2021年08月10日

ともだちや 内田麟太郎

ともだちや 内田麟太郎(うちだりんたろう)・作 降矢なな(ふりやなな)・絵 偕成社

 ゼロ戦のパイロットのようなかっこうをしたキツネくんです。
 頭のてっぺんに「ともだちや」ののぼり旗を付けています。
 
 ページをめくって、キツネが出てくるかと思ったら、ミミズクのおじいさんが出てきました。
 
 ともだちになってあげるかわりに1時間100円、2時間200円をいただく商売です。
 現実社会のこととして「レンタルなんもしない人」を思い出しました。テレビでちらりとだけ観ました。 申し込んで、そばにいてもらい、報酬を差し上げるのです。レンタルなんもしない人は、無料のときもあったらしい。自分にとっては不可解な行為です。

 こちらのおはなしのほうは、そううまくはいきません。
 ともだちやを利用するひとはなかなかいません。

 クマさんがイチゴを食べるのを見て、読んでいる自分は、「ハチミツじゃないの?」という疑問をもちました。
 次のページで、やっぱりハチミツが登場しました。ほーらね。
 キツネくんは、2時間200円コースで、200円をゲット(手に入れた)したのです。

 オオカミがトランプをしている絵を見て、今度、孫たちとトランプをしようと思い立ちました。
 あれとあれと、それとこれと、トランプゲームのなまえを思い浮かべます。もうずいぶんやっていませんが、やりかたは覚えています。
 オオカミが怒ります(おこります)
 なるほど。
 「お、おまえは、ともだちから かねを とるのか。」
 主従関係がある者同士や利害関係がある者同士だからという理由で付き合っている者同士を「ともだち」とは呼ばないのです。
 お金ではなくて、気持ちをあげるのです。
 よくできたストーリーです。今年読んで良かった一冊でした。
 1998年の作品でした。もう23年も経過しています。
 お金で買えないものが「ともだち」で、人生においては、配偶者が一番のともだちです。

この記事へのトラックバックURL

http://kumataro.mediacat-blog.jp/t144603
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい