2022年05月19日
捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ 井出留美
捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ 井出留美 あかね書房
「捨てない」→ホームレス(住居の無い人)にあげるパンだろうかという発想をもちながら読み始めました。(読み始めてしばらくして、どうも違うようだと気づきました。ものを大事にして全部活用するという意味だろうか。自然環境に配慮して生活しましょうというようなことが書いてあるようです)
文章を書いた人は、井出留美さんという人ですが、書いてある内容は、パン職人である田村陽至さん(たむら・ようじさん)のことです。
井出留美さんが、田村さんのお話を聞いて、伝記のように仕上げてあるのでしょう。(伝記:個人の経歴と業績を記録した作品)
『まき窯(がま)』へのこだわりがあるようです。
ガスでも電気でもない燃料です。
樹木の保存と関連がありそうです。(あとでわかったこととして、東南アジアの自然林を守りましょうとか、まきにする木は、あとから再び枝が出てくるように切りますとかいう話が出ます(再生可能な燃料))
いろいろ予想しながら読み始める読書になりました。
『いのち』へのこだわりがあります。
パン生地(きじ。パンの形になる前の状態)は、生きているのです。
パンづくりの手順が書いてあります。
まき窯を熱くする。その間に翌日のパンをつくるための仕込み(準備)作業をする。
うち粉(手や台に粉がくっつかないようにする。強力粉、薄力粉、かたくり粉など)をまいた台の上でまるめた生地をつくる。生地は、しばらくそのままにしてから冷蔵庫に入れる。
熱くなったまき窯の焼床(やきどこ)に、前日こしらえた生地に、切れ目を入れて並べる。
パンに焼き色がついたら、取り出して棚に並べる。
読みながら感想をつぎたしていきます。
精神的なもの、気持ちなどを重視した内容になるようです。
心をこめて、パンを焼いて仕上げるのです。
<捨てないパン屋>という鍵をにぎる文節(ぶんせつ。フレーズ)が出てきました。
パン職人の田村陽至さんは、最初はパンが嫌いだった。
意外です。
ふと思うのです。
職場で、仕事の割り当てをされるときに、その仕事は自分には合わないからいやだなあと思うことがあります。
だけど、やってみたら、あんがい自分に合っていたということもあります。
やってみなければわからないのです。
田村陽至さんのご実家は広島でパン屋さんだそうです。
こどものころの田村陽至さんは、虫が好きで探検家になりたかったそうです。
たぶん昭和40年代から50年代の都市開発による田畑や里山の宅地化を体験されているのでしょう。虫や小動物が近所から姿を消しましたとあります。
地球の自然保護を目的とした環境活動家であるスェーデンのグレタ・トゥーンベリさんを思い出しました。(このあと23ページに、グレタ・:トゥーンベリさんの記事が出てきました)
(つづく)
62ページまで読みました。
ちょっとわかりにくいです。
田村陽至さんの体が地球上を転々と移動しています。
言葉でエピソードをつなげるよりも、箇条書きの形式で並べていただいたほうがわかりやすい。
(なんど読みかえしてもぼんやりしていて、経歴がよくわからない部分もありました)
『第4章 さすらいの旅』の冒頭にある絵が、江戸時代の旅人の姿としてある「旅がらす」の男性の絵でびっくりしました。
三度笠(さんどがさ)というのでしょうか、竹や草で編んだ大きな傘をかぶって、背中にはふろしき風のマントをはおって歩く姿です。
今の時代に、発想が古すぎるのではなかろうか。
(つづく)
65ページに『「ほんもの」のパンをつくろう』とありますが、そのままでは誤解を生みそうな表現です。では、ほかのパン屋さんがつくっているパンはニセモノなのかと言いがかりをつけられそうです。
自分は、なにかと気になる年配の読者です。
醗酵(はっこう):微生物が、パン生地をふくらませてくれる。「イースト」はパン酵母(こうぼ。菌(きん)の種類)のひとつ。「イースト」は、工場で大量につくる。
