2025年03月05日
いやよいやよも旅のうち 北大路公子
いやよいやよも旅のうち 北大路公子(きたおおじ・きみこ) 集英社文庫
『わたしの、本のある日々 小林聡美(こばやし・さとみ) 毎日文庫』で紹介されていた本です。
旅の本だと思って読み始めました。
ところが、著者である北大路公子さんは、旅好きではないのです。
旅はめんどくさいそうです。ご自身を、『留守番人』と称しておられます。自宅に居たい人です。
まあ、旅行へ行けば、トラブルはつきものです。旅はめんどくさいものです。
それでも行きたいのは、新しい世界の発見があるからです。知らないことを知る楽しみがあります。景色、食べ物、人、興味は尽きません。
著者の場合は、雑誌の企画です。物書きは、文章を書いてお金をもらって生活していかねばなりません。2017年(平成29年)から2019年(令和元年)まで、『小説すばる』に連載されています。
なんというか、旅行記というものは、行った本人は盛り上がりますが、ほかの人にとっては、よそ事です。なにか、ユニークさがないと読まれません。お役立ち情報がないと横を向かれます。
本の内容を見てみると、熊太郎じいさんも行ったことがある場所です。
札幌、富士急、盛岡、伊勢神宮、高松、こんぴらさん、那覇などの場所です。
さて、読み始めます。
『北海道編 札幌・恵庭(えにわ)』
埴輪(はにわ)の話です。埼玉県行田市(ぎょうだ市)に行った。古墳のまちだった。オリジナル埴輪をつくった。著者は北海道民です。そんなことがあれこれ書いてあります。
(札幌)
う~む。旅の参考にはならないような内容です。
そんな感想をもちながら読んでいたら、偶然がふたつ発生しました。びっくりしました。
この本を読んでいたときの朝のネットニュースで、札幌市内にある私立の動物園が、管理内容がひどいので、市が閉園命令を出すというような記事が出ました。その動物園が、本の中に出てきたのでびっくりしました。本の記述にもありましたが、私設動物園は相当ひどい状態です。動物がひどいめにあっています。管理者は開き直っていて、どこが悪いという態度だそうです。そんな動物園があるのか。わたしが感ずる動物園は、世界で一番平和な場所、子ども連れで、安心して行ける場所というものですが、そうではないようです。びっくりしました。
本では、動物園の入口にこう表示があるそうです。『当園は普通の動物園ではありません。危険です。ケガや物損は保障できません!全て自己責任です……』(おそろしいところです)
もうひとつの偶然は、わたしは、電子書籍で週刊誌を読んでいるのですが、この本を途中まで読んだあと、電子書籍の週刊誌を見たら、こちらの著者さんの本の紹介記事が載っていて、びっくりしました。
『キミコのよろよろ養生日記 北大路公子 集英社』です。偶然が重なりました。とにかく、びっくりしました。
文章にはリズムがあります。読みやすい。文章に勢いもあります。
されど、旅の役には立たない内容です。
イヤイヤながらの旅行です。文章を書いて、オゼゼをもらうための旅行です。記事のネタのために体験にチャレンジします。もはや、余暇とか趣味ではなく、仕事ですな。
北海道ですから、雪です。大雪です。
それから温泉です。
アルパカ飼育体験にも参加します。訪れた場所は、『えこりん村』というところだそうです。
なんというか、全体的に、地味ですなあ。
『山梨編 富士急・青木ヶ原樹海』
成田離婚:新婚旅行でケンカして、成田空港で離婚を決意すること。
ジェットコースターを楽しみます。
熊太郎じいさんは、『ドドンパ(現在は営業終了)』と『FUJIYAMA』は、同じジェットコースターだと思っていました。
著者さんたちが行ったときは、『ドドンバ』がリニューアルのため工事中で、著者さんたちは、『FUJIYAMA』に乗ったそうです。
66ページあたりに、じょうずに、乗車体験が記述してあります。スリリングです。(ヒヤヒヤする)。おもしろい。『FYJIYAMA』の乗車時間は、3分36秒だそうです。
