2022年05月03日
すうがくでせかいをみるの ミゲル・タンコ
すうがくでせかいをみるの ミゲル・タンコ作 福本友美子訳 西成活裕監修 ほるぷ出版
おもしろそうなことが書いてありそうだなと期待をもって読みましたが、そうでもありませんでした。
わかりにくい。
うーむ。なにが書いてあったのだろう。
作者はスペイン人です。
日本人の感覚だとわからないスペイン人の感覚なのだろうか。
主人公の女子がいて、パパがいて(絵を描く)、ママがいて(顕微鏡をのぞきながら研究をする)、おにいちゃんがいます(金管楽器のホルンらしきものを吹いて演奏する)。
主人公が学校に行くと、同級生たちがいて(スペインだからフラメンコを踊っているように見えます)、料理をする生徒がいて、バトミントンや野球あるいはソフトボール、空手なんかをするこどもたちがいて、やっぱり楽器を演奏する子もいるようです。
絵を描く授業があって、女の先生がいて、というところまでいって、ようやく、数学の話が出てきます。
公園で、公園にある遊具が(ジャングルジムとか、山みたいな造形物とか)図式化されていくような雰囲気があって、池の水の波紋(石を投げたら水面にできる円い輪の重なり)が、数学に関連付けられていきます。
窓の外にヨーロッパの石造りの建物がたくさん立っています。建物の形の集合が、数学と示されています。
公園のすべりだいのすべる部分は『曲線』という数学です。
『数』の観念(考え)と数式(割り算)の楽しみが提示されます。
空中を飛ぶ紙飛行機も数学です。
『数学で世界を見る』で、いったん絵本は終わって、『数学ノート』というページに移ります。
『フラクタル』というものの解説があります。同じ図形の中に同じ図形が入っている。同じ形の中に小さい同じ形があるという意味らしい。
調べたら、フランスの数学者が導入した幾何学だそうです。(きかがく:図形や空間の性質について研究する。測量のために古代エジプトで生まれた学問)
話は、『多角形』『同心円』『いろいろな曲線』『立体図形』『いろいろな軌道』『集合の種類』へと発展、進化していきます。
ゆっくり、じっくり読みこむと、味わいが生まれてきます。
異色な絵本です。
前半の話と後半の話のつながりが、しっくりきません。
世界という空間にたくさんの物があるということは、実感できます。
物には形があって、ときには、速度があって、動きがあって、おそらくそれを数学では『運動』と呼ぶのでしょう。
そして、集まりがあって(集合)、集まりがあれば、分類が生まれるのでしょう。
さて、もう1回最初から読みます。
主人公の女の子は、頭髪がぼさぼさですが、きちんとセットされていて、髪の毛が棒のようになって天井に向かって突っ立っています。この髪の毛の状態も『数学』ではなかろうか。
おちゃめそうなその女の子は、床の上でボードゲームをしているけれど、なんのゲームかわかりません。オセロではないし、囲碁でもない、五目並べでもない。しばらく考えましたが、やっぱりわかりません。わからないことが多い絵本です。
パパは大きなキャンパスに正面ななめ横から見た大きなゾウの油絵を描いています。
先日観たテレビ番組『徹子の部屋』にゲストで出ていたジミー大西さんを思い出しました。
絵本では、髪の毛とヒゲがぼうぼうのパパです。白と赤のボーダー(太い縞(しま))もようのシャツを着ています。その行為に『数学』はなさそうです。
メガネをかけたママがのぞいている顕微鏡のまわりには、虫みたいなものがいっぱいです。サソリみたいなものもあります。カタツムリ、ヘビ、名前のわからないにょろにょろしたもの。気持ちが悪い。
おにいちゃんが吹いている吹奏楽部で使うような金管楽器は、ホルンか、チューバに見えます。
うむ。なかなか『数学』とつながりが見つかりません。
フラメンコダンス、バレエダンス、料理、習字? カラオケ歌唱、バトミントン、野球、ソフトボール、空手、ホルン、トランペット、やっぱり『数学』が見つかりません。
ようやく、絵を描く教室で『数学』が見つかります。
主人公女子の声として、でも、ひとつだけ、これだ! っておもったのが…… 『すうがく!』
少女の目の前にあるキャンバスには、幾何学模様に見えるような数式と図があります。(どうしてあなたのようなちびっこに書けるのよ?!)
