2021年06月01日
シャーロットのおくりもの E.B.ホワイト
シャーロットのおくりもの 作・E.B.ホワイト 絵・ガース・ウィリアムズ 訳・さくまゆみこ あすなろ書房
本の帯に、児童文学の最高傑作! と書いてあります。そんな本があるのだろうかという疑問から始まりました。世界的なロングセラーとあります。なのに、自分はこれまで知らなかった。ならば、読んでみよう。
カバーの裏に紹介があります。シャーロットというのはクモなのか。
シャーロット:クモ
ウィルバー:子ブタ(できそこない(小さい)だから、生まれたとたん始末(ころされる)されそうになるのを8歳のファーンがかわいそうだと父親に命乞い(いのちごい)をして助かる。
とりあえず15ページまで読みましたが、なにかしら日本でいう明治時代ぐらいの時代背景にあるアメリカ合衆国ペンシルベニア州でのお話のようです。(ペンシルベニア州:ニューヨークの西側にある州)
作者のE.B.ホワイトさんについてです。1899年(日本だと明治32年)-1985年(日本だと昭和60年)86歳没。この本は、1952年の出版です。(昭和27年)今から69年前です。
父がいて、母がいて、ファーン8歳がいて、兄のエイヴリー10歳がいます。
10歳の兄エイヴリーが手にエアライフルをもっています。(エアライル:空気銃。ここでは、子ども向けの玩具でしょう。されど銃社会のアメリカ合衆国らしい)
ちょっと整理します。
ファーン:8歳女児。お肉にされる予定だったブタのウィルバーをかばう。
ジョン・エラブル:ファーンの父。農場経営者。養豚業か。
なんとか・エラブル:ファーンの母。名前はまだわかりません。(いま115ページまで読んだところです)
エイヴリー・エラブル:ファーンの兄。10歳
ウィルバー:4月生まれの子ブタ。いま(115ページ付近)、生後二か月。
ホーマー・L・ザッカーマンおじさん:ザッカーマン農場の経営者。たぶんジョン・エラブルの兄弟
イ―ディス・ザッカーマン:ホーマー・L・ザッカーマンの奥さん
牧師
ラーヴィー:ザッカーマン牧場で雇われている男性
シャーロット:シャーロット・A・キャヴァティカ。大きな灰色のクモ。クモの巣をはって、ハエやアブをつかまえて、糸でアブをぐるぐる巻きにして、そのあとハエやアブを食べるらしい。足が毛深い。
ガチョウのおじさん、おばさん、七匹のヒナ。八個の卵を四週間温めて、七個がかえりました。一個はだめでした。
羊と子羊
コッカースパニエル犬
テンプルトン:ネズミ
スクールバス:アメリカ合衆国では幼稚園バスのようにスクールバスが来る。学校が離れているからと最初はその理由を考えましたが、どうも、通学の安全確保の意味合いのほうが強いようです。治安が悪いアメリカらしい。
商売用のブタの命を救うというお話です。ふつうは、そういうことはありません。食べられることが役割で生まれてくる動物たちのうちのひとつです。
(子ブタのウィルバー)「まだ生まれて二か月にもならないのに、ぼくはもう生きているのにうんざりしちゃった」
そんなウィルバーを、がちょうのおばさんが励まします。かこいを破って自由を手に入れるのだとけしかけます。(結局捕まって連れ戻されてしまいますが)
ディズニーのアニメ映画を観ているようです。おもしろい。
フスマ飼料:小麦の外皮部分。小麦粉をつくるときに発生する副産物
プルーン:果実。乾燥させたものが多い。
アプサイドダウンケーキ:さかさまに焼き上げるケーキ
ガガンボ:昆虫。アメンボのでかいような見た目。大きい蚊のようにも見える。
ノドジロシトド:スズメ科の鳥
主人公が動物ではなくて「クモ」というところが珍しい。
知恵があるクモです。
そういえば、こどものころ、クモは祖先の生まれ変わりだから殺してはいけないと自分なりに解釈していた時期がありました。
クモのシャーロットのセリフとして、