ジェットコースターは、最後尾が一番こわいという話は初めて聞きました。うちの小学生の孫たちは、一番前に乗りたがります。そして、何度も何度も乗ります。名古屋の東山動物園にあるジェットコースターです。そうか、一番後ろが一番こわいのか。ちびたちに教えてあげよう。
青木ヶ原樹海で冒険コースです。プレミアムBコースというアクティビティ(活動)です。
富士山もいつかは噴火します。いつ噴火するのか、『今でしょ』がおもしろかった。今、噴火してもおかしくはない時期なのです。
洞窟見学があります。(熊太郎じいさんは、福岡県の平尾台というとこで、鍾乳洞(しょうにゅうどう)見学をしたことがあります。夏なのに寒かった。そんなことを思い出しました)。本の中では、『富士風穴(ふじふうけつ)』の見学です。
なかなかおもしろい記述でした。
『岩手編 花巻・遠野・盛岡』
座敷わらしの話が出ます。
水谷豊さんの主演で、『HOME 愛しの座敷わらし』がありました。原作小説は、『愛しの座敷わらし(いとしの)上・下 荻原浩 朝日文庫』です。なかなかいいお話でした。
読んでいて思うのは、旅というものは、若いうちにしておいたほうがいい。歳をとると、感性が枯れています。思考や感情に潤い(うるおい)がありません。現実主義になってしまうのです。
本に書いてある、『カッパ』の部分を読んでいると、出川哲朗さんの充電バイクの旅で、たしかロケがあったと、そのときのシーンが思い出されるのです。東野・岡村の旅猿でもロケがあったかもしれません。ちょっと記憶がおぼろげです。
尾崎放哉(おざき・ほうさい):俳人。1926年(大正15年)41歳没
わんこそばの記事があります。熊太郎じいさんは、わんこそばは食べません。どうしてあんなにいそいで、そばを口の中に、ほおりこまなければならないのだろうか。そばは、ゆっくり味わって食べたい。
この本は、日記形式のエッセイです。
なんというか、記録をすることが好きな人は、こどものころから、コツコツと日記をつけています。生まれながらにコツコツ記録することが、苦にならないのです。
おそらく、古代邪馬台国の時代からそういう人っていたのだと思います。だから、過去の歴史が未来においてもある程度わかるのでしょう。
『三重県 伊勢神宮』
伊勢神宮あたりは何度か行ったことがあります。
記事には伊勢市のそばにある鳥羽市(とば市)もあります。そちらも何度か訪れました。
お伊勢参りです。休日はかなり混雑します。平日はそうでもなかった記憶ですが、今はどうかわかりません。
著者は、札幌の人ですから、新千歳空港から中部セントレア空港へ飛行機移動をして、名古屋駅からJR電車利用です。
最初に、『夫婦岩(めおといわ)』へ行かれています。その後、その日の宿泊地、鳥羽市へ移動されています。駅からホテルまで、ホテルが用意してくれたリムジンカーを利用されています。
熊太郎じいさんはリムジンには乗ったことがないので、乗り方・座り方が本に書いてありおもしろいなあと思いました。中に段差があるので、まず座ってから段差を乗り越えないと、足が段差に当たってころんでしまうそうです。外から見るのと中のようすは違うようです。
翌日が伊勢神宮参拝です。伊勢神宮の正式名称は、『神宮』です。
外宮(げくう)と内宮(ないくう)が離れた場所にあります。まず、外宮をお参りしてから、内宮へ行くのが正式な順序です。外宮には大きな樹木がたくさんあって、神秘的です。落ち着いた雰囲気が広がっています。
本には、著者が書いたイラストマンガがのっています。それほどおじょうずでもありませんが、雰囲気は伝わってきます。
赤福餅(あかふくもち)の記述がおもしろかった。餅とあんこが逆ではないかと指摘されています。(なるほど、そのとおりです。もちのまわりにあんこがあります。赤福はそういうものだという思い込みが熊太郎じいさんにはあったので、逆じゃないかという発想が生まれてきませんでした)
記事にはありませんでしたが、『伊勢うどん』という土地の名物もあります。お汁がなくて、黒いつゆを麺(めん)にからめて食べます。独特ですが、熊太郎じいさんは好きです。麺は太いです。
