2021年07月26日

奇跡の2000マイル アメリカ映画DVD

奇跡の2000マイル アメリカ映画DVD 2015年日本公開

 1マイル:1609.344m
 2000マイル:3218.688km
 日本列島の長さ:約3500km
 北海道の端から九州の端までの長さ:約1888km
 オーストラリア大陸の砂漠地帯を細い体の若い女性ロビン・デビッドソンが、ラクダの親子4頭(ドウーキー、バブ、ゼリー、こどもがゴライアス)と愛犬ディギティと2000マイル歩くのです。最初、オーストララリアのまんなかにあるアリス・スプリングスから北方向へ行くのかと思ったら、西方向へ向かっていることが途中でわかりました。事実を映画化してあります。
 1975年(昭和50年)から映像はスタートしました。大陸縦断行為は、1977年(昭和52年)から始まっています。
 人間ドラマの鑑賞もありますが、旅の映画としても鑑賞しています。
 
 主人公の女性ロビン・デビッドソンが旅の最後付近で嘆きながら言葉を漏らします。『(この旅は)どうでもいい。最初からやらなきゃよかった。すごくさびしい』
 ロビン・デビッドソンは、旅の途中で大切な相棒を(ワンちゃんのディギティ)毒の誤飲で亡くしてしまいました。

 静かな映画でした。淡々と進みます。困難がそれなりに訪れます。
 目的は何かを達成することではありません。
 動機は、今の生活が嫌だったのです。逃避です。今自分のまわりにある環境がイヤだから、ここではないどこかへいく。行った先のどこかがまたイヤになったら、別のどこかへ行く。

 野生のラクダがオーストラリア大陸にいるのだろうか?
 調べました。いるそうです。いつどこから大陸に来たのだろうか?
 1840年代に人為的に持ち込まれて野生化したとあります。日本だと江戸時代です。1840年に遠山の金さんが江戸町奉行になっています。
 
 がんこな主人公の女性ロビンです。こどものころにお母さんを亡くして、家庭環境でむずかしい状況を体験しています。
 どうしてもひとりになりたい。ひとりで動物たちと旅をしたい。(砂漠で、ひとりで、死んでもいいとか、死にたいと思っているのか)
 
 現地の人たちアボリジニのみなさんとの交流があります。基本的に主人公はかれらと仲良しです。
 旅には資金が必要です。ナショナルジオグラフィックという雑誌に旅のようすを掲載される代わりに資金提供をしてもらいますが、ロビンはカメラで撮影されることがイヤです。また、担当カメラマン兼編集者らしき男性からのロビンに対する恋愛感情もイヤです。
 世の中では、お金を得るためにはがまんがいります。お金がいらないならがまんはいりません。

 ラストの白い海岸が美しい。オーストラリアの西海岸で、真っ白な風景の土地があるのだろうと思いましたが、もしかしたら全然別の場所でロケをしたのかもしれません。
 もう25年ぐらい前のことですが、たしかケアンズだった記憶ですが、ケアンズ空港の乗り換え待合室で、現地のオーストラリア人小学生連れの親子がたくさんいて、リュックサックをしょって、同国のこどもたちが、今からエアーズロック(ウルル。巨大な一枚岩)に行くのだとはしゃいでいたシーンを思い出しました。
 あのときは、南半球は季節が逆転するので、現地は夏休みだったと思います。エアーズロックは、アボリジニのみなさんにとっては神さまの山なので、現在はもう観光客は登れなくなったような話を聞いたことがあります。自分だったら眺めるだけでいい。年齢的にも体力的にも、もう登るのは無理です。

 女性差別、女性蔑視(べっし。軽く見る)のシーンもあります。
 世代の差なのか、どうして、世界中の民族の大半で、女性が低く見られるのか理解できません。

 映画からもらったメッセージです。
 だれしも、なにかを克服するために、人生のうちの三年間ぐらい、死ぬ気でなにかをやり遂げておいたほうがいい。

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