2021年06月03日
星の子 邦画DVD
星の子 邦画DVD 2020年公開
宗教にのめりこんでいる両親を「洗脳(マインドコントロール。思想・主義の意図的誘導、植え付け)」から目覚めさせるためにはどうしたらいいのだろうか。
悩ましい。
映像は、苦しさを通り越して、コメディにまで至っています。
水の神さま信仰です。
頭頂部、頭髪(とうはつ)の上に水を含んだ白いタオルをたたんでのせてご利益(ごりやく)があるとして生活をする両親がいます。
長女は両親に愛想をつかして家を出て行きました。中学三年生高校受験生の次女ちひろ(ちーちゃん。演者として芦田愛菜さん)が家に残されました。
生きていくうえで、何かに寄りかかっていないと倒れてしまいそうな人がいます。
両親の宗教的な儀式を好きな男性に偶然観られて、男性から「あれは不審者」だと断定されてショックを受ける芦田愛菜さんが演じる「ちーちゃん」がいます。
両親の水神さま信仰は、ちーちゃんが病弱で死にそうだったあかちゃんのときの出来事がスタートになります。ちーちゃんの命を、水神さまが救ってくれたのです。そのことで責任を感じているちーちゃんがいます。自分のせいで、両親が水の信仰にのめりこんだと。
ちーちゃんが異様な家庭環境のなかで生活していることで、親戚はちーちゃんのことを心配します。ちーちゃんの母親の兄夫婦とその息子が、ちーちゃんを彼女の両親から分離して助け出そうとします。
不条理なこと(あるべき姿に反していること)、理不尽なこと(避けることが無理な圧力に屈すること)、不合理なこと(理屈にあわないこと)に折り合いをつけて生きていくのがおとなの世界です。正義を貫いた先にあったのは不幸だったということが人間界のありようです。(参考「勇気ってなんだろう」江川紹子著 岩波ジュニア文庫 内部告発をして家族や親族関係が崩壊した例が書いてあります)
変わった内容ですが、味わいがありました。
信仰団体の代表者の言葉です。『あなたがここにいるのは(あなたの)自分の意思とは関係ないのです(必然なのです(それよりほかになりようがないこと))』
映像を観ていて、最後は、生きていればいいんだというゴールにたどり着きます。
お父さんの言葉として「時間は気にしなくていい」
ちーちゃんをまんなかにして父と母との家族三人で、流れ星を見るシーンが最後です。
自分の体験だと流れ星というのは意外にひんぱんに流れ落ちています。
中学生のころにアルバイトで新聞の朝刊の配達をしていたのですが、冬の明け方など、まだ暗いのですが、いなかゆえに自分の頭の上には満点の星空があり、新聞配達を終えてから自宅までの帰路で、ゆっくり歩きながら空を見上げていると、次々と流れ星が流れていく様子を見ることができました。宇宙の時の流れのなかでは、人の一生は、流れ星が流れる瞬間のように短いものです。どのように生きるかは本人次第です。
(2017年のときの読書感想文)
星の子 今村夏子 朝日新聞出版
83ページまで読みました。なかなかおもしろい。
「コンビニ人間」とか、「しんせかい」、「苦役列車」、「サラバ!」の路線です。
病弱に生まれた主人公林ちひろ(ちーちゃん)を救うために、「水」にからんだ新興宗教らしき活動に積極的に関わる両親がいます。それが原因で、親族関係、親子関係(ちーちゃんの5歳上にまさみさん、まーちゃんがいる)が破たんしていきます。
宗教小説は避けられる傾向にあるのですが、この小説の場合、成功しています。
お茶の名前が「金星のみのり」
項目番号「4」から、おもしろくなってきます。
小学生ながら、女子のしたたかさとか、男子のばかばかしさが表現されています。
孤独もあります。
「すべては宇宙の意のままに」は、イスラム教アラーの「神の御心のままに(インシャラ―)」みたい。
「さらけだす」小説です。16歳高校1年生のまーちゃんが、家出をしました。
引きこもり男子の異様な行動があります。
異常な世界となってきました。
そして、両親は、毎日、祈り続けるのです。
(つづく)
読み終えました。
読後感として、実際にこういう世界もあって、否定はできない。
無神論者が多い日本ではありますが、なんらかの宗教活動をしている個人もファミリーもいます。
こんな感じの家族像になるのでしょう。
印象に残ったこととして、「父も母もあまり食事をとらない。一日、一食か一食半」
笑えるシーンはいくつかありました。素朴です。
なんだか、おもしろくて、悲しい、ときには、児童虐待にも思える。
「親戚との付き合いが絶たれる」
ラスト、両親は、娘を手放すことにしたのか、手元におくことにしたのか。なかなか推定と決定はむずかしい。
決めるのは本人で、おそらく本人は、望まない。両親だけではなく、ファミリーを包む組織内にいるから。