お寺さんで、『写経(しゃきょう。お経を書く)』をされています。
熊太郎じいさんは、その部分を読んだ時に、自分が京都の苔寺(こけでら。西芳寺(さいほうじ))で写経をしたときのことを思い出しました。感想メモが残っています。人間って、けっこういいかげんなのです。
『般若心経(はんにゃしんぎょう)の写経をしていたとき、広間に100人ぐらいでしょうか、年配の人が多いのですが、あらかじめうすく書かれているお経(おきょう)を筆でなぞっていくのです。『左側から書けばいいよ(筆を持った右手に墨がつかないから。本来は漢字の縦書きなので右から左へ書く)』というささやき声が聞こえたり、『(見学時間がないから)書いてあとから送ればいい』とか、そんな声にそれはいけないと思うと首をかしげていたら、10人ぐらいが並んでいたわたしの列はわたしたち夫婦を残していつのまにか、だれもいなくなっていました。うーむ、自分で自分の快適な世界をつくるという技(わざ)もありだなとみなさんを責める気にはなれませんでした。(狭い場所だったので、自分が楽になったこともあります。ちなみにわたしも正座をすると足がしびれるのはわかっていたので、最初からあぐらをかいて書きました。)
『名古屋めし』のことが書いてあります。ギョーザ、サラダ、ビールは、ちがうんじゃないかと思いました。熊太郎じいさんが思いつくのは、味噌カツ、手羽先、エビフライ、ひつまぶし、台湾ラーメン、味噌煮込みうどん、きしめん、てんむす、鉄板にのったスパゲティ(イタリアンとかミートとか)、モーニングセット、そんな感じです。
『香川県 高松・こんぴらさん』
高松駅あたりとか、小豆島(しょうどしま)、金毘羅山(こんぴらさん)には、熊太郎じいさんも行きました。
本では、いやいや旅をしているという記述が続きます。
そんなに無理をしてまで旅をしなくてもいいのにと、疑問をもちました。(お金のための旅体験です。旅体験を文章にして出版社から原稿料をもらいます)
新千歳空港から、高松空港まで飛ぶのです。著者はめんどくさがりやです。
同行者は雑誌社の方のようです。
彼女が言います。『大丈夫ですよ!「いやよ旅」ですから……』(へんなの)
初めて見た、『瀬戸内海』の感想が書いてあります。熊太郎と同じ感想が書いてあります。静かなのです。海面はおだやかで、海とは思えないのです。湖のようです。
水族館の紹介記事があります。
そのあと、源平合戦の話があります。歴史が好きでないと楽しめないかも。
以前、太川陽介さんとえびすよしかずさんの路線バス乗り継ぎの旅で、長野県にある川中島の合戦があったあたりを路線バスで通りかかったときに、えびすさんが、『(川中島の合戦って)源氏と平家だったよね(戦った両者は、武田信玄と上杉謙信です)』と言ったので笑ったことを思い出しました。
延々と書いてある著者のつぶやきは、自問自答形式です。
同著者で、この本を読む前に読んだ本があります。
『ぐうたら旅日記 恐山・知床をゆく 北大路公子(きたおおじ・きみこ) PHP文芸文庫』
そちらの旅日記は、なんの役にも立ちませんでした。エッセイというよりも、雑記(ざっき)でした。正式な原稿になる前の荒い文章のかたまりに感じました。
されど、こちらの、『いやよいやよも旅のうち』は、けっこうおもしろい。
こちらの本は、2020年(令和2年)の発行ですから、ちゃんとしたのでしょう。
ぐうたら旅日記のほうは、2012年(平成24年)に単行本が発行されています。文庫本は、2016年(平成28年)に発行されています。
やる気のない旅人である著者です。
高松市内のタクシーの中で、北海道から来ていると言ったら、運転手が、自分がバイクで北海道を回った時の思い出話をします。ところが、著者は、北海道札幌居住者なのに、タクシー運転手が話す北海道内観光地へ行ったことがありません。たいていの人の人生って、そんなものなのかも。
下ネタがおもしろい。
四国高松ですから、讃岐うどん(さぬきうどん)の食堂を探します。
