2022年03月19日

おおきいツリーちいさいツリー

おおきいツリーちいさいツリー ロバート・バリーさく 光吉夏弥(みつよし・なつや)やく 大日本図書

 クリスマスツリーのお話であろうと推測しながら読み始めました。
 読み終えてみて、『共存の愛』がありました。
 2000年(平成12年)初版の絵本です。2021年(令和3年)で、24刷(24さつ。増刷)されています。
 
 絵がすっきりしています。色合いも統一されており、見ていて気持ちがいい。
 『もうすぐクリスマスです』から始まります。
 お金のないうちのこどもにとってのクリスマスはつらいイベントです。
 親からサンタクロースのプレゼントを買ってもらえません。
 そんな自分がこどもの頃のことを思い出しながら、絵本を読み始めました。
 
 ウィロビーさんというお城のような立派な邸宅での出来事です。
 トラックが、大きなクリスマスの木を荷台にのせて配達してきました。
 クリスマスプレゼントではなく、ツリーのお話のようです。
 
 なんて、樹高(じゅこう)の高い木でしょう。
 木のてっぺんが、天井でつっかえます。
 部屋は広くて天井も高いのですが、木の背丈(せたけ)もかなり高い。
 
 なるほど。発想がいい。アイデア賞です。(ここには書きません)
 えッ?! そうなるの。
 さらにおもしろい。
 物語が、発展していきます。
 ただ、この先の展開が見えてきたような気がします。
 
 『身の丈(みのたけ)に合った』という言葉に対する論争を思い出します。公平か不公平かです。
 身の丈とは、本人にとってのふさわしい程度です。
 身の丈を決める基準はだれが判断するのだろう。
 他人ではなく、自分自身のような気がします。
 されど、なんでもかんでも大きくなければ、幸せというものではありません。
 ものの大小と幸福の大小は比例しません(ものが大きいから、幸せも大きいとは限りません)

 まんなか付近にある見開き2ページに広がる雪が降り積もる木造平屋の家の絵が気に入りました。
 くまさん、登場ですな。
 雪国にある家の中で、こどもに読んであげたい絵本です。
 窓の外で本当の雪が降っていたらいい感じです。
 おとうさんぐまが『バーナビー』名前は書いてないけれど、お母さんぐまと、ちびっこぐまが木の根っこにあるほら穴のような家の中にいて、わいわいやってます。
 
 ストーリーの流れは、『わらしべ長者』の反対のようなパターンです。
 ツリーが、だんだん小さくなっていきます。
 終りが見えません。
 アリさんのツリーまでいくのではないか。

 ネズミの『ミスルートさん』で終わりました。
 きれいな絵でした。

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