんだったのだろうと思い出すことがあります。たいへんな目にあいました。コロナ禍がなければ、スムーズに運んだ話がいくつもありました。されど、それも、過ぎた話になりました)

ハル・ベリー:アメリカ合衆国の女優

エミ、ナホ(19歳):同じ家にいる留学生。お互いに助け合いが必要です。他人に頼るしかありません。

 ちょっと光浦靖子さんのパソコンオンチ、スマホオンチ(知識がない)には、驚かされます。
 まあ、操作を勉強したことがない中高年は、こんなものなのかなあ。そんなものなのでしょう。
 英会話もパソコンもできないし、おまけにコロナで、お互いに近づけず、距離をおいて離れての会話です。外国人たちとの意思疎通がたいへんです。
 留学生たちは、二十歳前後の若い女性たちが多い。コロナ禍という特殊事情のため、入国できる国籍で日本人が多い。若い世代のなかに、50歳の著者が入るのはさすがに場違いです。芸能人扱いされることもあって、最初はかなり苦労されています。
 読んでいると、そこまでして英会話の勉強をしなければならないのだろうかと疑問をもちます。
 なんというか、光浦靖子さんは、自己完結型の人生の送り方です。結婚、出産、育児、介護という体験がありません。

 有名人ゆえに、日本では周囲の目が監視の目に感じていた。
 カナダでは、自分は知られていないから、自由になれた。
 リラックスできる。
 そんなことが書いてあります。

 上級、中級、初級の3クラスがある。著者は、中級に所属する。日本人が4人(若い女性が2人と30代男性が1人、そして著者がいる)。ほかに、19歳南米エクアドル人女性、29歳中米エルサルバドル人男性、21歳ベルギー人男性がいます。合計4人です。

バンクーバー:移民の都市。白人系40%、中国系・インド系が多い。いろんな言語が街に流れている。
 ゆったりしている。東京の生活とは異なる。
 
 ひとつの項目で、長い文章が続きます。著者は勉強をする人です。

カナダプレイス:海の見える広場。ここで、初級・中級クラスのメンバーは昼食をとる。

 親切にしてくれた人たち
ジョーダン:上級クラス。20代女性。美人、アニメオタク、おしゃれ。黒髪、足にはタトゥーがある。
 
ヘレナ:南米コロンビア人女性29歳。初級クラス。大きな声、ハイテンション、笑って、怒る。学校のムードメーカー。睡眠時間3時間だそうです。ヘレナが15歳のときに産んだ、14歳の息子がいる。夫は浮気症で、ほぼ離婚状態。リモートで、コロンビアにある会社で働いている。カナダでの永住権獲得を目標にしている。

 著者の自称ニックネームは、愛知県渥美半島(あつみはんとう)のミス頑固(がんこ)だそうです。渥美半島には、伊良湖岬があります。農業と観光の地域です。
 
フラストレーション:欲求不満

ラティーノ:ラテンアメリカにルーツをもつ人々

テキーラショット:小さなグラスに入ったテキーラをいっきに飲み干すこと。

カナダドル:2021年夏が、1ドル90円。2024年7月が、1ドル118円。ホームスティは、3食付きで、ひと月100ドル。ヨーロッパ人の一部は、留学目的ではなく、観光目的でカナダに来て、ホテルよりも安いホームスティに泊まって勉強しながら(しているふり?)観光で遊びまくっているそうです。
 
 読んでいて、バンクーバーはやはり外国です。日本とは違います。
①落し物は届けない。現金が落ちていても届ける先がない。裸の現金は、拾った人間がポケットに入れてしまってあたりまえ。おとがめもない。
②変なユーチューバーがいる。男が、『今日家に泊めて』と腕をつかんで話しかけてくる。その撮影シーンをユーチューブで流している。
③相手に対する、『手伝いましょうか』というような声かけは、現実的には迷惑だからといやがられる。小さな親切大きなお世話のようなものです。各自が、自分のやり方、自分のペースをくずしたくない。
④人生で一番大切にしているものはなんですか?という質問があります。コロンビア人の答えは、『家族』。著者の答えは、『好奇心』(ドン引きされたそうです。質問の意味がわかっていないのではないかと疑われたそうです)
⑤日本のパスポートをうらやましがられる。日本のパスポートをもっていれば、世界中のほとんどの国へ行ける。(ほかの国のパスポートでは、いろんな国には行けないそうです)