『ぽんぽん』というお店を探しているはずが、スマホで、『ぽこぽこ』と検索してしまい、『ち〇ぽこ』が出てきてしまいます。
文章にリズムがあって読みやすい。
2019年(平成31年)3月に、すでに閉館したそうですが、『高松平家物語歴史館』での、蝋人形(ろうにんぎょう)見学レポートがあります。まるで、遊園地にある幽霊屋敷の中を歩いているようなレポートで、おそろしいものがありましたが、歴史話にからめた文章で、なかなかいい感じでした。秀逸な記述です。
高松城跡の、『玉藻公園(たまもこうえん)』で、お城の内堀を周遊する、『城舟体験(じょうせんたいけん)』に参加します。わたしも訪問したことがある場所なので、そのときのことを思い出しながら文章を読みました。わたしが訪問したときは、城舟体験というものは見なかったのですが、じっさいに行ったことがある場所だと、文章を読んでいると、自分もそこにいるようで、なかなかいい感じでした。
2013年(平成25年)から城舟体験が始まったそうです。わたしが、現地を訪れたのは、2008年(平成20年)でした。
こんぴらさんに登ります。かなり高い山の上に社(やしろ)があります。わたしは、19歳のときに登りました。かすかに頂上風景が脳裏に残っています。たくさんの階段がありました。こちらの本には、『1368段』と書いてあります。
260ページに、著者は、麻雀(マージャン)のルールを亡くなった父親に教えてもらったと書いてあります。
わたしは、囲碁将棋を習っている孫たちには囲碁将棋では勝てないので、自分が若い時から楽しんでいるマージャンなら勝てるだろうと思い、小学生の孫たちにマージャンを教えています。じじばばと孫たち4人で卓を囲みます。
二泊三日の讃岐旅が終わりました。
『沖縄編 那覇』
わたしが沖縄に行ったときは、わたしはまだ二十歳すぎだったと思います。友人たちと行きました。
当時の感想として、沖縄で暮らす現地の人たちは、心がとても優しいと思いました。
泊まったホテルで、今はもう亡くなってしまいましたが、谷村新司さんを見ました。わたしがロビーのソファーセットに座って友だちが来るのを待っていたら、谷村新司さんが来て、お向かいのソファーセットに座られました。びっくりしました。そのあと、スタッフの人と打ち合わせをされていました。谷村新司さんはたいそう胸板の厚い、がっちりした体をされていました。あんな丈夫そうな人だったのに、まだ若いのに亡くなって残念です。
さて、こちらの本を読みます。
う~む。また、行きたくないから始まります。こんなに行きたくない沖縄ってある?! というのが項目です。(なら、やめればいいのに)
ふと、自分が若い頃もっていた夢を思い出しました。
定年退職をしたら、北海道で一時的に暮らしてみたい。
秋から暮らし始めて、雪深い寒い冬を越して、春を迎える喜びを体全体で味わってみたい。
そして、定年退職をしました。
行きたくありません。寒いのはいやです。寒いのはだめです。
著者の気持ちもそんな感じだろうか。
(274ページに、「(沖縄に旅行へ行ったら)そのまま半年ぐらい沖縄に住んでみたいなあ……」と書いてあります)
著者は、沖縄の海で、セパレートタイプの水着姿になるという企画にのれないという気持ちです。腹が出ているらしい。
シュノーケリングもやるらしい。
海中で熱帯魚に囲まれてエサやりをした影響もあって、船酔いでふらふらになって、あんまり楽しくない、もうやりたくないそうです。
行きたくない沖縄の話が続きます。
おきなわワールドというところへ行って、セグウェイ(電動立ち乗り二輪車。1台100万円ぐらいする)に乗って移動して、雨が降り始めました。
なんだかさえない沖縄旅のリポートでした。何しに行ったのだろう。
『あとがき』
富士急ハイランドで入らなかったお化け屋敷に入っておけばよかったというようなことが書いてあります。
旅では、チャンスを見送ると、もう二度と人生で同じことを体験することができなくなったりもします。後悔するのがイヤなら、とりあえず、やっておいたほうがいい。
