2021年08月19日

めっきらもっきら どおんどん 長谷川摂子

めっきらもっきら どおんどん 長谷川摂子(はせがわ・せつこ)・作 ふりや なな・画 福音館書店

 ゆうれいのおはなしだろうか。表紙に不気味な黒い影の絵が描いてあります。
 オオカミのようにも見えるし、ヘビのようにも見えます。

 男の子のまわりにだれもいません。
 男の子は、ひとりぼっちのようです。
 男の子の名前は「かんた」だそうです。
 かんたは、孤独に負けないように大きな声を出して歌います。
 絵本は、1985年の作品です。いまから36年ぐらいまえです。
 「めっきらもっきら どおんどおん」は、かんたが歌う歌の歌詞のなかに出てくる言葉です。呪文(じゅもん)のようです。
 じゅもん:儀式で唱える(となえる)となにかが出て来たり、何かが起こったりする。

 天狗(てんぐ。鼻が長くて高い妖怪)でも出てくるのだろうか。
 天狗は出てきませんが、別のものが、みっつも出てきました。びっくり。
 「もんもんびゃっこ」と「しっかかもかか」と「おたからまんちん」という妖怪たちです。ちょっと怖い。

 だけど、妖怪たちはおもしろい。見た目は怖くても中身は優しい。
 絵がリアルで素敵です。
 横向きの絵本が縦になって、高さが感じられる絵です。
 シーンは、三日月の夜のなわとびごっこになりました。
 これはおもしろい。楽しい。

 夢が広がります。
 
 いい絵本でした。
 今年読んで良かった一冊になりました。

この記事へのトラックバックURL

http://kumataro.mediacat-blog.jp/t144695
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい