2025年03月14日

一年一組せんせいあのね こどものつぶやきセレクション

一年一組せんせいあのね こどものつぶやきセレクション 鹿島和夫(かしま・かずお)選 ヨシタケシンスケ絵 理論社

 まず、ざーっと1回目の本読みを、目を通すように読みました。
 良書です。
 今年読んで良かった1冊になりました。
 さて、これから、2度目の本読みに入ります。

 かなりおもしろい!

 1年生のちびっこたちがつぶやきます。
 心優しく、かわいい。

 『ありときりぎりす』という有名なイソップのお話があります。
 夏の間遊んでいたきりぎりすは、冬になって食べるものがなく困ってしまうのです。
 つぶやく1年生の男の子は、困り果てているきりぎりすを助けてあげて、『こんどの夏は、ちゃんとはたらきよ』といって、春まで泊めて(とめて)あげるそうです。
 優しい。相手を責めない。いい子です。

 体育の授業です。
 こどもは、てつぼうを10回しなければならないのに、せんせいは1回もやらない。不公平だとこどもさんが不満を訴えています。(おもしろい。そうだね。お手本をやってほしいよね。先生にちゃんと言えば、やってくれるよ)

 詩的なつぶやきがあります。
 冬のこおろぎです。
 こおろぎの動きがにぶい。

 おもしろい。本音や正直な気持ちが続きます。

 ヨシタケシンスケさんの絵がいい。
 やわらかくて、優しい絵です。

 『せんせいあのね なんでそらのほしは ほしのかたちがしてないの』(なるほど。夜空に見える星は、☆の形をしていません)

 『けっこん』が良かった。
 おとうさんは、おかあさんから申し込みがあったから結婚したと言う。
 おかあさんは、おとうさんが、結婚してくれなかったら死ぬと言ったから結婚してやったと言う。
 どっちが本当かわからない。
 ぼくはどっちでもいい。
 ぼくがいることがだいじなんだから。と結んであります。わたしは、おとうさんが言うことも、おかあさなんが言うことも、どっちも本当だと思います。

 『おふろ』は、おもしろすぎる。
 おふろの中で、弟がおしっこをした。
 おとうさんがそれを知らずに、おふろの中で顔を洗った。

 なかなかいい。ゆとりとか、余裕があります。
 『はみがき』という作品です。
 すっぱだかで、はみがきをすると、おちんちんが揺れると書いてあります。

 ちいさなお子さんによる、『観察』があります。
 遠い過去、自分がちびっこだったときを思い出します。
 自然の光景を観て、同じ感想をもったことがあります。
 雨つぶが、葉っぱの上をころがるようすについて、つぶやいてあります。
 ころころころと小さな水玉が、葉っぱの上をころがります。

 2回目の本読みを終えての感想です。
 ちょっとさみしげなこどもの世界を垣間見た気持ちになりました。

 2023年(令和5年)の発行で、2024年(令和6年)で8刷されています。
 良書です。

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