『わたしの、本のある日々 小林聡美(こばやし・さとみ) 毎日文庫』で紹介されていた本です。
旅の本だと思って読み始めました。
ところが、著者である北大路公子さんは、旅好きではないのです。
旅はめんどくさいそうです。ご自身を、『留守番人』と称しておられます。自宅に居たい人です。
まあ、旅行へ行けば、トラブルはつきものです。旅はめんどくさいものです。
それでも行きたいのは、新しい世界の発見があるからです。知らないことを知る楽しみがあります。景色、食べ物、人、興味は尽きません。
著者の場合は、雑誌の企画です。物書きは、文章を書いてお金をもらって生活していかねばなりません。2017年(平成29年)から2019年(令和元年)まで、『小説すばる』に連載されています。
なんというか、旅行記というものは、行った本人は盛り上がりますが、ほかの人にとっては、よそ事です。なにか、ユニークさがないと読まれません。お役立ち情報がないと横を向かれます。
本の内容を見てみると、熊太郎じいさんも行ったことがある場所です。
札幌、富士急、盛岡、伊勢神宮、高松、こんぴらさん、那覇などの場所です。
さて、読み始めます。
『北海道編 札幌・恵庭(えにわ)』
埴輪(はにわ)の話です。埼玉県行田市(ぎょうだ市)に行った。古墳のまちだった。オリジナル埴輪をつくった。著者は北海道民です。そんなことがあれこれ書いてあります。
(札幌)
う~む。旅の参考にはならないような内容です。
そんな感想をもちながら読んでいたら、偶然がふたつ発生しました。びっくりしました。
この本を読んでいたときの朝のネットニュースで、札幌市内にある私立の動物園が、管理内容がひどいので、市が閉園命令を出すというような記事が出ました。その動物園が、本の中に出てきたのでびっくりしました。本の記述にもありましたが、私設動物園は相当ひどい状態です。動物がひどいめにあっています。管理者は開き直っていて、どこが悪いという態度だそうです。そんな動物園があるのか。わたしが感ずる動物園は、世界で一番平和な場所、子ども連れで、安心して行ける場所というものですが、そうではないようです。びっくりしました。
本では、動物園の入口にこう表示があるそうです。『当園は普通の動物園ではありません。危険です。ケガや物損は保障できません!全て自己責任です……』(おそろしいところです)
もうひとつの偶然は、わたしは、電子書籍で週刊誌を読んでいるのですが、この本を途中まで読んだあと、電子書籍の週刊誌を見たら、こちらの著者さんの本の紹介記事が載っていて、びっくりしました。
『キミコのよろよろ養生日記 北大路公子 集英社』です。偶然が重なりました。とにかく、びっくりしました。
文章にはリズムがあります。読みやすい。文章に勢いもあります。
されど、旅の役には立たない内容です。
イヤイヤながらの旅行です。文章を書いて、オゼゼをもらうための旅行です。記事のネタのために体験にチャレンジします。もはや、余暇とか趣味ではなく、仕事ですな。
北海道ですから、雪です。大雪です。
それから温泉です。
アルパカ飼育体験にも参加します。訪れた場所は、『えこりん村』というところだそうです。
なんというか、全体的に、地味ですなあ。
『山梨編 富士急・青木ヶ原樹海』
成田離婚:新婚旅行でケンカして、成田空港で離婚を決意すること。
ジェットコースターを楽しみます。
熊太郎じいさんは、『ドドンパ(現在は営業終了)』と『FUJIYAMA』は、同じジェットコースターだと思っていました。
著者さんたちが行ったときは、『ドドンバ』がリニューアルのため工事中で、著者さんたちは、『FUJIYAMA』に乗ったそうです。
66ページあたりに、じょうずに、乗車体験が記述してあります。スリリングです。(ヒヤヒヤする)。おもしろい。『FYJIYAMA』の乗車時間は、3分36秒だそうです。
ジェットコースターは、最後尾が一番こわいという話は初めて聞きました。うちの小学生の孫たちは、一番前に乗りたがります。そして、何度も何度も乗ります。名古屋の東山動物園にあるジェットコースターです。そうか、一番後ろが一番こわいのか。ちびたちに教えてあげよう。