天然酵母(てんねんこうぼ)は、もともと自然界にいるもの。
素材へのこだわりは、こだわらない業者や関係者に敵対視されそうです。
説得力があるようでないような記述が続きます。
どちらのパンにするのかを決めるのは、消費者です。
「ブドウだね(種)」「ルヴァンだね(種 フランス語で発酵種)」
まき窯でパンを焼くときは、自分の判断で焼き具合を考えながら焼く。
ガスオーブンでパンを焼くときは、温度とタイマーを設定するだけで焼ける。
売れ残ったパンを捨てることが、この本のタイトル「捨てないパン屋の挑戦」と結びつくことが、75ページ付近まで読んでわかりました。
おいしいパンをつくって、売れ残らないパンにするということがメッセージとしての要点なのでしょう。食材をムダにしない。
「本日は売り切れました」と看板を表示するのです。完売御礼(かんばいおんれい)です。(本では、このあと、買ったあとも長持ちするパンの記述がありました)
消費期限:5日以内もつ食べものに表示する。
賞味期限:おいしさの期限を表示する。
(120ページまで読みましたが、田村陽至さんの経歴に関する時系列の経過がわかりにくいので整理します)
広島県広島市内にある祖父の代からのパン屋に後継ぎ候補の長男として生まれる。しかし本人にパン屋をやるというその気なし。
大学で、環境生物学を学ぶ。
大学卒業後:東京のパン屋『ルヴァン』をのぞく。自分で焼いたパンをその場で売る方式のパン屋だった。国産小麦粉と天然酵母を使用。(化学肥料や農薬を使用しない。工場で大量生産するイースト菌(酵母)を使用しない)
長野県乗鞍高原にあるパン屋『ル・コパン』をたずねる。まき窯でパンを焼いていた。国産の小麦粉とヤマブドウからつくった天然酵母、乗鞍高原の天然水を使用するパン屋。
父親の紹介で、石川県金沢市にあるパン屋に弟子入りして修行する。
フランスのパリ市にあるパン屋『ポワラーヌ』に興味をもつ。
そこでは、「カンパーニュ」というパンが焼かれていた。
「カンパーニュ」は、菓子パンではなく、主食としてのパンであった。フランス産の最高級小麦、天然の塩と酵母を使用して、まき窯で焼く。
夏、渓流釣りに行ったさきで、乗鞍高原の『ル・コパン』に立ち寄る。
自分もまねて、ル・コパンのブドウとクルミのパンをつくってみるが、うまくいかない。
パンの焼き方に理由があることに気づく。
あわせて、「ショートニング」という食用油脂の使用が体によくないことに気づく。
田村陽至さんいわく、プラスチックのようなものだということだそうです。
ショートニングの原料は、東南アジアにあるアブラヤシからとれるパーム油。
パーム油のために現地の自然が、大規模に破壊されている。
石川県金沢市のパン屋を飛び出す。
北海道:自然体験学校で、山ガイドの研修を受講して、山ガイドの見習いをした。(登山道を案内しながら登山をする仕事)
クラフト作家:手づくりで、工芸品、民芸品をつくる仕事。
沖縄県:自然体験学校を手伝う。乗馬、カヤック(手こぎボート)の体験コーナー、マングローブ林(水中から生えている樹木)、サンゴ礁の海の自然ガイドなどがあった。
田村陽至さんは、体験乗馬の客集めをやった。
田村陽至さんは、仕事場の上司の指示でモンゴルへ行く。
夏休みにモンゴルに来る大学生のツアーの世話だそうです。
(今年は、お笑いコンビオードリーの若林正恭さんの『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 文春文庫』を読みました。モンゴルへ旅したときのことが書いてあります。モンゴルでは、15歳以下のこどもも働いていると書いてありました)
この本の54ページにあるヒツジを解体して、料理して、食べる話は、感情的なショックが強い。
感受性の強い人だと気分が悪くなるかもしれません。
食べることは、命をいただくことという強調があります。
だから、命をむだにはできないのです。
(ホームページの情報として、2004年 平成16年)モンゴルから帰国後、広島市内にある実家のパン屋を引き継ぐ。