チナミ:新しいホームメイト(ホームスティ先の仲間)

カトラリー:ナイフ、フォーク、スプーンなどの総称

ドリトスのチーズ味:チップ(ポテトチップみたい)。菓子。

『イヤスゥコ』:ホームスティ先の奥さんからの著者の呼ばれ方

カミラ:クラスで、著者の隣席に座るコロンビア人。超美人。19歳。

 学校の35%が日本人。25%がコロンビア人。残りは多種多様

 スイス人のひとりとうまくいかないあれこれが書いてあります。著者はアジア人だから存在を否定されるのです。人種差別のいじめですな。
 その部分を読んでいて、洋画、『クールランニング』を思い出しました。いい映画でした。
 ジャマイカのオリンピック選考陸上競技100mの選手4人が、コーチとともに、冬のオリンピックのボブスレーに挑戦するのです。とてもいっしょうけんめいな態度です。でも、スイスのボブスレーチームがジャマイカをばかにするのです。ジャマイカチームのメンバーはくやしい思いをします。
 こちらの本では、スイス人のひとりによるアジア人差別があります。日本人だけではなく、中国人も差別されるそうです。
 スイス人は、アルプスに囲まれた小さな村や街で育つ。広い世界、広い社会を知らない。だから差別をするという考察があります。
 でも30代のいいスイス人もいたそうです。まあ、個人単位で判断したほうがいいのでしょう。

バーン:クラスの先生

ヘイト:憎む。憎悪。人種差別

 著者による細やかな人間観察の記録が有益です。いい人もいれば、そうでない人もいます。

 235ページあるうちの121ページまで読みました。(同じようなこととして、その後のページの分も追加して記述しておきました。日本と外国の生活の違いがおもしろい)
 外国(あるいはカナダという場所で)で学ぶ日本人留学生に対する現地の関係者(不動産屋とか家主とか)の話が興味深い。島国日本、単一民族で暮らしている日本人ではなかなか気づけないことです。
①日本人は、『商品価値』が高い。まじめ、借家を清潔にきちんとする。家賃の滞納がない。おとなしい。従順。ルールを守る。礼儀正しいなどです。日本人は、『いい商品扱い』なのです。
②もうひとつ驚いたのは、不動産会社の人がスペアーキーを持っていて、まだ居住中の留守宅へ、次にその部屋を借りたいという人を連れて、内覧に入ることができるのです。問題ないのです。びっくりしました。
③ウィキペディア(Wikipedia)が、身元保証になる。著者の場合、日本の有名な芸能人として、信用してもらえたそうです。
④カナダは、室内の電灯が暗い。これは、日本のほうが、異常に明るいそうです。
⑤スーパーで売られている野菜はパッケージされていない。量り売り(はかりうり)。納豆はすべて冷凍されている。豆腐はあるが、硬い。消費期間は長い。
⑥バンクーバーで生活する人は軽装(lululemonという銘柄が多い。ルルレモン。ヨガウェア)。男は、短パンで上半身は裸(筋肉質の体が自慢の衣装。自信満々)、日本でユニクロは安価だが、カナダでは高価なおしゃれ着扱い。MUJI(むじるしりょうひん。無印良品)もおしゃれ着扱い。
⑦路線バスはいろいろ不都合があるそうです。満員だと乗車を断わられるそうです。路線バス事情は、イギリス留学をされた彬子女王(あきこ女王)も書かれていました。『(イギリスの路線バスについて)日本の路線バスとはずいぶん違います。路線バスは、時間通りには来ない。そもそも定刻になっても来ない。最後まで来ない。来ないという案内もない。慣れるそうです。日本の親切で、ち密な対応のほうが、丁寧すぎるのではないかというようにも思えてくるそうです』(ふ~む。太川陽介さんのテレビ番組、路線バス乗り継ぎの旅は、イギリスではできませんな)
⑧青ネギは、頭のほうが切られて売られている。白い部分が1,緑の部分が2ぐらいの割合で売られている。