青木ヶ原樹海で冒険コースです。プレミアムBコースというアクティビティ(活動)です。
富士山もいつかは噴火します。いつ噴火するのか、『今でしょ』がおもしろかった。今、噴火してもおかしくはない時期なのです。
洞窟見学があります。(熊太郎じいさんは、福岡県の平尾台というとこで、鍾乳洞(しょうにゅうどう)見学をしたことがあります。夏なのに寒かった。そんなことを思い出しました)。本の中では、『富士風穴(ふじふうけつ)』の見学です。
なかなかおもしろい記述でした。
『岩手編 花巻・遠野・盛岡』
座敷わらしの話が出ます。
水谷豊さんの主演で、『HOME 愛しの座敷わらし』がありました。原作小説は、『愛しの座敷わらし(いとしの)上・下 荻原浩 朝日文庫』です。なかなかいいお話でした。
読んでいて思うのは、旅というものは、若いうちにしておいたほうがいい。歳をとると、感性が枯れています。思考や感情に潤い(うるおい)がありません。現実主義になってしまうのです。
本に書いてある、『カッパ』の部分を読んでいると、出川哲朗さんの充電バイクの旅で、たしかロケがあったと、そのときのシーンが思い出されるのです。東野・岡村の旅猿でもロケがあったかもしれません。ちょっと記憶がおぼろげです。
尾崎放哉(おざき・ほうさい):俳人。1926年(大正15年)41歳没
わんこそばの記事があります。熊太郎じいさんは、わんこそばは食べません。どうしてあんなにいそいで、そばを口の中に、ほおりこまなければならないのだろうか。そばは、ゆっくり味わって食べたい。
この本は、日記形式のエッセイです。
なんというか、記録をすることが好きな人は、こどものころから、コツコツと日記をつけています。生まれながらにコツコツ記録することが、苦にならないのです。
おそらく、古代邪馬台国の時代からそういう人っていたのだと思います。だから、過去の歴史が未来においてもある程度わかるのでしょう。
『三重県 伊勢神宮』
伊勢神宮あたりは何度か行ったことがあります。
記事には伊勢市のそばにある鳥羽市(とば市)もあります。そちらも何度か訪れました。
お伊勢参りです。休日はかなり混雑します。平日はそうでもなかった記憶ですが、今はどうかわかりません。
著者は、札幌の人ですから、新千歳空港から中部セントレア空港へ飛行機移動をして、名古屋駅からJR電車利用です。
最初に、『夫婦岩(めおといわ)』へ行かれています。その後、その日の宿泊地、鳥羽市へ移動されています。駅からホテルまで、ホテルが用意してくれたリムジンカーを利用されています。
熊太郎じいさんはリムジンには乗ったことがないので、乗り方・座り方が本に書いてありおもしろいなあと思いました。中に段差があるので、まず座ってから段差を乗り越えないと、足が段差に当たってころんでしまうそうです。外から見るのと中のようすは違うようです。
翌日が伊勢神宮参拝です。伊勢神宮の正式名称は、『神宮』です。
外宮(げくう)と内宮(ないくう)が離れた場所にあります。まず、外宮をお参りしてから、内宮へ行くのが正式な順序です。外宮には大きな樹木がたくさんあって、神秘的です。落ち着いた雰囲気が広がっています。
本には、著者が書いたイラストマンガがのっています。それほどおじょうずでもありませんが、雰囲気は伝わってきます。
赤福餅(あかふくもち)の記述がおもしろかった。餅とあんこが逆ではないかと指摘されています。(なるほど、そのとおりです。もちのまわりにあんこがあります。赤福はそういうものだという思い込みが熊太郎じいさんにはあったので、逆じゃないかという発想が生まれてきませんでした)
記事にはありませんでしたが、『伊勢うどん』という土地の名物もあります。お汁がなくて、黒いつゆを麺(めん)にからめて食べます。独特ですが、熊太郎じいさんは好きです。麺は太いです。
お寺さんで、『写経(しゃきょう。お経を書く)』をされています。