ものごとを数値や記号や図に置き換えて考えます。
計算をして、プランを立てます。未来に向かって、計画を立てるということです。
数学の天才の脳みその中は、言葉や単語ではなく、図や矢印などの記号が動き回っているのでしょう。
天才は、文章では考えないのです。
形や数値で考えるのです。
なかなか、ちびっこの読者には、なじめないこの絵本です。
おとなの助言が必要です。
助言できるおとなは少ない。
茶色系統の色合いが心地よい(ここちよい)です。
ページにある『数学ノート』以降は、むずかしすぎる。ひとつひとつの絵を指でさしながらちびっこに説明が必要です。
自分は、五十代後半のときに、脳に血がたまる病気をして、脳みそが圧迫される状態になったときに、たくさんの幻視を見ました。そのときのことを思い出しました。幻想的な風景でした。脳の中で、図形や記号のようなものがたくさん出てきて踊るのです。規則的な動きでした。
今回この絵本を読んで、脳の病気を体験した時のことがよみがえりました。
もしかしたら、そのとき、自分は天才の脳を体験できたのかもしれません。
おもしろそうなことが書いてありそうだなと期待をもって読みましたが、そうでもありませんでした。
わかりにくい。
うーむ。なにが書いてあったのだろう。
作者はスペイン人です。
日本人の感覚だとわからないスペイン人の感覚なのだろうか。
主人公の女子がいて、パパがいて(絵を描く)、ママがいて(顕微鏡をのぞきながら研究をする)、おにいちゃんがいます(金管楽器のホルンらしきものを吹いて演奏する)。
主人公が学校に行くと、同級生たちがいて(スペインだからフラメンコを踊っているように見えます)、料理をする生徒がいて、バトミントンや野球あるいはソフトボール、空手なんかをするこどもたちがいて、やっぱり楽器を演奏する子もいるようです。
絵を描く授業があって、女の先生がいて、というところまでいって、ようやく、数学の話が出てきます。
公園で、公園にある遊具が(ジャングルジムとか、山みたいな造形物とか)図式化されていくような雰囲気があって、池の水の波紋(石を投げたら水面にできる円い輪の重なり)が、数学に関連付けられていきます。
窓の外にヨーロッパの石造りの建物がたくさん立っています。建物の形の集合が、数学と示されています。
公園のすべりだいのすべる部分は『曲線』という数学です。
『数』の観念(考え)と数式(割り算)の楽しみが提示されます。
空中を飛ぶ紙飛行機も数学です。
『数学で世界を見る』で、いったん絵本は終わって、『数学ノート』というページに移ります。
『フラクタル』というものの解説があります。同じ図形の中に同じ図形が入っている。同じ形の中に小さい同じ形があるという意味らしい。
調べたら、フランスの数学者が導入した幾何学だそうです。(きかがく:図形や空間の性質について研究する。測量のために古代エジプトで生まれた学問)
話は、『多角形』『同心円』『いろいろな曲線』『立体図形』『いろいろな軌道』『集合の種類』へと発展、進化していきます。
ゆっくり、じっくり読みこむと、味わいが生まれてきます。
異色な絵本です。
前半の話と後半の話のつながりが、しっくりきません。
世界という空間にたくさんの物があるということは、実感できます。
物には形があって、ときには、速度があって、動きがあって、おそらくそれを数学では『運動』と呼ぶのでしょう。
そして、集まりがあって(集合)、集まりがあれば、分類が生まれるのでしょう。
さて、もう1回最初から読みます。
主人公の女の子は、頭髪がぼさぼさですが、きちんとセットされていて、髪の毛が棒のようになって天井に向かって突っ立っています。この髪の毛の状態も『数学』ではなかろうか。
おちゃめそうなその女の子は、床の上でボードゲームをしているけれど、なんのゲームかわかりません。オセロではないし、囲碁でもない、五目並べでもない。しばらく考えましたが、やっぱりわかりません。わからないことが多い絵本です。
パパは大きなキャンパスに正面ななめ横から見た大きなゾウの油絵を描いています。
先日観たテレビ番組『徹子の部屋』にゲストで出ていたジミー大西さんを思い出しました。
絵本では、髪の毛とヒゲがぼうぼうのパパです。白と赤のボーダー(太い縞(しま))もようのシャツを着ています。その行為に『数学』はなさそうです。
メガネをかけたママがのぞいている顕微鏡のまわりには、虫みたいなものがいっぱいです。サソリみたいなものもあります。カタツムリ、ヘビ、名前のわからないにょろにょろしたもの。気持ちが悪い。
おにいちゃんが吹いている吹奏楽部で使うような金管楽器は、ホルンか、チューバに見えます。
うむ。なかなか『数学』とつながりが見つかりません。
フラメンコダンス、バレエダンス、料理、習字? カラオケ歌唱、バトミントン、野球、ソフトボール、空手、ホルン、トランペット、やっぱり『数学』が見つかりません。
ようやく、絵を描く教室で『数学』が見つかります。
主人公女子の声として、でも、ひとつだけ、これだ! っておもったのが…… 『すうがく!』
少女の目の前にあるキャンバスには、幾何学模様に見えるような数式と図があります。(どうしてあなたのようなちびっこに書けるのよ?!)
ものごとを数値や記号や図に置き換えて考えます。
計算をして、プランを立てます。未来に向かって、計画を立てるということです。
数学の天才の脳みその中は、言葉や単語ではなく、図や矢印などの記号が動き回っているのでしょう。
天才は、文章では考えないのです。
形や数値で考えるのです。
なかなか、ちびっこの読者には、なじめないこの絵本です。
おとなの助言が必要です。
助言できるおとなは少ない。
茶色系統の色合いが心地よい(ここちよい)です。
ページにある『数学ノート』以降は、むずかしすぎる。ひとつひとつの絵を指でさしながらちびっこに説明が必要です。
自分は、五十代後半のときに、脳に血がたまる病気をして、脳みそが圧迫される状態になったときに、たくさんの幻視を見ました。そのときのことを思い出しました。幻想的な風景でした。脳の中で、図形や記号のようなものがたくさん出てきて踊るのです。規則的な動きでした。
今回この絵本を読んで、脳の病気を体験した時のことがよみがえりました。
もしかしたら、そのとき、自分は天才の脳を体験できたのかもしれません。
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