店舗名が『ドリアン』まき窯で焼く天然酵母のパンが売りゼリフです。
父親や職人たちとパンづくりをする。
食パン、菓子パン、天然酵母パンの混在販売がゆきづまる。
まき窯焼きに苦労する。
パンが売れ残って廃棄するようになる。
販売を「まき窯で焼く天然酵母パン」一本に絞る。(しぼる)
店は赤字になる。
田村陽至さんは、2008年(平成20年)夏、フランス、サンピエール村にあるパン屋「フーニル・ド・セードル」に修行に行きます。
その後、広島にあたらしいお店『ブーランジェリー・ドリアン』を開店しています。
有機栽培(ゆうきさいばい):化学肥料や農薬を使用しない農業。たい肥でつくった土を使用する。たい肥:家畜の糞尿を混ぜることが多い。
キーワード(物事のポイントをつかむためのきっかけとなる言葉)として『買いものは投票』
フランスは有機栽培でつくった小麦の自給率が高いから小麦の価格が安い。
逆に日本は有機栽培をしてつくる小麦の自給率が低いから有機栽培でつくった小麦の価格が高い。連動してパンの価格も高くなる。
フランスでは、一日三食の主食がパンだから大量のパンをつくる。
日本のようにお米が主食ではありません。
有機栽培でつくる日本の小麦の生産量が増えれば、価格は下がるという理屈でしょう。
有機栽培でつくった国産の小麦をたくさんの人に買ってほしい。
ポストハーベスト:小麦が長持ちするようにする農薬。海外から船で輸入するときに時間がかかるので使用している。
115ページのワインがらみの話は、小学生には理解しにくい。
小学生にはアルコール、飲酒のことはわからないと思います。
いわゆる「正義(せいぎ。今回の場合、お金のことを考えずに、損をしてもいいから自分の信じることをしようとする)」を貫こうとすると(つらぬこうとすると)、物事(ものごと)がうまく進んでいかなくなります。
田村陽至さんの有機栽培を使ったパンを売る新しいお店は、それまでお店で働いていた人もお客さんも失ってしまいました。残ったのは、田村陽至さんと未来の奥さんだけです。
いったんお店『ブーランジェリー・ドリアン』を閉める。(休業)
(ホームページ情報として 2012年 平成24年)夫婦でフランスのサンピエール村へパンづくりの修行に行く。
日本で、フランス式のまき窯を使用することにする。今までより短い時間でたくさんパンを焼ける。
フランス北西部ブルターニュ地方を視察して、パンづくりを手伝い学ぶ。
フランスは、おおらか、見た目に神経質にはならない。味が同じならいい。むだにしないという意識は高い。お金をたくさんもっていることが「豊か」ではない。必要以上のお金はいらない。家族と過ごす時間を大切にする。いっしょに飲食を楽しむ。
マルシェ:フランス語で市場(いちば)
フランスは農業国。
田村陽至ご夫妻は、オーストリア国首都ウィーンの名店『グラッガ―』で研修を受講する。
一日の労働時間が、朝8時から午後2時まで。そのうち昼休みが1時間含まれる。
5時間労働制。一日に10時間以上働くまき窯担当職人は、週休三日制になっている。
(2015年)フランスから帰国してパン屋『ブーランジェリー・ドリアン』を再開した。
つくったパンが完売するようになったのでしょう。
『<捨てないパン屋>になることができました』とページに文章があります。
シンプルな生活で『時間』というゆとりを手に入れる。
人生の大半を消費した自分も心がけます。
本を読んで記憶に残ったことです。食べ物を捨てないようにして大切に扱うというメッセージが主題なのでしょうが、むしろ、働き方改革の面のお話のほうが強めに書かれていました。
過去の日本人の働き方を否定する内容ですが、今の時代背景には合っている理屈です。
過去の日本人は、家族や自分の人生を犠牲にしながら会社や組織のために長時間労働で働き続けていました。職場の上司や同僚・部下が家族のようなものでした。組織の維持に貢献した見返りに、賃金と社会保障がありました。
これからは、個々が自分の未来を思い描いて、自分と家族の時間を大切にしながら人生を過ごしていくようになるのでしょう。
