2021年08月26日

きょうりゅうどーん 広瀬克也

きょうりゅうどーん 広瀬克也 絵本館

 (自分は)好きだなあ。こういう単純明快な世界。
 リサイクルショップで見つけました。2016年初版の絵本です。
 こどもさんは恐竜が好きです。
 こういう単純なコンセプト(ねらい。基礎となっている考え方)が好きです。
 絵本の内容を頭で理解するのではなく、体で感じるのです。

 「きょろきょろきょろり」「ぎょろぎょろぎょろり」「どーんどーんだーんだーん」「ぐがー」というように擬音語、擬声語が続きます。自然界の音や恐竜の声です。ひたすら擬音語・擬声語が続きます。
 恐竜は言葉をしゃべりません。
 筋書はありません。物語は、本を見ている者、読んであげている者たちでつくるのです。
 
 リサイクルショップで絵本探しをしていたら、若いママと息子と娘の三人連れがそばに来て、「なんでもいいよ。それぞれ一冊買ってあげる」とママが声をかけたのです。
 ふたりのこどもは本読みに没頭し始めました。ママは少しイライラし始めました。「まだ(買いたい本が)決まらないの」ふたりのこどもさんは黙っています。こどもに時間の感覚はありません。
 「これがいいんじゃないの?」ママは自分が選んだ本を押し付けようとします。ふたりのこどもの目は同意していません。
 お店でこの絵本のなかみを見ているときにそんなことがありました。

 恐竜の絵は大迫力があります。怖いぐらいのかれらの形相(ぎょうそう)です。
 でも、闘ったら勝てそうな気もします。人間の知恵があれば生け捕りもいけそうです。
 恐竜の絵のそばには恐竜の名前が小さく書いてあります。「アロサウルス」「ブラキオサウルス」「トリケラトプス」「ティラノサウルス」たくさんいます。「モササウルス」恐竜じゃないけれど「アンモナイト」なんだか、怪獣映画のネタ元になった恐竜もいそうです。
 福井県勝山市で発見された「フクイリュウ」はいないなあ。それから北海道むかわ町で発見された「カムイサウルス(むかわ竜)」も出てきません。残念。たしか兵庫県でも恐竜の化石が発見されました。「丹波竜(たんばりゅう)」だったと思います。

 恐竜たちは元気いっぱいです。勢いがあります。びゅーんと飛んでいます。
 パラサウロロフスは、去年お店でおもちゃの「恐竜のたまご」を買って、水中で育てたら孵化して(ふかして)生まれました。とっても大きくふくらみましたが、いまは、しぼんでちっちゃくなっています。

 絵本では、東京タワーとスカイツリーも出てきました。そういえば、先日、新型コロナウィルスの感染者数の棒グラフを見ていて、上がったり下がったりの波があって、東京タワーとスカイツリーみたいだと思いました。棒グラフが、はやく0になってほしい。スカイツリーの高さは、ぐんぐん高くなるばかりです。

 すごい勢いで恐竜たちが走ります。時速300キロぐらい出ているような感じの絵です。大迫力です。きみたちはどこに向かって走っているのだ。きっと走っているきみたちにもわからないのだろう。
 大きな穴の中に、ジャンプして落ちていく姿で終わりました。ティラノサウルスくん、きみは、地球の裏側へと続く穴に落ちてしまったのかい。どーん。

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