2021年11月01日

のれんをくぐると、 佐藤二朗

のれんをくぐると、 佐藤二朗 山下書店

 自分は「ツイッター」というものをよくは知りませんが、この本は、俳優である著者がツイッターでつぶやいたことをベースにしてできあがっています。
 「いいね」とか「リツイート」の数値が掲載されています。

 著者は、今年に入って、NHKのEテレ番組「歴史探偵」とか、NHKドラマ「ひきこもり先生」でお姿を拝見しました。

 さて、読み始めます。
 2017年(平成29年)の出版です。二冊目とあるので、一冊目が以前出たのでしょう。
 なにかしら、酔っぱらいながらツイッターの書き込みをしているらしき文章です。
 役者ですから、演じることが仕事です。どこまでが素(す)なのか、読んでいるとすべて素のような気配があります。
 1969年生まれ。この本が出た当時は、48歳ぐらいです。

 「佐藤二朗語録」だろうか。そのようなつくりです。
 前田健:お笑い芸人。2016年。44歳病気で死没
 一話が7行(ななぎょう)程度の文章です。
 不甲斐なく:ふがいなく。情けない。意気地なし。弱虫
 ヨシヒコ:テレビ東京のドラマ「勇者ヨシヒコと導かれし七人」2016年のドラマ。佐藤二朗さんの役は「仏(ほとけ)」
 恋ダンス:2017年日本テレビのドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏(さえないし)」で、堤真一さんと佐藤二朗さんが踊った。
 (知らないことが多いので、調べながら、ゆっくり進む読書です。文字数は少ないけれど時間がかかります)
 胸にじんとくる文節が出てきました。
 『僕の人生で一番の幸運は、嫁に出会ったことだ』同感です。
 そう思っている男性はけっこう多いと思います。
 その数ページあとに、著者が、仕事の演技で、息子を虐待する父親の役をやったときの話が出ます。いいかげんな記述が続くなかに、ぽっと光る名言がぽつん、ぽつんとあります。たまに心にじんとくることが書いてある本です。

 過保護のカホコ:2017年日本テレビのドラマ
 『映画は残るがドラマは残らない』そういうものなのか。
 ジョージ・クルーニー:米国の俳優、映画監督

 記述では「一軒目」「二軒目」「三軒目」が「章」になっていて、居酒屋訪問を記述の背景に置いてあります。

 五歳児ぐらいの著者の息子さんのお話が輝いています。
 さかなやさんごっこで「タコは大きいですよ~ イカはめずらしいですよ~ エビはしょうみきげんぎれですよ~」
 はなたれの息子さんが「はなみず、うりきれになればいいのに」
 ほかにも名言が続きます。
 ご家族の話が多いので、マイホームパパの男優さんです。
 家族依存症の面も多少あります。俳優という職にあっては珍しい。
 
 小3病:自分がやったことを(たぶん、ほめられたくて)一生懸命相手に伝える行為
 リツイート:他者もしくは自分の投稿を再度投稿する機能のこと。自分には、ちょっとよくわかりません。
 松尾スズキ:福岡県出身の男優、劇作家、演出家
 パントのおねえさん:番組「おかあさんといっしょ」のコーナー。身体表現のおねえさん。
 安田顕:やすだ・けん。北海道出身の俳優・タレント
 西野七瀬:乃木坂46の元メンバー。ファッションモデル、タレント
 濱田マリ:はまだ・まり。歌手、女優、ナレーター
 マヨラー:マヨネーズが好物。マヨネーズをかけて食べる人
 福田雄一:劇作家、放送作家
 
 意味不明、あるいは、意味のない記述も散見されますが、ごみの中に光るものが見つかる読書です。
 これでいいのなら、自分もやれそうだという自信と勇気をもらえます。

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