 読んでいて思うのは、50歳独身の著者です。
 一般的には、50歳の女性は、結婚していて、こどもがいて、たいてい、50代で祖母になります。
 やっていることは、同じ50歳でもだいぶ違います。
 人生いろいろです。

 英会話はなかなか上達しません。
 3か月ぐらい現地にいると、ある日突然聞き取れるようになるということがあるようですが、著者はまだそうなれません。50歳という年齢だと、どうなのかなあ。
 イギリスに留学された皇族の彬子女王の手記を読んだことがあります。
『赤と青のガウン オックスフォード留学記 彬子女王(あきこじょうおう) PHP文庫』
 英会話ができなかったけれど、努力を続けた結果、ある日突然相手が話す英語が明瞭に理解できるようになられたそうです。(英語学習者にとっては、いいアドバイスになります)
 英語がわからなかったゆえの孤独があります(日本に帰りたい)。それを救ってくれる学友の存在があります。人間は助け合いです。

 こちらの本では、話し言葉の文章が続きます。

ホームメイトたちの進路:ナホ(進学)、エミ(就職)、チナミ(進学)。一般的に留学生は大半が半年以内に日本へ帰国するそうです。現地での進学や就職は異例だそうです。

オバンジャーズ:バンクーバーに住む日本人女性たち。日本人ママ友会。作家の西加奈子さんからの紹介がありました。現地は、治安の面で、いいことばかりではありません。情報交換があります。

メディテーション:瞑想(めいそう。心を静めて無心になる)

 著者は、勉強はできても、事務仕事はにがてです。引っ越しの段取りがうまくいきません。

 2022年(令和4年)2月です。
 著者は現地では、ジャパニーズセレブリティだそうです。(日本人の有名人)
 公立カレッジの授業料が、2年間で、450万円近いそうです。(高いなあ)
 週に20時間以内の労働ができる。1日4時間5日間ぐらいで少ない。2年コースを卒業すると、3年間の就労ビザを取得できる。うまくいけば、永住権がもらえるが、著者はもう50歳なのでほぼ無理だそうです。若くないと永住権はもらえない。50歳は年齢加算が0点だそうです。

フードハンドラー:食品取扱関係者(職業)。資格
Moodle:ムードル。授業や学習管理で使用するソフトウェア(プログラム)

 バンクーバーにある古い木造アパートに住んで1年が経つ。(2023年(令和5年)春)
 24世帯で、共同の洗濯機が2台ある。(会社の独身寮みたいです)
 
 レイシスト:人種差別を行う人

 著者は、ひとり暮らしが長い人です。苦にならないそうです。
 カナダのバンクーバーで日本食にしたら、体重が5kg減った。
 ウクライナで戦争が始まって、野菜が高くなった。
 円安で、負担が増えた。
 卵もハムも高い。
 
 カナダでは、平均4回か5回職業を変えるか、会社を変える。

 なんだか、いいかげんなところもあります。
 どの学校に通おうかと迷い、複数の学校で説明を聞いて選択して入学したのですが、事前説明と実態が一致しません。入校してしまえば、あきらめるしかないようです。

フェアウェルパーティ:送別会

 165ページあたりまで読んできて、後半は、あまり参考にならないかなあと思いましたが、再後半部もなかなか良かった。
 2022年(令和4年)著者は、カナダバンクーバーで友だちになったヘレナに会いに、ひとりで、南米コロンビアまで行って、1週間ぐらい現地にあるヘレナの自宅で過ごしています。
 52歳の大冒険、ひとり旅でした。けして、治安がいいお国ではありません。麻薬事件がときおりテレビニュースで取り上げられるお国です。マフィアみたいなギャングもいます。でも、一般人は、犯罪に警戒しながらも力強く暮らしています。現地人のヘレナが、コロンビアで思いつくものは、コーヒーとドラッグしかないと言います。
 記述内容は、映画の中にいるみたいでした。
 コロンビアの首都ボゴタは、標高2625mだそうです。初日の夜、著者は、眠っているときに呼吸が苦しくなりました。慣れるようですが、息ができなくなったそうです。気圧が低い。空気が薄い。
 記述を読んで、著者は、コロンビアで過ごして、幸せだったことが伝わってきました。