「もしわたしが虫をつかまえて食べないと、虫がどんどんふえて、この地球をこわし、すべてをほろぼしてしまうってこと、あなた知ってるかしら?」(であれば、子ブタのウィルバーは食べられなければならないという理屈が生まれてきて、この物語の趣旨からはずれるような気がします。食べられそうになるかわいそうなウィルバーの命を救うことがこの物語の趣旨です)
太らせてから食べられるという子ブタのウィルバーの命をクモのシャーロットが救おうという流れになってきます。(ただ、発育不全なので、ペット用にするという親子の意図が最初のほうにあったような気がします)
新しい発想があります。クモや動物たちがしゃべるだけではなくて、「文字」を理解するのです。
クモのシャーロットがクモの糸で文字を作成します。奇跡の物語です。
ホーマーおばさんのイ―ディスがいうとおり、ブタよりもクモのほうがすごいのですが、なんだか中途半端な世界で生きている人たちなのでブタがすごいとうけとります。
クモが文字を描く技術の理由として器用な足があります。足が、七つの部分に分かれています。コクサ(底節ていせつ)、トロカンター(転節てんせつ)、フィーマー(腿節たいせつ)、パテラ(基関節きかんせつ)、ティビア(頚節けいせつ)、メタターサス(基附節きふせつ)、ターサス(附節ふせつ)です。作者はクモの研究をしています。
さらに生き物たちの会議が続きます。
クモのシャーロット、子ブタのウィルバー、ガチョウのだんな、おくさん、七ひきのこどもたち、羊、子羊です。ネズミのテンプルトンもいました。
『TFRRIFIC』すばらしいと訳してあります。テリフィック。ものすごいとか、すごくいいとか、また恐ろしいという意味もあります。
ほら話的な部分もあります。クモがクモの巣でお魚をつかまえて食べます。ほら話は文学におけるひとつのジャンルだと思っています。
お医者さんのドリアン先生。動物たちと会話をする8歳の娘ファーンが病気ではないかと母親が相談します。
ヘンリー・ファッシー:ファーンの男友だち。ふなっしーみたい。
気に入った文節として、「コオロギたちは、夏がいつまでもつづくわけではないということを知らせるのが、自分たちの仕事だとこころえていました」
クモのシャーロットがクモの巣で書いた文字として『すばらしい』『たいしたブタ』『ぴかぴか』だんだん子ブタのシャーロットが見世物みたいになってきました。
最後が『つつましい』
クモのシャーロットは卵を産む時期を迎えました。シャーロットはメスだったのですね。昆虫ですから、卵を産んだら死を迎えるようです。
秋に開催される品評会です。
動物たちのにぎやかなようすは、人間界のようです。
サワ―マッシュ:この本ではウィスキーのことを書いてあるようです。
ラウドスピーカー:拡声器。スピーカー。単にスピーカーと書くと「話す人」と勘違いされるらしい。
ポンティアック車:自動車ブランド。ジェネラルモーターズの中位の車。2010年に製造は終了
マグナム・オーパス:ラテン語で最高傑作という意味
ラテン語:イタリア半島の古代ラテン人が使用していた言語。古代ヨーロッパ大陸で使われていた。
品評会は、農業まつりのようです。
命をつなぐ「営み(いとなみ)」の物語です。
クモのシャーロットの子どもたちです。「ジョイ(よろこび)」「アラネア(ラテン語でクモ)」「ネリー」
『恩師』とか『師弟関係』とか、昔の人間関係を思い出します。職人的な仕事が機械や電子機器に移り、世の中のありようがずいぶんと変化した昨今です。
そうかそういうことがあったのかと、過去の歴史書を読むようでした。1952年が初版の物語でした。昭和27年です。わたしはまだ生まれていません。
動物ファンタジーという位置づけの作品でした。
映画になっていることは知りませんでした。
ぼんやりカバーの絵を見ていました。「Charlotte‘s Web」と書いてあるのに気づきました。本の原題は「シャーロットのクモの巣」という意味です。