熊太郎じいさんは、その部分を読んだ時に、自分が京都の苔寺(こけでら。西芳寺(さいほうじ))で写経をしたときのことを思い出しました。感想メモが残っています。人間って、けっこういいかげんなのです。
『般若心経(はんにゃしんぎょう)の写経をしていたとき、広間に100人ぐらいでしょうか、年配の人が多いのですが、あらかじめうすく書かれているお経(おきょう)を筆でなぞっていくのです。『左側から書けばいいよ(筆を持った右手に墨がつかないから。本来は漢字の縦書きなので右から左へ書く)』というささやき声が聞こえたり、『(見学時間がないから)書いてあとから送ればいい』とか、そんな声にそれはいけないと思うと首をかしげていたら、10人ぐらいが並んでいたわたしの列はわたしたち夫婦を残していつのまにか、だれもいなくなっていました。うーむ、自分で自分の快適な世界をつくるという技(わざ)もありだなとみなさんを責める気にはなれませんでした。(狭い場所だったので、自分が楽になったこともあります。ちなみにわたしも正座をすると足がしびれるのはわかっていたので、最初からあぐらをかいて書きました。)
『名古屋めし』のことが書いてあります。ギョーザ、サラダ、ビールは、ちがうんじゃないかと思いました。熊太郎じいさんが思いつくのは、味噌カツ、手羽先、エビフライ、ひつまぶし、台湾ラーメン、味噌煮込みうどん、きしめん、てんむす、鉄板にのったスパゲティ(イタリアンとかミートとか)、モーニングセット、そんな感じです。
『香川県 高松・こんぴらさん』
高松駅あたりとか、小豆島(しょうどしま)、金毘羅山(こんぴらさん)には、熊太郎じいさんも行きました。
本では、いやいや旅をしているという記述が続きます。
そんなに無理をしてまで旅をしなくてもいいのにと、疑問をもちました。(お金のための旅体験です。旅体験を文章にして出版社から原稿料をもらいます)
新千歳空港から、高松空港まで飛ぶのです。著者はめんどくさがりやです。
同行者は雑誌社の方のようです。
彼女が言います。『大丈夫ですよ!「いやよ旅」ですから……』(へんなの)
初めて見た、『瀬戸内海』の感想が書いてあります。熊太郎と同じ感想が書いてあります。静かなのです。海面はおだやかで、海とは思えないのです。湖のようです。
水族館の紹介記事があります。
そのあと、源平合戦の話があります。歴史が好きでないと楽しめないかも。
以前、太川陽介さんとえびすよしかずさんの路線バス乗り継ぎの旅で、長野県にある川中島の合戦があったあたりを路線バスで通りかかったときに、えびすさんが、『(川中島の合戦って)源氏と平家だったよね(戦った両者は、武田信玄と上杉謙信です)』と言ったので笑ったことを思い出しました。
延々と書いてある著者のつぶやきは、自問自答形式です。
同著者で、この本を読む前に読んだ本があります。
『ぐうたら旅日記 恐山・知床をゆく 北大路公子(きたおおじ・きみこ) PHP文芸文庫』
そちらの旅日記は、なんの役にも立ちませんでした。エッセイというよりも、雑記(ざっき)でした。正式な原稿になる前の荒い文章のかたまりに感じました。
されど、こちらの、『いやよいやよも旅のうち』は、けっこうおもしろい。
こちらの本は、2020年(令和2年)の発行ですから、ちゃんとしたのでしょう。
ぐうたら旅日記のほうは、2012年(平成24年)に単行本が発行されています。文庫本は、2016年(平成28年)に発行されています。
やる気のない旅人である著者です。
高松市内のタクシーの中で、北海道から来ていると言ったら、運転手が、自分がバイクで北海道を回った時の思い出話をします。ところが、著者は、北海道札幌居住者なのに、タクシー運転手が話す北海道内観光地へ行ったことがありません。たいていの人の人生って、そんなものなのかも。
下ネタがおもしろい。
四国高松ですから、讃岐うどん(さぬきうどん)の食堂を探します。
『ぽんぽん』というお店を探しているはずが、スマホで、『ぽこぽこ』と検索してしまい、『ち〇ぽこ』が出てきてしまいます。