 コロンビア訪問の話題の前に、バンクーバーで、光浦靖子さんが、出会い系サイトに挑戦した話があります。西加奈子さんもからんで、オバンジャーズ(日本人妻の会)仲間の協力で偽名、年齢査証(52歳なのに47歳)しながらのマッチングアプリ登録です。そのうち、相手の50歳外国人男性に、著者が、日本で有名な芸能人であることがばれてしまいますが、恋仲にはなれませんでしたが、友だちにはなれた気分だったそうです。

 いろいろあります。作家の西加奈子さんに誘われて、お宅へご飯を食べに行って、女優の二階堂ふみさんと会って、映画、『SHUGUN 将軍』の話題が出たということもありました。
 アメリカ合衆国のハリウッドは撮影にお金がかかるので、費用がハリウッドほどかからないバンクーバーで撮影する映画製作が多いそうです。

 日本人がバンクーバーで、医療機関にかかるたいへんさが書いてあります。以前、西加奈子さんの本、『雲をつかむ』でも同様のことが書いてありました。
 現地の人は、医療費はただだけれど、制度があって、ホームドクターをもっていないと手続きがたいへんなのです。
 バンクーバーでは、6か月以上滞在する留学生は、月75ドルの保険料支払いのような義務があるそうです。

 文字を読むことで、異世界体験ができました。読書の醍醐味(だいごみ。深い味わい。本当の楽しさ)を堪能(たんのう。満ち足りて十分なこと)しました。本書は、良書です。なかなか良かった。

(その後のこと)
 上記の感想メモをじっさいに書いたのは、3月2日のことでした。
 その後、3月28日から読み始めた本が、『50歳になりまして 光浦靖子 文春文庫(文藝春秋)』です。
 『ようやくカナダに行きまして』を読んだ時に疑問だった、“著者がどうしてカナダを留学先として選択したのか”の疑問が解消しました。『50歳になりまして』の冒頭付近にある、『はじめに』に、しっかりとカナダバンクーバー選択の理由が書いてありました。

 アメリカ合衆国に住んでいた知人の話として、アメリカ合衆国では、都市部ではそうでもないが、いなかへ行くと、現地の人たちのアジア人に対する差別意識がとても強い。
 不況の原因が、貿易不均衡にあり、アメリカ合衆国の経済が衰退化したのは、アジア諸国からの輸入製品の増加にあると考えられている。同国のいなかでは、こどもでもあからさまに、アジア系民族を差別してくるそうです。アジア系の人間に対するいじめがあります。
 アメリカ合衆国西海岸の道路を車で北上しながらカナダに入ると、その差別意識が消える。カナダの人たちは、人種差別の意識が薄く、人が優しいという情報があります。
 加えて、留学の話がまだないころ、光浦靖子さんがカナダを訪れたおりに、偶然ですが、建物のエレベーター付近で、日本人元プロレスラーご夫婦である佐々木健介さんと北斗晶(ほくと・あきら)さんに会いました。
 光浦さんは大の女子プロレスファンだったのです。ご夫婦の息子さんが、カナダバンクーバーに留学されています。ご夫婦から、その気があるなら、エージェンシー(代理業、代理店)を紹介すると声をかけられています。
 人との出会いが、光浦靖子さんの人生の目標を定めることにつながっています。  

Posted by 熊太郎 at 07:15Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2025年03月27日

ツイン・ピークス ローラ・パーマ最期の7日間 

ツイン・ピークス ローラ・パーマ最期の7日間 リストア版(フィルムをデジタル化) アメリカ合衆国映画 1992年(平成4年) 2時間14分

 小泉今日子さんのエッセイ本、『黄色いマンション 黒い猫 小泉今日子 新潮文庫』にあったホラー映画を何本か観ました。
 その後、なにかの記事でこの映画が怖いと読みました。
 観てみたいと思って観てみました。
 わたしには合わない作品でした。
 そもそもホラー映画ではなかったような。
 わたしの、ああ勘違いです。

 テレビドラマがあったそうです。
 知りませんでした。

 まあ、女子高生殺人事件があって、なんだかよくわからないのですが、FBIの捜査官が出てきて捜査中に失踪して、そのうち、時が流れて、別の家族が出てきて、荒れた親子関係があって、また、女子高生が殺されてというような流れでした。

 わたしは、映画のつくり手の立場で映像を見るので、恐怖映画でも怖くはありません。特殊撮影のしかたとか、演者の演技のしかた、ロケ地、建物セットなんかをどうやってつくっているのかなあと考えながら観ています。

 もう33年前の映画です。始まりは、コメディみたいでした。
 その後、異様な雰囲気になります。
 まあ、コカインとかニコチンとか薬物依存ですな、タバコ映画です。
 男と女は犬猫状態で裸ですっぽんぽんです。銃殺もあるし、ひもでつながれるし、不穏で疲れます。
 緑色のヒスイの指輪にこだわりがあります。霊感のような、理屈がとおらない状態では宗教に逃げますな。背中に翼がある天使が空中に浮いています。
 
 残像映像、幻視、ピノキオみたいなとんがり鼻の仮面少年とか、こどもみたいなおとなとか、なんだか、スターウォーズのようでもある。
 
 よくわからんなあで時間が過ぎていきます。
 ほかの方の感想を見てみると、わたしのように、なんだかわからなかったという人も多いけれど、素晴らしいと賞賛される方も多い。
 
 いないものをいるとして悩む。宗教上で苦しむことですな。神さまはいないのに、いるとする。神さまがいるとしたほうが得をする人がいる。心が満たされることもあるし、懐(ふところ)が満たされることもある。それが、人間界の現実です。

 憑依(ひょうい。のりうつり)があります。エクソシストみたいですな。

 家族がいますが、親子が親子に見えない。
 女子高生は美人だけれど、女子高生には見えない。成人女性に見えます。
 家はモデルハウスみたいでした。
 生活感がありません。

 死んだような人が、復活して、そばにいる。不気味です。だって、顔に血がついているんだもの。

 退廃的です。たいはい:不道徳、不健全、いいかげん、だらしがない。さかりがついた犬猫状態。殺人もからみます。
 つまらなかった。失敗した。観るんじゃなかった。
 タバコ依存、薬物依存の映画でした。幻視や幻聴を楽しむのです。
 『理屈で考えるのではなく、感受性で感じる映画』だそうです。(なるほど。わたしにはムリ)

 『愛してる』という言葉がなんども出てくるのですが、相手のどこが良くて愛しているのかわかりません。『おはよう』みたいに、『愛してる』が続きます。中身のないあいさつなのか。

 映画監督は、映像美をめざしたということはわかりますが、内容についてはなんともいえません。わかる人にはわかるそうです。
 
 怖くはないけれど、気色悪い内容でした。きしょく:気分

 登場人物が、ちゃんと暮らした経過が見えないから、被害者に寄りそう機持ちになれませんでした。
 見た目の美を追求した作品と受けとめました。
 疲れました。ようやく終わった。
 観ながら感想をつぎ足しています。
 なお、『ツイン・ピークス』は、架空の土地の名称です。  

2025年03月26日

投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント 第2版

投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント 第2版 バートン・マルキール チャールズ・エリス 鹿毛雄二(かげ・ゆうじ)・鹿毛房子(かげ・ふさこ)訳 日本経済新聞出版

 もう何冊か、この類(たぐい)の本は読みました。
 どれも、内容は似たり寄ったりです。
 指示される手法はひとつなのです。
 分散投資、そして、長期投資です。
 さて、読み始めます。

(1回目の本読み)
 わたしは、実用書を読むときは、まずゆっくりページをめくりながら、最後のページまで目をとおします。
 目をとおしながら、どんなことがどのあたりに書いてあるのかを把握します。

 お金の話です。
 『まず貯蓄を始めよう』

 インデックス・ファンドという手法(投資信託)
 なんというか、どの本にもこの手法が書いてあります。ベストの手法なのです。
 具体的には、今でいうところの次のふたつぐらいの投資信託を買うのです。
 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
 eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
 でも、わたしは買いません。わたしにはわたしの楽しみ方があります。内緒です。
 インデックス・ファンドの強みとして、税金面で有利、手数料もいい感じとあります。
 子孫への相続用として最適みたいな書き方がしてあります。次世代のために相続用の余裕資金を投資するのです。

 ウォーレンバフェットさんの記事が複数回出てきます。
 彼の買うものを買っていれば安心という風潮があります。
 最近では、日本の商社株に関するニュースがありました。
 バフェットさんの会社:バークシャー・ハサウェイ

 『多くのファンドが天井で買って底で売っている』
 その反対にしないと損をしてしまいます。

 確実にお金を増やすには、『複利』を使う。(雪の玉をころがすようにお金を大きくしていく)

 節約について書いてあります。
 同じ品物・商品を、値段が安い時期に購入する。外食、映画鑑賞(映画館へ行かずにテレビで観る)、古本を買う、エアコンの使用方法、家計簿をつける、ピークを避けた旅行、いろいろ書いてあります。

 税の優遇を受ける。NISA(ニーサ)です。少額投資非課税制度

 自分の家を持とう。(同感です。戸建てです。マンションは維持費の負担が重い(管理費、修繕積立金、駐車場代などがあり、さらに固定資産税があります)

 『今すぐ節約を始めよう』と書いてあります。ニコチンやアルコール、ギャンブルでお金を浪費していると貧乏神が喜びながら近づいてきます。

 ふと変なことが頭に浮かびました。
 しばらく前に、銀行員による銀行貸金庫での窃盗(せっとう。泥棒)事件がありました。
 貸金庫に入れたまま亡くなって、相続人がいない。相続の手続きがなされない。利用料は、口座にたんまりある預金から差し引かれる。だれも、貸金庫の中身を見ることがない。そういう事例って、じっさいにあるのじゃないか…… あるとしたら、財産が、ずーっと放置されます。

 『成功の鍵は、忍耐力、努力の継続、ミスを最小限にとどめること』(何についてでも、そういえます。ミスをしない人はいません。どうやってミスを小さくするか。致命的なミスを避けるかという危機管理意識は大事です)

 『自信過剰ほど怖いものはない』(不祥事発生の原因にもなります。強大な権力をもった人や、売れっ子芸能人についてもいえます)

 『証券会社の営業員の目的は、手数料稼ぎだ』
 頻繫に(ひんぱんに)株を売買しないほうがいい。投資信託も同様です。
 個人投資家の選択として:個別株は買わない。アクティブ運用の投資信託も買わないほうがいい。(指数を上回る運用成果をめざす投資信託のこと)。手数料の安いインデックス・ファンドを買って持ち続ける。

 KISS:Keep It Simple,Sweetheart
 う~む。ちょっと意味不明ですが、書いてあるのは、次のようなことです。
 お金もちになるための秘訣、基本ルールです。
 若いうちから定期的に貯めるとか、会社と国の支援を利用するとか、書いてあります。ちょっとアメリカ合衆国と日本では状況が異なるかもしれません。
 クレジットカードのローンは利用しない。これはそのとおりです。利用するとお金は出ていくばかりです。貯まりません。カード会社の甘い勧誘にのってはいけません。

 現役をリタイアしてからの投資の進め方について書いてあります。


(2回目の本読み)
 う~む。
 1回目の本読みで、要点は網羅したような。もうら:残らず取り入れた。
 2回目は、自分の考えを中心にして書いてみます。

 資産配分が大事とあります。
 現実には、家族もちであれば、自分(個人)の資産と、世帯(家全体)の資産があります。
 両者を組み合わせて、どうしたらいいかと考えながら投資活動をします。大事なのは、家庭円満、家族関係が円満であることです。お互いに気を使いながら生活したほうがいい。
 
 著者はバンガードという会社の関係者なのでしょう。バンガード(アメリカ合衆国の資産運用会社)のファンドを使うといいですよという宣伝があります。

 『支出を収入より少なくすること』(まあ、あたりまえのことですが、そうできない人もいます。収入よりも支出が多い人は、お金はたまりません。借金は増えます。収入がいくら多くても、それ以上に使えば、お金はなくなります)

 『クレジットカードのローンは利用しない』(鉄則です。クレジットカード会社の甘い誘いに乗ると自らの墓穴(ぼけつ)を掘ることになります。けして、カードローンを使ってはなりません)