本の帯に、児童文学の最高傑作! と書いてあります。そんな本があるのだろうかという疑問から始まりました。世界的なロングセラーとあります。なのに、自分はこれまで知らなかった。ならば、読んでみよう。
カバーの裏に紹介があります。シャーロットというのはクモなのか。
シャーロット:クモ
ウィルバー:子ブタ(できそこない(小さい)だから、生まれたとたん始末(ころされる)されそうになるのを8歳のファーンがかわいそうだと父親に命乞い(いのちごい)をして助かる。
とりあえず15ページまで読みましたが、なにかしら日本でいう明治時代ぐらいの時代背景にあるアメリカ合衆国ペンシルベニア州でのお話のようです。(ペンシルベニア州:ニューヨークの西側にある州)
作者のE.B.ホワイトさんについてです。1899年(日本だと明治32年)-1985年(日本だと昭和60年)86歳没。この本は、1952年の出版です。(昭和27年)今から69年前です。
父がいて、母がいて、ファーン8歳がいて、兄のエイヴリー10歳がいます。
10歳の兄エイヴリーが手にエアライフルをもっています。(エアライル:空気銃。ここでは、子ども向けの玩具でしょう。されど銃社会のアメリカ合衆国らしい)
ちょっと整理します。
ファーン:8歳女児。お肉にされる予定だったブタのウィルバーをかばう。
ジョン・エラブル:ファーンの父。農場経営者。養豚業か。
なんとか・エラブル:ファーンの母。名前はまだわかりません。(いま115ページまで読んだところです)
エイヴリー・エラブル:ファーンの兄。10歳
ウィルバー:4月生まれの子ブタ。いま(115ページ付近)、生後二か月。
ホーマー・L・ザッカーマンおじさん:ザッカーマン農場の経営者。たぶんジョン・エラブルの兄弟
イ―ディス・ザッカーマン:ホーマー・L・ザッカーマンの奥さん
牧師
ラーヴィー:ザッカーマン牧場で雇われている男性
シャーロット:シャーロット・A・キャヴァティカ。大きな灰色のクモ。クモの巣をはって、ハエやアブをつかまえて、糸でアブをぐるぐる巻きにして、そのあとハエやアブを食べるらしい。足が毛深い。
ガチョウのおじさん、おばさん、七匹のヒナ。八個の卵を四週間温めて、七個がかえりました。一個はだめでした。
羊と子羊
コッカースパニエル犬
テンプルトン:ネズミ
スクールバス:アメリカ合衆国では幼稚園バスのようにスクールバスが来る。学校が離れているからと最初はその理由を考えましたが、どうも、通学の安全確保の意味合いのほうが強いようです。治安が悪いアメリカらしい。
商売用のブタの命を救うというお話です。ふつうは、そういうことはありません。食べられることが役割で生まれてくる動物たちのうちのひとつです。
(子ブタのウィルバー)「まだ生まれて二か月にもならないのに、ぼくはもう生きているのにうんざりしちゃった」
そんなウィルバーを、がちょうのおばさんが励まします。かこいを破って自由を手に入れるのだとけしかけます。(結局捕まって連れ戻されてしまいますが)
ディズニーのアニメ映画を観ているようです。おもしろい。
フスマ飼料:小麦の外皮部分。小麦粉をつくるときに発生する副産物
プルーン:果実。乾燥させたものが多い。
アプサイドダウンケーキ:さかさまに焼き上げるケーキ
ガガンボ:昆虫。アメンボのでかいような見た目。大きい蚊のようにも見える。
ノドジロシトド:スズメ科の鳥
主人公が動物ではなくて「クモ」というところが珍しい。
知恵があるクモです。
そういえば、こどものころ、クモは祖先の生まれ変わりだから殺してはいけないと自分なりに解釈していた時期がありました。
クモのシャーロットのセリフとして、