宗教にのめりこんでいる両親を「洗脳(マインドコントロール。思想・主義の意図的誘導、植え付け)」から目覚めさせるためにはどうしたらいいのだろうか。
悩ましい。
映像は、苦しさを通り越して、コメディにまで至っています。
水の神さま信仰です。
頭頂部、頭髪(とうはつ)の上に水を含んだ白いタオルをたたんでのせてご利益(ごりやく)があるとして生活をする両親がいます。
長女は両親に愛想をつかして家を出て行きました。中学三年生高校受験生の次女ちひろ(ちーちゃん。演者として芦田愛菜さん)が家に残されました。
生きていくうえで、何かに寄りかかっていないと倒れてしまいそうな人がいます。
両親の宗教的な儀式を好きな男性に偶然観られて、男性から「あれは不審者」だと断定されてショックを受ける芦田愛菜さんが演じる「ちーちゃん」がいます。
両親の水神さま信仰は、ちーちゃんが病弱で死にそうだったあかちゃんのときの出来事がスタートになります。ちーちゃんの命を、水神さまが救ってくれたのです。そのことで責任を感じているちーちゃんがいます。自分のせいで、両親が水の信仰にのめりこんだと。
ちーちゃんが異様な家庭環境のなかで生活していることで、親戚はちーちゃんのことを心配します。ちーちゃんの母親の兄夫婦とその息子が、ちーちゃんを彼女の両親から分離して助け出そうとします。
不条理なこと(あるべき姿に反していること)、理不尽なこと(避けることが無理な圧力に屈すること)、不合理なこと(理屈にあわないこと)に折り合いをつけて生きていくのがおとなの世界です。正義を貫いた先にあったのは不幸だったということが人間界のありようです。(参考「勇気ってなんだろう」江川紹子著 岩波ジュニア文庫 内部告発をして家族や親族関係が崩壊した例が書いてあります)
変わった内容ですが、味わいがありました。
信仰団体の代表者の言葉です。『あなたがここにいるのは(あなたの)自分の意思とは関係ないのです(必然なのです(それよりほかになりようがないこと))』
映像を観ていて、最後は、生きていればいいんだというゴールにたどり着きます。
お父さんの言葉として「時間は気にしなくていい」
ちーちゃんをまんなかにして父と母との家族三人で、流れ星を見るシーンが最後です。
自分の体験だと流れ星というのは意外にひんぱんに流れ落ちています。
中学生のころにアルバイトで新聞の朝刊の配達をしていたのですが、冬の明け方など、まだ暗いのですが、いなかゆえに自分の頭の上には満点の星空があり、新聞配達を終えてから自宅までの帰路で、ゆっくり歩きながら空を見上げていると、次々と流れ星が流れていく様子を見ることができました。宇宙の時の流れのなかでは、人の一生は、流れ星が流れる瞬間のように短いものです。どのように生きるかは本人次第です。
(2017年のときの読書感想文)
星の子 今村夏子 朝日新聞出版
83ページまで読みました。なかなかおもしろい。
「コンビニ人間」とか、「しんせかい」、「苦役列車」、「サラバ!」の路線です。
病弱に生まれた主人公林ちひろ(ちーちゃん)を救うために、「水」にからんだ新興宗教らしき活動に積極的に関わる両親がいます。それが原因で、親族関係、親子関係(ちーちゃんの5歳上にまさみさん、まーちゃんがいる)が破たんしていきます。
宗教小説は避けられる傾向にあるのですが、この小説の場合、成功しています。
お茶の名前が「金星のみのり」
項目番号「4」から、おもしろくなってきます。
小学生ながら、女子のしたたかさとか、男子のばかばかしさが表現されています。
孤独もあります。
「すべては宇宙の意のままに」は、イスラム教アラーの「神の御心のままに(インシャラ―)」みたい。
「さらけだす」小説です。16歳高校1年生のまーちゃんが、家出をしました。
引きこもり男子の異様な行動があります。
異常な世界となってきました。
そして、両親は、毎日、祈り続けるのです。
(つづく)
読み終えました。
読後感として、実際にこういう世界もあって、否定はできない。
無神論者が多い日本ではありますが、なんらかの宗教活動をしている個人もファミリーもいます。
こんな感じの家族像になるのでしょう。
印象に残ったこととして、「父も母もあまり食事をとらない。一日、一食か一食半」
笑えるシーンはいくつかありました。素朴です。
なんだか、おもしろくて、悲しい、ときには、児童虐待にも思える。
「親戚との付き合いが絶たれる」
ラスト、両親は、娘を手放すことにしたのか、手元におくことにしたのか。なかなか推定と決定はむずかしい。
決めるのは本人で、おそらく本人は、望まない。両親だけではなく、ファミリーを包む組織内にいるから。
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