 ウォーレンバフェット氏を讃える(たたえる)言葉が何か所か出てきます。
 彼は、何兆円ももっているけれど、生活は普通だとあります。
 ウォーレンバフェット氏は、投資家として特別な存在だそうです。天才扱いです。
 自分が知らない業種の株は買わない。(彼は、ハイテク株は買わない。同様にわたしは、半導体株は買いません。本では、そのときの流行にものらないと書いてあります)

 『クルマにお金をかけない』(資産として、高級車をもつ人はいます。ただ維持費は高い。自動車保険、燃料、点検・整備、高速道路料金、駐車料金などにたくさんお金がかかります)

 アメリカ合衆国についての考察:アメリカ合衆国の消費者は、長年に渡って、収入以上にお金を使う生活を送ってきた。過剰な消費、不十分な貯蓄、多額の借金という状態だった。アメリカ経済の一部が振るわないのは、アメリカ合衆国以外の国のせいだけではないのです。そんなことが書いてあります。
 
 『自分の家を持とう』
 同感です。マンションではなく、戸建てのほうがいい。資産の形成(土地・建物の不動産という価値)があります。家賃を払わなくていい。
 家賃は、固定資産税よりもかなり高い。住んでいる間はずーっと続くという高負担な固定費です。
 こちらの本には、カードローンはダメだが、住宅ローンは、OKという記述があります。

 『株取引、投資信託取引をするときは、手数料の負担を減らそう』とあります。
 手数料を気にする人は気にするけれど、気にしない人は気にしないという傾向があると感じています。

 『先のことはだれにもわからない』
 同感です。ふりかえってみれば、経済動向の解説者とか、分析家とかいう人たちの未来予想は、あまり当たっていません。
 むしろ、現実の経済動向は、そんなことがあるのかという意外な方向へ行くか、よくない方向へいくか(物事は常に最悪の方向へ行くと思っていたほうがいい)です。なるようになるしかないのです。それでも、世の中は動いていくのです。犠牲者は出ますが、人類全体が滅亡するわけではありません。

 『株の保有期間は永遠だ』
 実態として、買った株を何十年間も持ち続けている人は案外多いと思います。買った本人は亡くなっています。相続で、子孫が引き継いでいます。引き継いだ人間も株の売却はしません。永久保存の遺産です。毎年、年2回ぐらい配当金が出ます。年金みたいです。株主優待も受けられます。
 現実のこととして、日本では、1980年代バブル経済が始まる前に買った株を今も保有している人はいます。何十年間が経過して、途中、浮き沈みはありましたが、売らなかった複数の株の資産のトータルでは浮いている人がいます。
 株は余裕資金でやる。なるべく安値で買う。買ったら売らない。配当金や株主優待品を楽しむ。そういう人もいます。

 『ETF(上場投資信託)も悪くはない』とあります。わたしには知識がないので内容はわかりません。

 『(分散投資の原則に反して)ひとつだけの銘柄に資金をつぎ込む』。
 例示として、『バークシャー・ハサウェイ』につぎ込む。
 もうひとつは、中国株につぎ込む。そういう投資のしかたもないわけではないと書いてあります。

 『一時的な値上がりの時に、全資産を使って、株を買ってはいけない』
 投資した額を取り戻せなくなります。株価は下がります。

 『失敗』について書いてあります。
 人間に失敗はつきものです。どうしたって、避けることができません。
 本には、小さな失敗はしかたがないが、大きな失敗はしないようにしようと書いてあります。
 わたしが思うに、大きな失敗=法令違反で処罰を受けるような失敗です。

 まわりの雰囲気に飲まれて同調しない。
 報道などの情報は疑ったほうがいい。相手の都合がいいように、洗脳されてはいけない。マインドコントロール(考え方を相手にコントロールされる)されてはいけない。
 大きな資金力をもっている組織が株価を思いのままに動かして金儲けをしていると感じるときがあります。個人投資家はその裏をかいて、すきまを縫うようにして利益を手に入れられたらいいと、自分なりに秘訣(ひけつ、コツ)を思索しています。ぼーっとしていたら、お金が溶けるように消えていく恐怖感は常にもっていたいものです。  

Posted by 熊太郎 at 07:03Comments(0)TrackBack(0)株式投資