「もしわたしが虫をつかまえて食べないと、虫がどんどんふえて、この地球をこわし、すべてをほろぼしてしまうってこと、あなた知ってるかしら?」(であれば、子ブタのウィルバーは食べられなければならないという理屈が生まれてきて、この物語の趣旨からはずれるような気がします。食べられそうになるかわいそうなウィルバーの命を救うことがこの物語の趣旨です)
太らせてから食べられるという子ブタのウィルバーの命をクモのシャーロットが救おうという流れになってきます。(ただ、発育不全なので、ペット用にするという親子の意図が最初のほうにあったような気がします)
新しい発想があります。クモや動物たちがしゃべるだけではなくて、「文字」を理解するのです。
クモのシャーロットがクモの糸で文字を作成します。奇跡の物語です。
ホーマーおばさんのイ―ディスがいうとおり、ブタよりもクモのほうがすごいのですが、なんだか中途半端な世界で生きている人たちなのでブタがすごいとうけとります。
クモが文字を描く技術の理由として器用な足があります。足が、七つの部分に分かれています。コクサ(底節ていせつ)、トロカンター(転節てんせつ)、フィーマー(腿節たいせつ)、パテラ(基関節きかんせつ)、ティビア(頚節けいせつ)、メタターサス(基附節きふせつ)、ターサス(附節ふせつ)です。作者はクモの研究をしています。
さらに生き物たちの会議が続きます。
クモのシャーロット、子ブタのウィルバー、ガチョウのだんな、おくさん、七ひきのこどもたち、羊、子羊です。ネズミのテンプルトンもいました。
『TFRRIFIC』すばらしいと訳してあります。テリフィック。ものすごいとか、すごくいいとか、また恐ろしいという意味もあります。
ほら話的な部分もあります。クモがクモの巣でお魚をつかまえて食べます。ほら話は文学におけるひとつのジャンルだと思っています。
お医者さんのドリアン先生。動物たちと会話をする8歳の娘ファーンが病気ではないかと母親が相談します。
ヘンリー・ファッシー:ファーンの男友だち。ふなっしーみたい。
気に入った文節として、「コオロギたちは、夏がいつまでもつづくわけではないということを知らせるのが、自分たちの仕事だとこころえていました」
クモのシャーロットがクモの巣で書いた文字として『すばらしい』『たいしたブタ』『ぴかぴか』だんだん子ブタのシャーロットが見世物みたいになってきました。
最後が『つつましい』
クモのシャーロットは卵を産む時期を迎えました。シャーロットはメスだったのですね。昆虫ですから、卵を産んだら死を迎えるようです。
秋に開催される品評会です。
動物たちのにぎやかなようすは、人間界のようです。
サワ―マッシュ:この本ではウィスキーのことを書いてあるようです。
ラウドスピーカー:拡声器。スピーカー。単にスピーカーと書くと「話す人」と勘違いされるらしい。
ポンティアック車:自動車ブランド。ジェネラルモーターズの中位の車。2010年に製造は終了
マグナム・オーパス:ラテン語で最高傑作という意味
ラテン語:イタリア半島の古代ラテン人が使用していた言語。古代ヨーロッパ大陸で使われていた。
品評会は、農業まつりのようです。
命をつなぐ「営み(いとなみ)」の物語です。
クモのシャーロットの子どもたちです。「ジョイ(よろこび)」「アラネア(ラテン語でクモ)」「ネリー」
『恩師』とか『師弟関係』とか、昔の人間関係を思い出します。職人的な仕事が機械や電子機器に移り、世の中のありようがずいぶんと変化した昨今です。
そうかそういうことがあったのかと、過去の歴史書を読むようでした。1952年が初版の物語でした。昭和27年です。わたしはまだ生まれていません。
動物ファンタジーという位置づけの作品でした。
映画になっていることは知りませんでした。
ぼんやりカバーの絵を見ていました。「Charlotte‘s Web」と書いてあるのに気づきました。本の原題は「シャーロットのクモの巣」という意味です。
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