メリットもあれば、デメリットもあると思います。ここには書きません。自分で考えてください。
「捨てない」→ホームレス(住居の無い人)にあげるパンだろうかという発想をもちながら読み始めました。(読み始めてしばらくして、どうも違うようだと気づきました。ものを大事にして全部活用するという意味だろうか。自然環境に配慮して生活しましょうというようなことが書いてあるようです)
文章を書いた人は、井出留美さんという人ですが、書いてある内容は、パン職人である田村陽至さん(たむら・ようじさん)のことです。
井出留美さんが、田村さんのお話を聞いて、伝記のように仕上げてあるのでしょう。(伝記:個人の経歴と業績を記録した作品)
『まき窯(がま)』へのこだわりがあるようです。
ガスでも電気でもない燃料です。
樹木の保存と関連がありそうです。(あとでわかったこととして、東南アジアの自然林を守りましょうとか、まきにする木は、あとから再び枝が出てくるように切りますとかいう話が出ます(再生可能な燃料))
いろいろ予想しながら読み始める読書になりました。
『いのち』へのこだわりがあります。
パン生地(きじ。パンの形になる前の状態)は、生きているのです。
パンづくりの手順が書いてあります。
まき窯を熱くする。その間に翌日のパンをつくるための仕込み(準備)作業をする。
うち粉(手や台に粉がくっつかないようにする。強力粉、薄力粉、かたくり粉など)をまいた台の上でまるめた生地をつくる。生地は、しばらくそのままにしてから冷蔵庫に入れる。
熱くなったまき窯の焼床(やきどこ)に、前日こしらえた生地に、切れ目を入れて並べる。
パンに焼き色がついたら、取り出して棚に並べる。
読みながら感想をつぎたしていきます。
精神的なもの、気持ちなどを重視した内容になるようです。
心をこめて、パンを焼いて仕上げるのです。
<捨てないパン屋>という鍵をにぎる文節(ぶんせつ。フレーズ)が出てきました。
パン職人の田村陽至さんは、最初はパンが嫌いだった。
意外です。
ふと思うのです。
職場で、仕事の割り当てをされるときに、その仕事は自分には合わないからいやだなあと思うことがあります。
だけど、やってみたら、あんがい自分に合っていたということもあります。
やってみなければわからないのです。
田村陽至さんのご実家は広島でパン屋さんだそうです。
こどものころの田村陽至さんは、虫が好きで探検家になりたかったそうです。
たぶん昭和40年代から50年代の都市開発による田畑や里山の宅地化を体験されているのでしょう。虫や小動物が近所から姿を消しましたとあります。
地球の自然保護を目的とした環境活動家であるスェーデンのグレタ・トゥーンベリさんを思い出しました。(このあと23ページに、グレタ・:トゥーンベリさんの記事が出てきました)
(つづく)
62ページまで読みました。
ちょっとわかりにくいです。
田村陽至さんの体が地球上を転々と移動しています。
言葉でエピソードをつなげるよりも、箇条書きの形式で並べていただいたほうがわかりやすい。
(なんど読みかえしてもぼんやりしていて、経歴がよくわからない部分もありました)
『第4章 さすらいの旅』の冒頭にある絵が、江戸時代の旅人の姿としてある「旅がらす」の男性の絵でびっくりしました。
三度笠(さんどがさ)というのでしょうか、竹や草で編んだ大きな傘をかぶって、背中にはふろしき風のマントをはおって歩く姿です。
今の時代に、発想が古すぎるのではなかろうか。
(つづく)
65ページに『「ほんもの」のパンをつくろう』とありますが、そのままでは誤解を生みそうな表現です。では、ほかのパン屋さんがつくっているパンはニセモノなのかと言いがかりをつけられそうです。
自分は、なにかと気になる年配の読者です。
醗酵(はっこう):微生物が、パン生地をふくらませてくれる。「イースト」はパン酵母(こうぼ。菌(きん)の種類)のひとつ。「イースト」は、工場で大量につくる。
天然酵母(てんねんこうぼ)は、もともと自然界にいるもの。
素材へのこだわりは、こだわらない業者や関係者に敵対視されそうです。
説得力があるようでないような記述が続きます。
どちらのパンにするのかを決めるのは、消費者です。
「ブドウだね(種)」「ルヴァンだね(種 フランス語で発酵種)」
まき窯でパンを焼くときは、自分の判断で焼き具合を考えながら焼く。
ガスオーブンでパンを焼くときは、温度とタイマーを設定するだけで焼ける。
売れ残ったパンを捨てることが、この本のタイトル「捨てないパン屋の挑戦」と結びつくことが、75ページ付近まで読んでわかりました。
おいしいパンをつくって、売れ残らないパンにするということがメッセージとしての要点なのでしょう。食材をムダにしない。
「本日は売り切れました」と看板を表示するのです。完売御礼(かんばいおんれい)です。(本では、このあと、買ったあとも長持ちするパンの記述がありました)
消費期限:5日以内もつ食べものに表示する。
賞味期限:おいしさの期限を表示する。
(120ページまで読みましたが、田村陽至さんの経歴に関する時系列の経過がわかりにくいので整理します)
広島県広島市内にある祖父の代からのパン屋に後継ぎ候補の長男として生まれる。しかし本人にパン屋をやるというその気なし。
大学で、環境生物学を学ぶ。
大学卒業後:東京のパン屋『ルヴァン』をのぞく。自分で焼いたパンをその場で売る方式のパン屋だった。国産小麦粉と天然酵母を使用。(化学肥料や農薬を使用しない。工場で大量生産するイースト菌(酵母)を使用しない)
長野県乗鞍高原にあるパン屋『ル・コパン』をたずねる。まき窯でパンを焼いていた。国産の小麦粉とヤマブドウからつくった天然酵母、乗鞍高原の天然水を使用するパン屋。
父親の紹介で、石川県金沢市にあるパン屋に弟子入りして修行する。
フランスのパリ市にあるパン屋『ポワラーヌ』に興味をもつ。
そこでは、「カンパーニュ」というパンが焼かれていた。
「カンパーニュ」は、菓子パンではなく、主食としてのパンであった。フランス産の最高級小麦、天然の塩と酵母を使用して、まき窯で焼く。
夏、渓流釣りに行ったさきで、乗鞍高原の『ル・コパン』に立ち寄る。
自分もまねて、ル・コパンのブドウとクルミのパンをつくってみるが、うまくいかない。
パンの焼き方に理由があることに気づく。
あわせて、「ショートニング」という食用油脂の使用が体によくないことに気づく。
田村陽至さんいわく、プラスチックのようなものだということだそうです。
ショートニングの原料は、東南アジアにあるアブラヤシからとれるパーム油。
パーム油のために現地の自然が、大規模に破壊されている。
石川県金沢市のパン屋を飛び出す。
北海道:自然体験学校で、山ガイドの研修を受講して、山ガイドの見習いをした。(登山道を案内しながら登山をする仕事)
クラフト作家:手づくりで、工芸品、民芸品をつくる仕事。
沖縄県:自然体験学校を手伝う。乗馬、カヤック(手こぎボート)の体験コーナー、マングローブ林(水中から生えている樹木)、サンゴ礁の海の自然ガイドなどがあった。
田村陽至さんは、体験乗馬の客集めをやった。
田村陽至さんは、仕事場の上司の指示でモンゴルへ行く。
夏休みにモンゴルに来る大学生のツアーの世話だそうです。
(今年は、お笑いコンビオードリーの若林正恭さんの『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 文春文庫』を読みました。モンゴルへ旅したときのことが書いてあります。モンゴルでは、15歳以下のこどもも働いていると書いてありました)
この本の54ページにあるヒツジを解体して、料理して、食べる話は、感情的なショックが強い。
感受性の強い人だと気分が悪くなるかもしれません。
食べることは、命をいただくことという強調があります。
だから、命をむだにはできないのです。
(ホームページの情報として、2004年 平成16年)モンゴルから帰国後、広島市内にある実家のパン屋を引き継ぐ。
店舗名が『ドリアン』まき窯で焼く天然酵母のパンが売りゼリフです。
父親や職人たちとパンづくりをする。
食パン、菓子パン、天然酵母パンの混在販売がゆきづまる。
まき窯焼きに苦労する。