文章にリズムがあって読みやすい。
2019年(平成31年)3月に、すでに閉館したそうですが、『高松平家物語歴史館』での、蝋人形(ろうにんぎょう)見学レポートがあります。まるで、遊園地にある幽霊屋敷の中を歩いているようなレポートで、おそろしいものがありましたが、歴史話にからめた文章で、なかなかいい感じでした。秀逸な記述です。
高松城跡の、『玉藻公園(たまもこうえん)』で、お城の内堀を周遊する、『城舟体験(じょうせんたいけん)』に参加します。わたしも訪問したことがある場所なので、そのときのことを思い出しながら文章を読みました。わたしが訪問したときは、城舟体験というものは見なかったのですが、じっさいに行ったことがある場所だと、文章を読んでいると、自分もそこにいるようで、なかなかいい感じでした。
2013年(平成25年)から城舟体験が始まったそうです。わたしが、現地を訪れたのは、2008年(平成20年)でした。
こんぴらさんに登ります。かなり高い山の上に社(やしろ)があります。わたしは、19歳のときに登りました。かすかに頂上風景が脳裏に残っています。たくさんの階段がありました。こちらの本には、『1368段』と書いてあります。
260ページに、著者は、麻雀(マージャン)のルールを亡くなった父親に教えてもらったと書いてあります。
わたしは、囲碁将棋を習っている孫たちには囲碁将棋では勝てないので、自分が若い時から楽しんでいるマージャンなら勝てるだろうと思い、小学生の孫たちにマージャンを教えています。じじばばと孫たち4人で卓を囲みます。
二泊三日の讃岐旅が終わりました。
『沖縄編 那覇』
わたしが沖縄に行ったときは、わたしはまだ二十歳すぎだったと思います。友人たちと行きました。
当時の感想として、沖縄で暮らす現地の人たちは、心がとても優しいと思いました。
泊まったホテルで、今はもう亡くなってしまいましたが、谷村新司さんを見ました。わたしがロビーのソファーセットに座って友だちが来るのを待っていたら、谷村新司さんが来て、お向かいのソファーセットに座られました。びっくりしました。そのあと、スタッフの人と打ち合わせをされていました。谷村新司さんはたいそう胸板の厚い、がっちりした体をされていました。あんな丈夫そうな人だったのに、まだ若いのに亡くなって残念です。
さて、こちらの本を読みます。
う~む。また、行きたくないから始まります。こんなに行きたくない沖縄ってある?! というのが項目です。(なら、やめればいいのに)
ふと、自分が若い頃もっていた夢を思い出しました。
定年退職をしたら、北海道で一時的に暮らしてみたい。
秋から暮らし始めて、雪深い寒い冬を越して、春を迎える喜びを体全体で味わってみたい。
そして、定年退職をしました。
行きたくありません。寒いのはいやです。寒いのはだめです。
著者の気持ちもそんな感じだろうか。
(274ページに、「(沖縄に旅行へ行ったら)そのまま半年ぐらい沖縄に住んでみたいなあ……」と書いてあります)
著者は、沖縄の海で、セパレートタイプの水着姿になるという企画にのれないという気持ちです。腹が出ているらしい。
シュノーケリングもやるらしい。
海中で熱帯魚に囲まれてエサやりをした影響もあって、船酔いでふらふらになって、あんまり楽しくない、もうやりたくないそうです。
行きたくない沖縄の話が続きます。
おきなわワールドというところへ行って、セグウェイ(電動立ち乗り二輪車。1台100万円ぐらいする)に乗って移動して、雨が降り始めました。
なんだかさえない沖縄旅のリポートでした。何しに行ったのだろう。
『あとがき』
富士急ハイランドで入らなかったお化け屋敷に入っておけばよかったというようなことが書いてあります。
旅では、チャンスを見送ると、もう二度と人生で同じことを体験することができなくなったりもします。後悔するのがイヤなら、とりあえず、やっておいたほうがいい。
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