パンが売れ残って廃棄するようになる。
販売を「まき窯で焼く天然酵母パン」一本に絞る。(しぼる)
店は赤字になる。
田村陽至さんは、2008年(平成20年)夏、フランス、サンピエール村にあるパン屋「フーニル・ド・セードル」に修行に行きます。
その後、広島にあたらしいお店『ブーランジェリー・ドリアン』を開店しています。
有機栽培(ゆうきさいばい):化学肥料や農薬を使用しない農業。たい肥でつくった土を使用する。たい肥:家畜の糞尿を混ぜることが多い。
キーワード(物事のポイントをつかむためのきっかけとなる言葉)として『買いものは投票』
フランスは有機栽培でつくった小麦の自給率が高いから小麦の価格が安い。
逆に日本は有機栽培をしてつくる小麦の自給率が低いから有機栽培でつくった小麦の価格が高い。連動してパンの価格も高くなる。
フランスでは、一日三食の主食がパンだから大量のパンをつくる。
日本のようにお米が主食ではありません。
有機栽培でつくる日本の小麦の生産量が増えれば、価格は下がるという理屈でしょう。
有機栽培でつくった国産の小麦をたくさんの人に買ってほしい。
ポストハーベスト:小麦が長持ちするようにする農薬。海外から船で輸入するときに時間がかかるので使用している。
115ページのワインがらみの話は、小学生には理解しにくい。
小学生にはアルコール、飲酒のことはわからないと思います。
いわゆる「正義(せいぎ。今回の場合、お金のことを考えずに、損をしてもいいから自分の信じることをしようとする)」を貫こうとすると(つらぬこうとすると)、物事(ものごと)がうまく進んでいかなくなります。
田村陽至さんの有機栽培を使ったパンを売る新しいお店は、それまでお店で働いていた人もお客さんも失ってしまいました。残ったのは、田村陽至さんと未来の奥さんだけです。
いったんお店『ブーランジェリー・ドリアン』を閉める。(休業)
(ホームページ情報として 2012年 平成24年)夫婦でフランスのサンピエール村へパンづくりの修行に行く。
日本で、フランス式のまき窯を使用することにする。今までより短い時間でたくさんパンを焼ける。
フランス北西部ブルターニュ地方を視察して、パンづくりを手伝い学ぶ。
フランスは、おおらか、見た目に神経質にはならない。味が同じならいい。むだにしないという意識は高い。お金をたくさんもっていることが「豊か」ではない。必要以上のお金はいらない。家族と過ごす時間を大切にする。いっしょに飲食を楽しむ。
マルシェ:フランス語で市場(いちば)
フランスは農業国。
田村陽至ご夫妻は、オーストリア国首都ウィーンの名店『グラッガ―』で研修を受講する。
一日の労働時間が、朝8時から午後2時まで。そのうち昼休みが1時間含まれる。
5時間労働制。一日に10時間以上働くまき窯担当職人は、週休三日制になっている。
(2015年)フランスから帰国してパン屋『ブーランジェリー・ドリアン』を再開した。
つくったパンが完売するようになったのでしょう。
『<捨てないパン屋>になることができました』とページに文章があります。
シンプルな生活で『時間』というゆとりを手に入れる。
人生の大半を消費した自分も心がけます。
本を読んで記憶に残ったことです。食べ物を捨てないようにして大切に扱うというメッセージが主題なのでしょうが、むしろ、働き方改革の面のお話のほうが強めに書かれていました。
過去の日本人の働き方を否定する内容ですが、今の時代背景には合っている理屈です。
過去の日本人は、家族や自分の人生を犠牲にしながら会社や組織のために長時間労働で働き続けていました。職場の上司や同僚・部下が家族のようなものでした。組織の維持に貢献した見返りに、賃金と社会保障がありました。
これからは、個々が自分の未来を思い描いて、自分と家族の時間を大切にしながら人生を過ごしていくようになるのでしょう。
メリットもあれば、デメリットもあると思います。ここには書きません。自分で考えてください。
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